2011/10/28

モロヘイヤ用の包丁

先日、ファーマーズマーケットでモロヘイヤを2袋購入しました。多分今シーズンのラストです。今年もさんざん食べましたが、毎年のことながら、この野菜の時節が終わりに近づくとさみしいですね。とはいえ時期も時期なので、いつもより煮込まないと葉っぱのゴワゴワ感もなかなかとれません。

それで、

モロヘイヤの食べ方といえば、ほぼエジプト風なシチュー(スープ)の一手。そのためには、茎から外した葉をみじん切りにしなきゃいけないんだけど、あまりに大量なときにはこの包丁が登場します。

モロヘイヤ用包丁
購入先は、エジプト・カイロのスークイルアタバ。とりあえず、このスークにきて真っ先に探したのはこの包丁です。ていうより、エジプトに行った目的は、コシャリ食べることと、この包丁買うことだったといっても過言でありません。

この包丁、NHK教育テレビのアラビア語講座でみて以来、気になって仕方ありませんでした。もちろん、他地域でもこの形状の包丁を使用していることは承知していますが、自分的にはモロヘイヤ専用な道具です。

真ん中には、なぜか誇らしげにJAPANの文字が?ホントか?

ここ数年は、地元のファーマーズマーケットでもモロヘイヤを出してくる生産者さんが多く、その中には、普通の市場に流通しているものの2倍ちかい量の葉がパツンパツンの袋で(しかも安価に!)出してくれている方もいます。

おかげで特濃なモロヘイヤシチュー(スープ)をつくることができるんですが(そのぶん、アクの出る量も尋常じゃないんだけど)、そんな大量のモロヘイヤの処理には、この包丁が役立ってくれます。

そんな特濃ヴァージョンなレシピはというと

モロヘイヤのシチュー

普通に市販されているモロヘイヤの場合で4袋ほどの場合

  1. たまねぎ1/2個の薄切りをバターで透き通るまで炒める。その後、鶏もも肉1枚を4つに切ったものも炒め、ひたひたの二倍量くらいの水を加える。沸騰したらアクをとり、20分煮る
  2. モロヘイヤの葉を茎から取って、粘りがでるまでひたすらみじん切りにする
  3. 1に2を加え、出たアクを丹念に取る
  4. 3に塩で味を調える
  5. にんにく1かけのみじん切りとコリアンダーの葉1束のみじん切りをバターで炒めて香りを立て、4の鍋に入れて数分煮る
5の工程は状況に応じてお好みで。あんまりにんにくが効き過ぎてもこまる状況のときは、1のバターに固まりのにんにくをいれて軽く香りを移すだけで押さえる場合もあります。

*追記
2の工程は、1の煮込みが始まってからはじめればオッケイ。(特に畑から直送なものの場合は特に)モロヘイヤを洗って、葉をむしって、よーく切り刻んでると、ちょうど玉ねぎと鶏肉の煮込みが頃合いになるはずです。

あ、あとこの包丁。パーティー向けのタブレのために大量のパセリを刻むときにも重宝しています。

2011/09/21

事態は豆男子、らしい

ひさびさのネタ本系エントリです。

今売りの料理通信誌(2011年10月号)の第二特集が「ハーブ&スパイスでつくる豆レシピ」です。第一特集のアメリカ版小さくて強い店チック特集も魅力的ですが、第二特集も負けず強力です。

料理通信の豆男子特集
まずファラフェルから始まって、ポルトガルやトスカーナ風味のスパイス+ハーブ料理。そしてインド系豆+スパイス料理って、ほぼ無敵なラインナップ。

その特集のキモが「豆好き男子」がレシピを紹介するってことらしく。

そういえば、自分もなにげに豆料理は大好きで、中東方面ではホンモスターメイヤ、ファラフェル、コシャリ。洋食だとレンズ豆のサラダとかクスクス(自分のつくるクスクスは完全にフランス系、でもタブレはレバノン系だけど)とか。それに、プエルトリコのごはん+味噌汁なアロスコンアビチュエラとか。完全に日々の常食になってるようなお料理もたくさんあるもんなあ。あ、青い豆とクスクスのサラダも相当にうまかった。

そもそも、ブログのタイトル写真がそらまめのあっさり煮(フールメダミス)だし。

中でも、やっぱり男気あぶれる豆のたべかたといえば、やっぱりコシャリやアロスコンアビチュエラみたいな、豆+炭水化物を一気にかき込むガッツリ路線でしょう。この特集に触発されて、居ても立ってもいられずにひよこ豆を浸水させたのをきっかけに、豆食男子生活がかなり常態化しています。

=====

ちなみに

ファラフェルのレシピでブログ書いたことなかったのか・・・どこにいったか分からなくなってる、ファラフェル成型器がでてきたら(2014.4・みつかった!)、一度書かなきゃ。

2011/09/18

普段のトマトサラダ

基本マヨネーズはあまり乱用しないようにしているのですが、冷やしトマトには何かつけた方が好きで、その筆頭はマヨネーズです。

でも、マヨネーズ以外で一番よくたべる方法は、と考えてみると、それはたぶんシェリービネガーのドレッシングではないかとおもいます。最近、プエルトリコ風豆ご飯に添えるためにあったアボカドも一緒にいれたりしているのですが、基本はトマトだけでもおんなじです。

トマトサラダ
◎トマトサラダ
トマト中1個の場合
  1. ドレッシングをつくる。シェリービネガー大さじ2、オリーブ油大さじ1、好みのハーブ・スパイス(普段はエルブドプロバンスを入れたり、ハーブビネガーをすこし加えたり、ミントを入れることも)。
  2. トマトは種を取り1-2cm角に、玉ねぎ1/8個はみじん切りまたはスライス、パセリ1枝は粗みじん
  3. 2の材料を1のドレッシングで和え、冷蔵庫で少し休ませてなじませる

今日のサラダはたまたまあり合わせの都合で、プチトマト、紫たまねぎ、イタリアンパセリを使用。パセリは、普通の人の感覚よりはたっぷりめに使います。甘い味好きなので、ビネガーには小さじ1ほどの砂糖もいれます。

油は一般的分量よりは少なめなので、オイル強めが好きな方はお好みで。自分は酢やレモンの味をじゃぶじゃぶ気味にまわして調理するのが好きなので、この油の分量でも多めに感じます。

譲れないポイントは、トマトの種を取って、できればペーパータオルなどで余分な水分を切ること。そもそも、冷やしトマトが例外で、基本的に種は取る派です。でも、皮は気にならないし、手間も面倒くさいから、余程ののことがない限り剥かないのですが・・・

2011/09/16

腸詰と鶏肉と搾菜の蒸し物

学生時代の中華街レストランバイト時代のまかない飯のいくつかは、お手軽で安くてうまい裏ワザ中華として、いまでも時折つくってたのしむものがいくつかあります。

レタスの湯引きだったり、チリソース+卵だったり。

そんな中で、なかなかつくる機会に恵まれないのですが、一番大好きだったお料理が今回の腸詰と鶏肉と搾菜の蒸し物です。調理方法はいたってシンプル。材料と調味料をバット状の容器にいれ、蒸し煮にするだけ。鶏のうまみと、腸詰のコクと甘さ、搾菜の塩味と風味が一体となって、相当なうまさです。


とはいえ、地方に住んでいると腸詰の入手はなかなかに困難。しかも、あんまり安いものではないので、おいそれと調理用に用いるのにも腰が引けたりするのですが、それでもやるだけの価値はあるお料理です。

腸詰と鶏肉と搾菜の蒸し物
鶏もも肉1枚、腸詰1本、搾菜1/3個程度の場合
  1. 鶏もも肉は唐揚げくらいの大きさ、腸詰は厚さ1cm強の斜め切り。ザーサイはそのまま食べられるくらいに塩抜きして、気持ち厚めの薄切り。
  2. バットやグラタン皿の様な容器に、紹興酒とスープ各1/2カップ、醤油大さじ1、砂糖(今回はきび砂糖を使用)大さじ1-2を合わせ、1の材料がまんべんなく混ざる状態になるように加える
  3. 2を蒸し器に入れ30分蒸す、火を止めて15分くらい置く

スープをインスタントにする場合、その塩加減などもあるので、塩味や甘さは味見して、好みの加減にしてください。

個人的には、まかない情緒を味わいたいので、そのまま常温下で、ぬるく冷めたところで食べるのが好み。一般的な調理の理論でいえば、温度が下がっている過程でより味が浸透している筈だから味わいも深まっている筈です。

このお料理、いかにもお酒と合いそうですが、賄い飯で食べてた経験がベースにあるためか(味付けも濃いめに振れて)、ご飯のおかずとして食べるのが好きです。普通のご飯もいいのですが、香港の家庭チックなイメージで、インディカ米ご飯ともよく合います。

さらに、固め(アルデンテ)に土鍋で炊きあげたご飯に、この料理の具材と汁を振りかけて、ガッと加熱して味をまわして食べるのも、なかなかの楽しさ。中華系に振ったホームパーティの締めにもどうぞ。

その状態なら汁気も飛んで、青菜を添えれば、焼物系會飯みたく、お弁当にもサイコーそうです。

2011/08/01

レンズ豆のスープ・・・冷凍庫にあるもので

今回はお手軽レシピで。

サラダコシャリに、レンズ豆を茹でたものをストックしておくと、なにかと使い道があって便利です。ゆるめにラップしておけば、手でパキッと折って、ほしい量を取り出すのも簡単だしね。

そんな冷凍庫のレンズ豆の横には、やっぱり何かと便利な、ていうか生活必需品のソフリットがあります。一番よく使うのはプエルトリコ風な豆煮込みですが、カレーなどの煮込み料理にも味のベースとして欠かせません。

この二つと、さらに同じ棚にあるトマトコンサントレを鍋に適量放り込み、水またはお湯を加えて、固形スープ(今回はマギーの野菜ブイヨン)の素を入れれば、まあ簡単にレンズ豆のスープのできあがり。

レンズ豆のスープ
この際、風味付けも、お好みでガーリックパウダーを加えたり、みじん切りのパセリを散らしたり、オリーブ油を垂らしたりして、最低限の手間に押さえて、お手軽にいきましょう。

2011/06/15

パイナップルにモラセスをかけてみた

大好物中の好物・パイナップルにかけるモノの定番といえばキルシュですが、先日、例によって旅+お料理チャンネルをみてるとスペインで、果物を食べているシーンが映っていました。

そこに出ていたのは、いちごにシェリービネガーをかけたものと、タイトルにあるパイナップルにモラセスをかけたもの。丁度、モラセスならレバノンのナッツ屋で買ったざくろ風味のものがあるので、実践してみました。

パイナップルのモラセスかけ
このざくろモラセス。特有のこげた香りはするのですが、味は可成り酸味が強め。お肉を焼いた後のフライパンに流し込んで甘酸っぱいソースにしたり、飲み物に使ったりしようとおもって取り寄せてみたのですが、飲み物には余り向かないようで、使いあぐねてもいたのです。

でも、

パイナップルとの相性はなかなかです。モラセスの少し強めの香りがしっかり生きて、エッジを立ててくれます。今回はよく熟したパイナップルだったから、素材自体の甘さが前面に出てくる分、酸味が勝ったモラセスの個性はうまく味わいの奥行きを深めてくれたようです。この分だと、シロップ漬けの缶詰との相性もよさげです。

これ前も書いてたけど、ベニエにかけてもうまそう。ビューラムかけたやつと、すっぱいモラセスがけと、バリエーションあるってのは楽しそうよ。

*****

ところで、もう一つのいちごのシェリービネガーかけ

これも、実践してみたいんだけど、ちょっと時期を過ぎてしまったので来年のお楽しみにしようかと。楽しむ上での砂糖の使い方については、カソナードとか風味のある砂糖で、ビネガーの香りとバッティングも考えたのですが、お友達のお菓子職人さんとついったーで軽くディスカッションした結果、グラニュー糖で甘みを補う使い方がベターという結論になりました。

ビネガーについては、個人的にシェリーものが大好きで常用してるからテレビでみたまんまで問題ないんですが、ここはお好みで、バルサミコとか黒酢とか、お好みで応用しても楽しそうですね。

2011/05/19

ジャラブ(jallab)の原液を買ってみた

レバ・シリ方面のお気に入り飲み物といえば、なんたって濃くて甘いレモネードですが、印象に残っている度でいえば、ジャラブの方が上かもしれません。

ジャラブ水割り
端的にいえばデーツ(ナツメヤシ)のジュース。見た目は葡萄ジュースっぽいのですけれど、相当にガッツリ甘く、小さい瓶を一本飲み干すと、かなりの満足感が得られます。

たとえばレバノン旅行の場合、一日観光とお買い物をし尽くし、可成り疲れてホテルに戻った時、窓から見える地中海(+コーニッシュの風景)を眺めながらジャラブを一本グイって飲み干す時間は、この後に待ち受ける美味しい夜ごはんと、夜遊びの時間に向けて、愛情一本注入するような充足感に充ち満ちていて、その甘い味わい以上に印象が強く残っています。

その、ジャラブの素となるシロップを、ナッツ購入のついでに買ってみました。

ジャラブの瓶
購入は3月ごろ。如何せん、日本のこの時期にはジャラブの味は合いません。甘くて、ごっつりしすぎている。

でも、だんだん気温が上がってくると、ジャラブの味が気持ちさげな気分がたかまってきます。

なにしろ、デーツはアラブ人には特別な食べ物。昔、アラブ語を教えてもらっていた留学生の友人が、帰省の折に大量の母親手製の菓子を持ち帰ってきて、その多くがデーツのお菓子だったことは印象に残っています(しかも、甘みの感覚がアラブ風な自分には滅茶苦茶うまかった>ついでに、彼に僕のつくったマハシーは「お母んの味」って言ってもらえたことは自分のアラブ飯生活をしていく上での大きな裏打ちになってます)。

これまで夏の飲み物といえば、カルカデとレモネードが主力でしたが、このジャラブが加わったことで、また猛暑がきても、甘みの力で乗り切って、より充実した夏が過ごせそうです。

2011/05/17

百年食堂風ソースカツ焼き飯

以前、はなまるマーケットで老舗食堂を特集しており、そこに登場した東京の洋食屋のまかない料理としてソースカツ焼き飯という料理が紹介されていました。

カツ入り焼き飯というと、かなりゲテモノな印象を抱く方も多いでしょうが、実は福井県敦賀市ではメジャーな食べ物。本町にある喫茶店の名物メニューで、トンカツチャーハン・略して「とんちゃん」。しこたまお酒を飲んだ後、深夜メシでがっつりとかき込むのが正しい作法だそう。

自分も、飲んだ後ではないのですが一度食べたことあります。可成り重かった記憶があります。

でも、テレビで登場したレシピはもう少し軽いノリで食べられそうです。丁度自宅でつくったとんかつが余っていたので、実作してみました。

ソースカツ焼き飯

番組サイトにでてるレシピは以下の通り。

◎ソースカツ焼き飯

<材料>(4人分)
カツ200g、バター10g、タマネギ1/2個、ご飯4膳、キャベツ1/4個、ウスターソース大さじ5

  1. カツは一口大、タマネギはスライス、キャベツはざく切りにしておく。
  2. フライパンにバターを入れ、タマネギを炒め、更にご飯を入れ、 塩コショウし炒める。
  3. 同じフライパンにカツ、キャベツを入れ、最後にウスターソースで味付けをして炒めれば完成。

で、これ滅茶苦茶美味しい!はっきりいって「とんちゃん」とは似て非なる料理です。ちゃんと日本風な洋食の味になってる。相当のヒットです。

ポイントは、玉葱+ご飯をバターで炒めるところと、キャベツでしょう。

ソースは単体だとジャンクな味わいですが、バターのおかげで個性が薄まって、ちゃんとした洋食フレイバーに化けます。動物油脂フライ+ソースな福井のソースカツ丼もそうだけど、動物系なあぶらの風味meetsソースってのは、味わいの懐を広げる大事なキモだってことを思い知らされます。

キャベツは、想像通りに味わいの重さを解消してくれます。色目を考えると、グリーンボールや春キャベツを使って、キレイな緑色をだしたいところですね。

とんかつは、肉の厚みがある程度必要だと思います。出来合いの惣菜にありがちなバッターや衣が厚いものは、個人的な好みではアウトです。バター+ソースの濃い味の中で、豚肉の塊を噛み締めた時の味があればこその、トンカツ焼き飯です。

レシピでは、ソースはウスターのみとなっていますが、今回の実作ではウスター:とんかつ:どろ=1:1:1の割合で使用してみました。

あと、ご飯は、しっかりフライパンを振って炒めてくださいね。べっちょりした仕上がりになったら、バターやキャベツの頑張りも無になってしまいます。

2011/04/20

今年はベジタリアンデリ風にお花見

毎年恒例のレバニーズ花見ですが、今年は花も盛りの時期に、どうにも週末の都合がつきませんでした。とはいえ、家からすぐそこのところに桜の名所があるのに、花見をしないわけにはいきません。ってことで、割と余裕のありそうな平日、急遽、花見をすることにしました。

ただ、平日のため、いつものメンバーにも参加できない人も多そうだし、メニューをやや縮小。メゼ(前菜)を中心に、ナマグサものなしな献立にしてみました。

花見2001年
◎今年のお花見メニュー

タンパク質は豆がメーン。なかでも、今年のイチ推しは、滅茶苦茶おいしくできたターメイヤです。ヨーグルトと一緒に食べると最高。トロピカルサラダは、えびを抜いてみましたが、十分に美味しくいただけました。柑橘はパール柑とはっさくを使用。

こんな野菜と豆の前菜を、お皿に彩りよく取り分けてみると、ファッション誌の目次に続くニューヨークレストラン情報、とかにでてきそうな、ベジタリアンデリみたいにオサレで、かつボリュームもしっかりあって十分に楽しめました。

そりゃあ、煙をもくもく立てながらカバブコフタメルゲーズを焼きまくるもの楽しいけれど、これはこれでお花見らしい静かな風情があっていいもんでしたよ。

2011/04/18

ターメイヤ開眼!

エジプト名物のそらまめ揚げ団子・ターメイヤ。これまで、いろんな文献のルセットを参考にしながら、乾燥豆、生、冷凍(ゆで豆)といろんな材料を用いてつくってきましたが、いかんせん丁度いい固さを得られず悩んでいました。生や冷凍だと柔らか過ぎて過剰な小麦粉を入れるはめになったり、乾燥豆を浸水しただけのものを用いると、すこしボソボソ感が強かったり。同じ悩みは、ひよこ豆も配合するファラフェルの時も感じていたことでした。

ところが最近、会心のターメイヤをつくることがかないました!その手順をご紹介します。

といっても、ポイントは浸水させた乾燥豆を、半茹でにしたものを材料にするだけ。

ターメイヤ揚げ前
皮むきを楽にしようと、ためしにやってみた措置ですが、この状態の豆をすり潰して、小麦粉や各種材料を配合して、揚げてみると、ふんわり感と豆本来の固形物感のバランスが絶妙。今後は、ファラフェルの時もこのやり方を取り入れていきたいと思います。

◎ターメイヤ
*乾燥豆300gの場合

  1. 乾燥そら豆を一晩水に浸す
  2. 1を30分-1時間茹でる。適宜煮こぼす。重曹は入れない
  3. 2の豆の皮を剥き、フードプロセッサーでペースト状にする
  4. 3に小麦粉(大さじ3ほど、豆の柔らかさをみて適宜調整)を加えてフープロを回す。そこにみじん切りにして水切りしたパセリ1-2ブーケと、好みの量の塩、にんにくを加え、全体が程よい緑色になるまで回す
  5. 4に粗みじん切りの玉葱1/2-1個を入れて軽く回し、全体に均一に混ぜ込む
  6. 5をボールなどに取り、直径4-5cm、厚さ1-1.5cmの団子に成形する
  7. 6を熱した油で揚げる。
ターメイヤ揚げ上がり
ゆで時間は豆の大きさによります。試食しながら豆の断面の半分がゆであがった状態を見極めてください。

パセリの役割は、風味3割、色目7割なので、タネが鮮やかな緑に染まるよう、お好みの色目を目指して仕上げてください。アラブワールドの各国の国旗をみてもわかるように、イスラム教徒にとって緑はとても大切な色だそうです。

コリアンダーやクミンなど、各種スパイスはお好みで加えていただければオッケイですが、個人的には軽いにんにく風味のほかは、すっきりと豆とパセリの香りが通る味わいが好きです(同様の好みから、ホンモスではにんにくを加えない)。

逆にファラフェルの場合の役割は風味7、色目3で、しかも豆の薄茶色のタネ中にパセリの緑が際だっていた方がきれいなので、5の工程で玉葱と同時に加え、豆本来の色を汚さないようにした方がよいとおもいます。

こうしてできあがったターメイヤは、水切りした塩味のヨーグルトをつけて食べるともうサイコー。サラダとともにパンに挟めばステキなお弁当だし、非ムスリムな方だったらアルコールとの相性もバッチリ。缶ビール片手に、味見と称して揚げたてをつまみ食いするのは、料理をする人の特権です。

2011/02/23

インスタントうどんを伊府麺風に使ってみた

ずっとやってみようと思っていた、タイトルの件を実行してみました。

丁度、家に袋麺タイプの味噌煮込みうどんがあったのです。カップ麺より、食材として利用するには袋麺の方が便利です。本物の伊府麺は卵麺ですが、この際、形状とテクスチャ重視で、中華街バイト時代にお馴染みだった懐かしい味わいを再現できれば、とおもいます。

そもそも伊府麺といえば、インスタントラーメンの元祖・チキンラーメンの発明のアイデアのきっかけになったとも聞いたことがある麺。バイト先のレストランの厨房に、座布団みたいにでっかい麺があった光景が思い起こされます。

お馴染みだったメニューは蟹肉入りの汁そばか、黄にら入りの煮そば(撈麺)ですが、今回は広東料理の定番ネタ本「香港粉麺飯」にでている、(オイスター)ソース味の焼きそばをアレンジしました。焼きそばとありますが、中身としては煮詰めた撈麺です。

オイスターソース味の伊府麺焼きそば風
◎オイスターソース味の伊府麺焼きそば風

  1. インスタントのうどんを、指定の調理時間の半分(2分)ほどゆでる
  2. もやし1/2袋、5mm厚に切ったしいたけ2個、下味をつけた豚肉(今回は冷凍を使用)を湯通し
  3. 鍋に油大さじ1を熱し、香り出しの香味野菜と1の豚肉、椎茸を炒め、スープ+合わせ調味料を加えて煮立たす
  4. 3の鍋に1の麺を入れて、汁がなくなるまで煮込む
  5. ほぼ汁がなくなったら、1のもやしと、細切りにした葱を加え、軽く鍋をあおり、香りの油(お手軽にはごま油)少々を振りかけて盛りつける。お好みで香菜を

*合わせ調味料:スープ150ml、オイスターソース大さじ1、醤油大さじ1、砂糖小さじ1、顆粒の和風だしの素少々

基本的に時期はずれの野菜(=流通量が少なく、値段が高め)のものは、余程のことがないと使わない主義なので、この季節にはまだ値段があんまりこなれてないにらではなく葱を使いましたが、多分味付けとの相性は、にらの方がよいかも。ただ、その場合は香菜は不要かもしれませんね。

顆粒の和風だしの素は、大地魚という鰈の仲間の干物の粉の代わりに使用。

今回使ったうどんは、すがきやの味噌煮込みでした。

すがきやの味噌煮込みうどん
実際に食べてみて、麺の味わいは卵麺ではないので物足りないかもしれませんが、もっちりテクスチャと、煮込んだ時にそのテクスチャを保つガッツは、インスタントうどんの方が上だとおもいます。なので、蟹肉汁そばみたいな薄味より、このお料理みたいな濃い味系の方が、初めてのチャレンジにはもっちり感を強調できる分よかったのかも、っておもっています。

でも今後、機会があれば蟹肉系とかも実践してみます。

あ、これは汁気がないのでお弁当にも使える麺料理ですね。

2011/02/21

美味すぎて困る、鍋焼き卵ご飯。

今、購読している漫画雑誌はビッグコミックだけなんですが、そこで気になる連載のひとつに「そばもん」があります。作者は「どんぐりの家」や「」(詰め将棋を解くだけの話で号泣できるスゲエ漫画!)の山本おさむ氏。サブタイトルは「ニッポン蕎麦行脚」で、先日は越前おろしそばも登場。個人的にサイコーだったのは対馬の新蕎麦を扱う、歌舞伎町の蕎麦屋の回です。

その今売り(2.25)の号で、登場人物の咄家が、幼少時に母親がつくってくれた、卵ご飯の夢をみるシーンがありました。

これが凄い!!!

冷やご飯を鍋に入れ、少量の水を差し、庭で飼っている鶏の卵を飯の上に落とし、醤油を回しかけ、蓋をして卵が白くなるまで蒸し煮にするというもの。水分が蒸発した鍋からは醤油の焦げたにおいが立ち上がり、ガス台の上に乗ったままの鍋から、火の入った白身と、半熟の黄身と、ふっくら温まった飯を匙で掬って口に運ぶというその数ページは、食味漫画で経験した中でも、あの包丁人味平ブラックカレーの恍惚に勝るとも劣らない強力なインパクトを伴っていました。

で、いてもたってもいられず再現。

鍋焼き卵ご飯
結果、これ危険です。美味いなんてもんぢゃないくらい、美味すぎる!!胃袋に余裕があれば、卵10個+米5合くらい、ノンストップで突っ走りたくなるくらいんまい。できれば、お夕飯で、お料理を食べながらほどほどにお酒を飲んで、最後の締めのお食事に軽くご飯ってシチュエーションで食べることを推奨したいです。でないと、どうにもお箸(匙)止まらない!

◎鍋焼き卵ご飯

  1. 鍋に冷やご飯を1.5-2膳分を薄く敷く。中央は卵の座りがいいよう、チキンラーメン風に軽く凹ませる。水を少々(2膳分で5-60mlほど、ご飯の乾燥具合や卵の火の通りで適宜調整を)
  2. 凹みに卵を落とし、醤油を回しかけ、蓋をして強火で火にかける。
  3. 鍋の中の水気がなくなり、醤油が香ばしく焦げ、卵の白身が白く固まったところで火を止める

普通に食べる分には、黄身をほどほどに突き崩して、適量を茶碗によそって食べるのでしょうが、作中の少年時代の咄家は、鍋に直接匙を突っ込んで、アツアツを口に運んでいました。あんまりお行儀はよろしくなさそうですが、間違いなく美味しさと幸せさは、この方法のが上だろうとはおもいます。

卵は、やっぱり美味しいものをおごった方が幸せ度合いは大きいかと。今回は地元の養鶏農家がえごまを餌に混ぜて育てた卵を用いました。

2011/02/16

お菓子を食べながら蒸留酒を呑む会。

間が開きましたが、新年のお菓子な出来事その2。

友人の女性菓子職人さんのつくったお菓子をアテに、蒸留酒を呑もうという会を、友人たちと催しました。

そもそものきっかけは、去年の12月24日。自分は仏教徒でクリスマスを祝うことはないのですが、彼女のつくったクリスマス向けのチョコレートケーキは購入して、おいしくいただきました。

ただ、その時間帯が深めだったため、ついつい手が伸びたのは島のラム(rhum)モニー(la maunyシャア専用)の1995ミレジム、ビエル(bielle)の7年オールダージュ、サンテティエンヌ(saint etienne)のvsopあたり。それと、コニャックなんかも舐めてみました。

クリスマス向けのケーキで、子どもが食べるかも、とお酒を使わずに焼かれたものだったので、それを補おうっていう言い訳で取った措置だったのですが、これがあまりにもうまくてついったーで呟いたところ、呑み食べ好きなお友達が何人か食いついて、その勢いのまま実施となった次第です。

そんなわけで、当日用意してもらったお菓子は

Amelieのお菓子
  • 焼酎プラム入り抹茶のパウンド
  • 濃厚ガトーショコラ(カカオ分70%の有機チョコレート使用)
  • コアントロー風味ホワイトチョコレートがけストロベリー
  • セミドライパイナップル
  • カカオ分50%のチョコチップクッキー

当日の蒸留酒
みなさんが持ち寄ったお酒はというと、なぜかウイスキー飲みな女子が多いため、スコッチや日本ものが優勢。モルトはハイランドパークの21年(うまい!)と、サントリーが入れているマクレランズというボトラーのアイラ島もの。あと響。自分が持参したのは、クリスマスの時に呑んだ三種。ほかにカルヴァ(トス)。シャルトリューズがなぜか黄と緑があった。

ついでに、余興として自主レコ部と称し、各自持ちよりのレコードを聴きながら、いろんな蒸留酒をチビチビやっていたわけです。グラスは各自1つで、酒を干してはチェイサー代わりの水でグラスをすすぎ、次の酒に行くという、島の旅で経験したハード系漢呑みスタイル。

で、時間が経つとめいめいのお皿のお菓子も減ってくるのですが、この減り方がはっきり二つの傾向に分かれたのが面白いところ。多くの人は、普通にデザートを食べるように、パクパクと一口大のお菓子を口に運ぶのですが、若干名は、まるで豆腐ようのように、ケーキを少しずつ削るようにして少量を口に入れ、そこをアルコールで洗うという男気溢れるスタイルで堪能。

そのあたりに、この会の目的をお菓子に置いていたのか、呑みに置いていたのかがはっきりでていて、なかなか愉快でした。

当然、自分自身が呑み目的なのは、ここまでの記事が酒中心に進行していることから明らか。ですけれど、もちろんお菓子も基本的に直球として濃厚なパワーがある上、抹茶や果物のそのフレイバーがちゃんとエッジとして生きていて、そりゃあ楽しめましたよ。

*当日はカメラを持って行くのを忘れたため、写真は携帯で撮影、なのでこんな写真ばっかです。すいません。

2011/02/15

ヨーグルトと胡瓜のサンドイッチ

今年は雪がよく降ったので、スキー場にもボチボチ出掛けられているのですが、そうすると早々と(毎年変わり映えのしない)ゲレンデ食堂でのご飯には飽きがきてしまいます。で、去年のシーズン末みたく、サンドイッチ持参+サラダなランチとなります。

基本、あり合わせの材料をパンに挟んでできあがりなのですが、丁度、脱水(水切り)したヨーグルトがあったので、それを定番の胡瓜といっしょにサンドイッチに仕立ててみました。これがもう、んまい!

ヨーグルトと胡瓜のサンドイッチ
◎ヨーグルトと胡瓜のサンドイッチ

  1. ヨーグルトをペーパータオルを敷いたざるに入れ水切り。できれば6時間くらい。そこに塩、にんにくパウダーを各少々、オリーブ油(一パックを脱水後のものに、大さじ1くらい)を加えて混ぜる
  2. サンドイッチ用の食パンを色づかない程度に軽くトースト
  3. パンの表面にうっすらと、オリーブ油を塗る(バターの代わり)
  4. 脱水したヨーグルト大さじ2-3を、パンの上に広げる
  5. スライスしてよく水を切った胡瓜1/2本を、ヨーグルトの上に並べ、上にドライミント2摘みを振りかけ、その上にオリーブ油適量をたらす
  6. もう1枚のパンで挟んでなじませる

ヨーグルトの量や胡瓜の処理は、持ち運びなどの状況に応じて適宜調整を。大さじ2くらいなら、持ち運びあっても、柔らかい中身がつぶれて溢れることもないかとおもいます。家ですぐ食べるなら、具だくさんの方が美味しい!胡瓜も、ランチまで時間があるならば、塩をして少し水分を抜いておく仕事をしておいた方がいいかも。

あとに人に会う用事などがあれば、にんにく抜きで。オリーブ油とミント(個人的には必須。俺レシピなら倍量いれるかも)の風味で、十分おいしく、エキゾに楽しめます。塩加減は、気持ち濃いめがベターかと思いますが、胡瓜に塩をした場合は適宜調整を。

オリーブ油は生食+フレイバー重視なので、ここはエクストラヴァージンで。

これ、ワインにもぴったり。アルコール有りのピクニックや、ホームパーティーで最初に出す虫養いメニューにも使えそうです。

2011/02/14

エジプト風な紅茶

エジプトではムバラク大統領が辞任しました。デモの人たちが集まったタハリール広場は、旅行時に何度か通った場所で、ニュースの映像をみながらカイロを歩き回った日のことも思い返しました。

その街歩きの途中にいちばん飲んだものといえば、紅茶です。旅行にいけば必ず築地とユザワヤと合羽橋(みたいな場所)に行くのが常のため、初日にまず足を運んだのがスーク・イル・アタバという、地元住民が買い物する市場。そこでモロヘイヤを刻むための両手持ちの半月型包丁(なぜか日本製の表示が、ホントか?)を買ったり、携帯電話ショップでパーツを物色したりしたのですが、その間、1時間に1回くらいというハイペースで喫茶店に立ち寄りました。ちゃんと建物の中にある店から、ほとんど屋台なこんな店まで、いろいろと。

カイロの喫茶店
そこで、アラブ語の学習ノートを取り出して、地元のおっちゃんにカタコトアラブ語をぶつけてコミュニケーションを試みてみたりしたのですが、ノートの表記ミスをわざわざ直してくれるおっちゃんの親切ぶりとともに記憶に残ってるのが、熱くて甘い紅茶の味です。

とはいえ、最初の2軒くらいで初エジプトな日本人が「お茶、おねがい」っていっても、出てくるのはティーバッグのお茶。みんなが飲んでいる、茶葉をぐるぐるかき混ぜて上澄みを飲むものと違うのが悔しく、3軒目では、そんなお茶を飲んでいる人がいる店をみつけた上で「同じものを」って身振りで頼んで、ようやく「ああ、コシャーリーね」って合点してもらえ、ありつくことができました。

どうやら、あのごはん+マカロニ+豆なコシャリって言葉は、まぜまぜっていう意味っぽい。韓流ならピビムって感じ?

マクドでエジプト風な紅茶
そんな思い出を、最近のエジプト事情で思い出した折、ネットをするため入ったマクドナルドで、カイロでお馴染みだったリプトンのマークがふと目に飛び込んできました。で、紅茶を注文した上で、ティーバッグを破って直接カップのお湯の中に放り込み、砂糖もしっかり入れて、ぐるぐるコシャーリー!

ベタベタな甘さと、粉茶だから過剰に出たえぐみとのコントラストが、なんとも懐かしい旅情をかりたてて、もう最近は、こればっかりです。

砂糖は4本。個人的には、これ以下の甘さは考えられませんが、これ以上の本数の砂糖を所望するのもなんか気が引けて、結局はこの本数が決まりになりました。

暑い夏にはカルカデもいいけど、このコシャリ紅茶は、季節を問わず、いつでもどこでも簡単にエジプト情緒が楽しめるのが嬉しいところ。

そういや、昔はファミレスのドリンクバーで煎茶(たまに紅茶)+ミント茶+たっぷり砂糖で、マグレブミント茶とかもやってたっけ?

スークイルアタバといえば、この羊たち亀の子な鍋この焼きチキン定食とか、振り返ってみると、お弁当時代のまとめと予告エントリの写真に、ずいぶんと使っていましたね。

昔書いたように、あいかわらず、ボイコットイスラエルな考えなので、あまりマクドに行きたくはないのですが、街中でネットをする利便性の関係上、最近は時折利用しています。

ガレット・デ・ロワ(galette des rois)を初めてやった

年明けから、お菓子が主役なできごとが二つありました。まず、その一つ目。

地元の福井で昨年、福井日仏協会が発足しました。

フランス滞在経験者や、フランス好きが集まって、あるいみとてもフランスチックな緩さでフランス語教室や文化講座などの事業を実施しています。発起人がフランス系なお友達だった縁で、設立からかかわってきたのですが、その新年会を兼ねた交流会で、フランスの新年のお約束、ガレット・デ・ロワをやりました。

ガレットデロワ
一応wikiへのリンクはつけてありますが、簡単にガレットのことを説明しておくと、お菓子そのものはパイの中にアーモンド味クリームがはいっていて、フランスではキリスト教の公現祭に合わせ、新年に食べるのがお約束。中にはフェーブ(fève=ソラマメのこと)という小さな人形が入っていて、それが入ったピースを食べた人は王様(=roi)ってことで、王冠をかぶり一年間の幸福を祝う、ていうような行事。

協会には、製菓業界から多く協賛をいただいていることもあり、ガレットは地元の洋菓子店にお願いし、大きめのものを三台焼いて貰いました。お店への引き取りも自分が出向いたのですが、ぺたんこの形をイメージしていたお菓子にしては矢鱈と箱がでかい、とおもったら、中にはちゃんと王冠がセットされてました。勿論フェーブ入り。

ガレットに入っていたフェーブ
約40人の参加者に行き渡るよう、ザクザクと切り分けて、果たして王様になったのはわりと大人な男性3人。ホントは子どもフェーブが行くように段取りするのがお約束だということなんですが、フランス人会員のお子さんは、今年もうすでに当たりを何度か引いているので無問題なのだとか。

ガレットに入刀
これが、思いのほか盛り上がって楽しかったのはもちろん、お菓子自体も流石、地元の人気店の作だけあって、非常においしい。来年も恒例にしたいイベントでした。