2016/12/28

豆腐と鶏ひき肉の蒸し物---続中華のまかない料理

中華のまかない料理といえば、卵のチリソース鶏肉と腸詰とザーサイの蒸し物レタスの湯引きが「心のベストテン上位3品」だと書いたような記憶がありますが、もう一つ欠かせないものがありました。

それがお豆腐に挽き肉の具を乗せて蒸したもの。(ホールで)バイトしていた中華レストランでは定番のまかないなのか、毎年作る人の世代が変わっても、頻繁に出てくるお料理でした。しかもすばらしいことに、あんまり人によっての当たり外れがなかった記憶も。

そんなある日、豆腐と葱があって、香菜もたくさんあるという状況が訪れた際、ふとこの一品が思い出され、鶏ミンチを買いに出かけました。



豆腐と鶏ひき肉の蒸し物
  • 豆腐 1丁(絹ごしでも木綿でも可)
  • 鶏ひき肉 100g
  • (鶏ひき肉用)葱(長ねぎがベター)、生姜 適量
  • (盛り付け用)長ねぎ、香菜 適量
  • スープ 100-180ml(容器によって加減してください)
  • 油またはごま油 適量
  • 紹興酒、醤油、塩、砂糖など 適量

レシピ
  1. 豆腐は6-8等分にして深めの容器に並べる
  2. ひき肉に混ぜる葱はみじん切り、生姜はすり下ろす。盛り付け用のねぎは白髪ねぎや極薄の斜め切りに
  3. 鶏ひき肉に調味料とねぎ、生姜を入れてよく練る
  4. 3を豆腐の上に薄く広げて乗せる
  5. 豆腐の7分目くらいまでスープと調味料を混ぜたものを注ぐ
  6. 5を10-15分くらい蒸す
  7. 蒸し上がったら、盛り付け用のねぎを乗せ、熱した油・ごま油を回しかけ、香菜を添える

今回、容器に入れるスープは塩味ベースで飲めるくらいのあっさり味にしました。油もごま油の風味はかなり抑え気味にして。鶏ひき肉には、極みじん切りにした椎茸や筍などを入れても美味しいと思いますし、豚肉でも応用化。具材や使用するお肉の種類によって、またはしっかりご飯を食べられるお料理にしたい時など、茶色いパンチのあるスープで蒸してみたり、あっさりスープで蒸した後に濃い味のタレをかけるなどすれば、食べ方の幅が広がりそうです。

もちろん、中華に振らすに和風にしてもオッケイ。ちなみに使用した容器はグラタン皿で、これが8つ切り(半分の厚さにした後に四つ切り)のお豆腐にぴったりサイズ。

木綿豆腐でも、蒸し立てのお豆腐は熱々のプルプルで、上の鶏肉もプリっとした食感。つみれのお鍋で食べるのとは違ったおいしさが楽しめ、この冬の定番料理の仲間入りは確実な勢いです。

2016/12/19

レバノン風の衣被

里芋を茹でるか蒸すかしたのを、つるんっと皮を剥いて食べる「衣被(きぬかつぎ)」は、秋の風物詩的食べ物であるのはもちろん、その佇まいや食べるときの楽しさ、季節感の強さもあって、俳句の季語としてもなかなか人気です。

その衣被は、ゆかり(しそ)で食べるのが大好きなのですが、ある日思いついて以来、すっかりお気に入りな食べ方が、レバノン風にアレンジした衣被です。



といっても、ゆかりをスマックに置き換えて、あとは塩を振り、オリーブ油を回しかけるだけ。

ていうか、レバノン風なじゃがいものサラダといえば葱を入れるか、スマックをかけるかの二択なので、間違いないメニューではあします。もしスマックがない場合には、ゆかりで代用しても(塩は加減してください)、美味しくいただけます。さらに今年は、知人のオリーブオイルソムリエさんのとこでスペインからの搾りたてオリーブオイルを入手することができ、その新鮮なオイルの香りと心地よいピリピリ感が加わると、里芋のプレーンな味がさらに引き立ちます。

応用メニューというと、ついつい南方系に気分が向きがちな里芋ですが、東地中海風もなかなかよさげです。こんどはクミン入りのトマトソースと合わせてみるのもよいかも。

2016/10/23

大本山永平寺の典座老師の本がすばらしいすぎる件。

もう2年以上前ですが、曹洞宗の大本山永平寺典座老師の料理をまとめた本「身近な食材を使って~三心(まごころ)でつくる典座和尚の料理」が出版されました。永平寺の機関誌「傘松」に掲載されていた連載をまとめたものだそうです。

さっそく購入して、手に取ると、内容がすごい!ページを繰る度に気になるお料理がザクザクで、付箋が次々と刺さっていきます。いくつかのお料理も実作しました。じゃがいもの水晶炒め(P12)や炒り豆腐(P140)は何度も実作して、すっかり定番の常備菜です。まだ作っていないお料理の中では大根おろし饅頭(P76)が、この冬こそ実作したいのですが、こんなお料理を作ろうと思うのは自家製叉焼が余ったタイミングなので、精進な心を忘れて、いつもついつい大根餅に路線変更してしまいます。

そのほか、アボカド料理の充実など新しい野菜の取り入れ方の意欲もすばらしいし、イタリアン風などアレンジも自在。クリーミーそうな里芋ソース(P108)や蓮根汁(P184)など、食材の質感を変えつつも、その個性を残す技にも惹かれっぱなしです。

そんな超絶レシピを、最近アレンジに活用させてもらった事例があったのでそのご報告です。

まずは、イチジクのゴマクリームソースがけ(P8)のアレンジ。
本書では、生の無花果に練りゴマとホイップクリームをベースにしたソースをかけたものでしたが、それをシロップ煮の無花果に応用して、お客様料理の前菜の一品にしました。

その料理は、急遽つくることになったのであるものでしのいで。タヒーナ(タヒニ、中東のゴマペースト)にありあわせのコーヒーフレッシュを合わせ、昆布茶で味付け。それを無花果のシロップ煮にかけて、ざくろモラセスをたらして、ミントを飾りました。

字面はバッキバキに中東風ですが、無花果の甘さとソースのコクと塩味、ざくろモラセスの酸味がまったりと調和して、普通に和風で絶妙なバランスです。もちろん、ミントも飾りではなく好きな方がちゃんと食べれば、ちゃんとおいしく効いてくれます。

もう一品は、上記じゃがいもの水晶炒めの味付けを応用した事例。糸瓜(金糸瓜、そうめんかぼちゃ)を料理することがあったのですが、その日のメニューにはなにかと酸っぱい味が勝ったものが多く、定番のなますやサラダ系な味は避けたい雰囲気でした。

そこで思いついたのが水晶炒め。いつもより歯ごたえが残る程度に茹でた糸瓜をほぐしてくせのない油で炒め、塩、少量のうす口醤油と味の素(このお料理の場合とても大切)で味を調え、水晶炒めより少なめの酢を差しました。入っていることが分からないくらいの隠し味程度に。

油がさっぱりしている分をいりごま(黒)の風味を足して、赤ピーマンの細切りを差し色にしてできあがり。水晶炒めの方法は、なかなかに応用範囲が広そうです。

という風に、何度手にしても発見や、新しい発想をかきたててくれるこの一冊。と、今手にとって開いたさつま薯と南瓜の緑酢和え(P154)も、これまで未チェックながら、先日鹿児島からさつま薯(しかも三色)が届いた折、この季節のうちに急ぎ実作したい一品です。

2016/09/18

無限ピーマンがお弁当で極めて有用なこと。

油鶏ブーム以降、やっぱりお弁当は楽しくて、別にお弁当にしなくてもよいのに(=ワンプレートにすれば済むのに)ついつい容器につめてしまう今日この頃です。

てなわけで、追加で煮足した油鶏に煮卵を中心にお弁当にしてみたわけですが、その彩りでも、食感でも、食材のバランス面でも、極めて使いでがあったのが表題の無限ピーマンです。


この現在流行中のお料理。
お弁当に使うには、
  • まずはきれいな色味
  • ほどよく残るシャキシャキしたテクスチャ
  • かすかな苦みによるフレッシュな味
  • ツナ缶のあぶら+汁+顆粒スープの素のうまみ
  • そのうまみのある汁がしみわたったご飯の味
  • ついでにけっこうな表面積をきれいに埋めてくれる

と、お弁当との相性が最強です。なかなかにリッチな味わいな割には、全体にヘルシーそうに感じさせる見かけの効果も他のお料理ではなかなかに得がたいものがあります。仕上げのオイルをオリーブ油にしたり、ごま油にしたり、あえて軽いオイルにしたり、レモン汁+オリーブをちらせばレバニーズなども全然オッケイ。

今回はごま油を軽く漂わせただけですが、和風の椎茸煮とも、ほどよく調和してくれました。まったくお弁当に、とても使えるお料理でした。

ちなみにきょうのお弁当は
  • 油鶏(ゆず胡椒ですっきりと)
  • 煮卵
  • 干し椎茸のうまに
  • 無限ピーマン
  • 生姜の甘酢漬け
です。

ちなみに無限ピーマンの調理ですが、衛生面で余裕がある環境ならば(暑さなどの環境が過酷でなく、保存性を高める必要性が少ないなら)、ギリギリまで塩分を低くしつつ、レンジ加熱も押さえてシャキシャキ感を残し、おかずというよりサラダ的な位置づけで楽しむと、よりヘルシー感は高まるのではないかとおもわれます。

2016/09/16

油鶏が無双においしく、便利な件。

去年の広東焼き物(マイ)ブームも落ち着いた折り、先日初めて油鶏をつくりました。油鶏というのは鶏肉の醤油煮で、中華レストランの前菜のお皿でおなじみの茶色い鶏肉です。


焼き物メインの前菜盛り合わせを頼んだ場合、心のベスト3は焼肉(皮付き豚バラ肉)、焼鴨(あひる)、叉焼。油鶏は嫌いではないけれど、そんなにはグッとこないというポジションだったので、これまでつくることは無かったのでしょう。

でも先日なぜか、白鶏を茹でている時に油鶏もいいかも、という気分がムラムラしてきて、いつものレシピ本を開いて実作してみたのです。水とお醤油と砂糖とスパイス(茶葉蛋用ミックススパイスを使用、あと鷹の爪とローリエも)、ねぎ、生姜で煮付けるだけ。極めて簡単に、しかも茶色くおいしそうに煮上がりました。


ただ、本当の油鶏ライフの始まりはここからでした。鶏肉をいろんなメニューに展開できるのはもちろん、煮汁の活用法が無尽蔵にわき上がってきます。

1.焼き物のたれ
そういえばレシピ本には、焼き物にかけるたれは油鶏の煮汁を使うと書いてありました。

2.煮卵
煮汁でゆで卵を煮ると、とてもおいしくて風味のよい煮卵のできあがり。

3.鶏のゆで汁に加えて炊き込みご飯に
いつもは白いチキンライスですが、今回は茶色いご飯を炊いてみました。おこげもおいしい。中華おこわの味付けに使ってもコクが出そう。

4.鶏肉や卵の入った台湾駅弁ごっこ
台湾駅弁その1その2のエントリは、ここまでの展開があっての産物です。

5.ゆで汁と合わせておそばのスープ
スライスした油鶏も乗せて。鶏のうまみたっぷりのおいしい鶏そばが食べられそう。麺なしで、スープとしても具材を工夫してコクのある味が楽しめそうです。

7.この煮汁でもっといろんなものを煮てみたい
たとえばハチノスとか、ガツとか。煮汁は薄めて、柔らかく煮込んでみたい。鶏モツもよさそう。

などなど、最低でもお料理2品(油鶏+煮卵)ができて、さらに万能調味料も生み出してくれるとか、いままでつくらず嫌いで本当にごめんなさい。

2016/09/15

台湾驛弁風便當その2


昨日の台湾駅弁風のお弁当があまりにも楽しかったので、もう1日お弁当にしました。お醤油味のチキンライスも煮卵もまだ残っています。

メインの鶏肉は、白鶏のソースを変えてみて。あと青菜が無かったので、ゆでキャベツを。ていうか、むしろこの方がより台湾駅弁っぽいような気もします。もうすこしガッツリした雰囲気がほしいので焼売(出来合い)で豚肉もプラスして、お野菜も添えて、と。


台湾驛弁風便當その2
  • 醤油味のチキン出汁ごはん
  • 油鶏
  • 白鶏のハニーマスタードソース
  • 煮卵
  • 焼売
  • ししとう炒め
  • ビーツサラダ
  • ゆでキャベツ、コルニションピクルス、プチトマト、紅ショウガ、佃煮

むー、昨日より容器のサイズも大きめにしてガッツリした男気弁当を目指したつもりが、どこでどう間違えたのか、全く逆方向な見た目になってしまいました。ハニーマスタードやピクルス、サラダなど、ビネガー系の酸味をあちらこちらに散らしてあることも、ガッツリ感を薄めているようです。

ハニーマスタードのマスタードは地がらし使用で、しっかり効きます。ビーツは袋詰めのものを、シェリービネガーとオリーブ油のビネグレットで和えましたが、中華っぽくしようと、ハーブは長ねぎにしてみました。

このお弁当、ルイボスティーを飲みながら、おいしくいただきました。

*****

それにしても、台湾弁当は今までの弁当とは違った楽しさがあり、お弁当生活のおもしろさを再認識した次第。昨日リンク貼った台湾ナビの記事を読むと、ずいぶんいろんなお弁当があるので、いろいろ試してみたいと思います。


台湾驛弁風便當その1

すごく久々なお弁当です。

先日、油鶏(鶏肉の醤油煮、広東語読みだと「やうかい」、もも肉)を初めてつくりました。それで、一緒に白鶏(中華料理店では蒸し鶏ですが、この場合はゆで鶏、広東語読みだと「ぱっかい」、胸肉)もつくったので、白鶏のゆで汁と油鶏のたれ(煮汁)を合わせてご飯を炊いて、たれにゆで卵も煮て、ってやっていると、これはお弁当にしなければいけない事態が到来してしましました。

茶色いお肉と、ゆで卵が入るお弁当の景色といえば、真っ先に思い浮かぶのが、台湾の駅弁です。排骨が乗っていたり、煮豚がのっていたり、旅行時に何種類か食べましたが、あの濃ゆくておいしい味と香りが思い出されました。

そんなわけで、あり合わせの青菜を茹でて、冷蔵庫の中身をさぐってみて、お弁当にしてみました。



台湾驛弁風便當その1
  • 醤油味のチキン出汁ごはん
  • 油鶏
  • 白鶏のねぎソース
  • 煮卵
  • ゆで青菜、きゅうり、プチトマト、紅ショウガ

丁度よさげなお弁当箱がなかったのでいろいろ探ってみたら、おこわが入っていた容器がでてきました。この簡易さが駅弁風情っぽそうってことでよしとします。それにしても、久々でもお弁当の盛り込みは楽しい。

盛りつけは、いつものお弁当よりは立体感を押さえて平面基調でマットな感じで。ふたをあけて、お肉の存在感がいちめんに広がっている方が、台湾弁当らしいよろしさがあるのではないかとおもいます。

香りも、油鶏を煮るときに茴香系などのスパイスが入っているので、本場ほどではないけど、全体から感じられます。なかなかおいしかったので、少し中身変えて、またつくろうと思います。

2016/08/20

長崎風なおでん。

昨年、修学旅行以来の訪問で、五島うどんとの接触(その1その2)・発動(その1その2)のあった長崎ですが、なんと今年も出張で出かける機会がありました。前回の駆け足旅行とは違い、去年歩いた記憶をベースに新しい発見のレイヤーを乗せていく街歩きは、(出張の合間とはいえ)二度目の旅ならではの楽しみができました。駆け足旅行では、実は食事の面では当たりを引くことができなかったのが心残りだったのですが、今年はちょっと目先の変わった「長崎味」との邂逅がありました。

それを強く感じたのが、酒屋立ち飲みした時の一杯と、街の公園に出てた屋台での一杯での経験です。酒屋で「長崎らしいアテを」と聞いて出てきたのが、エソのかまぼこ。そして、屋台でおでんを頼む時に同じ質問をしても、やっぱり出てきたのが赤いかまぼこや練り物。会う人会う人からにじみ出ている長崎人の練り物愛に触れる体験を重ねると、ちゃんぽんや皿うどんを食べても、味わい方はスープや麺や野菜ではなく、赤や緑のちゃんぽん用かまぼこ(とそこから染み出したうま味)の方にフォーカスされていってしまいます。

そんなわけで、今回感じた長崎味=練り物味。

その思い出の味を自宅でも楽しむべく実作したのが長崎風のおでんです。具材はシンプルに、長崎で買ってきたねりもの(揚げかんぼこ、丸天、えそかまぼこ、赤かまぼこ等)と牛すじ、大根が中心のシンプルおでんです。あと、屋台で隣のマダムやおじさまが食べていたお豆腐とがんもも入れました。

出汁は、あごだしと牛すじベースで。長崎の甘い味にはまったく違和感を感じない体躯のため、砂糖もしっかり効かせます。おでんの出汁はふんわり調和系より、魚介出汁+牛すじ+練り物味がドーンと押してくるものが好みなので、この味わいはばっちり。赤かまぼこもいい感じです。

このおでん。どうやら、公式の長崎おでんサイトみると、適当につくった割にはまあまあストライクに近かったらしい。もちろん、手元には長崎のゆず胡椒もあるし、お盆以降のこれからの季節、ますます楽しめそうです。

イスタンブール風な朝ご飯

中東旅行のホテルでは、朝食が大きな楽しみです。

お皿に取るのは、まずフェタ(白チーズ)、それにざっくり切ったきゅうりとトマト。オリーブ。(魚肉とかボロニア)ソーセージみたいなやつと、フールメダミスも欠かせません。



それに、パン(フブスとかアエーシとかエキメッキとか)に果物。

朝ご飯から、あっさり味で野菜やフルーツもたっぷり摂れて、しっかり満足できる、中東ご飯のよろしさが、いちばん感じられる場面でもあります。

自宅では朝はご飯派なので、こんな朝食にすることはあまりありませんが、どうやら常備菜としてメゼや豆料理(この場合ほぼフールのこと)があると、夏向きなお昼ご飯になるらしいということに最近気付きました。

それでやってみたのが、これ。


お皿には、先日のミントビーツペーストに、白チーズ(この日はギリシャのフェタ)、オリーブ。そこに厚めにスライスしたきゅうりとトマトが加わると、いつものメゼ盛りプレートが突然に朝ご飯プレートに変わる不思議。自分的には「あのソーセージみたいなもの」も朝食に必須なので、太めの魚肉ソーセージを添えました。

これに、レンズ豆のスープとパンを添えれば、まんまイスタンブールな朝食気分です。イスタンブールな根拠は、パンがエキメッキっぽい外観のバゲットだからです。

もう、これでお腹いっぱい。午後からもしっかり活動できます。

別の日には、きゅうりにはヨーグルトとドライミントをかけ、「西瓜と白チーズとミント」を添え、常備菜のホンモスでボリュームと満足感を。西瓜はイスラエル料理が元ネタということで、こちらは勝手にテルアビブ風だと思っています。


とまれ、メゼのローテーションが冷蔵庫でうまく回っていると、朝や昼にもステキな中東系エキゾ食生活が送ることができるというお話です。

2016/06/13

「MAYHANE TABLE」とビーツと、

このブログでも「おいしい中東」の時など何度か名前が登場している、エキゾ音楽+飯マスターのサラーム海上氏が、最近新しい料理本を出版されました。おいしい中東の続編の「イスタンブールで朝食を」と、「MAYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー」の2冊です。


この後者については、クラウドファンディングでの出版で、それに乗っかって入手しました。最高のスタッフをそろえての製作を目指したとのことで、とてもきれいな誌面。料理は(自分にとって)おなじみのものから、これは?と気になるものまで55のレシピが収載されています。お料理は、ややトルコ寄りっぽい(メニュー表記のためかも)印象かしら。

さて、この中でこれは!?っとなったのが表紙にも出てるピンクのペースト。ビーツのお料理です。この本が届いて2週間ほど経った時、ちょうど地元ファーマーズマーケットでビーツを発見。このビーツとミントのペースト(p14)とビーツのサラダ(p27)を実作してみました。


このペースト、ヨーグルトとビーツを合わせたものなのですが、これまで食べたことのあるビーツ料理の中では突き抜けておいしい、おいしいすぎる一品です。ビーツの風味と甘み、ヨーグルトの酸味とコク、ミントやにんにくの風味などが、どれも突出することなく絶妙に調和して、試食段階で完食しそうな勢いでいただけてしまいました。

この鮮やかな出来上がりも、本の通りにやったら(というか、バーミクスを使って、分量も適当で手抜きしてるのに)極めて簡単に、こんなきれいな仕上がりになりました。

帯にある「中東料理はパーティー向き!ベジメニューも多いのです。」「合い言葉はレモン、にんにく、パセリ、オリーブオイル」のキャッチは、自分がレバノン料理のオススメ文句と全く同じで、まんま納得できます。

ただ、背の部分の「クスクスは山盛りで」のキャッチについては、自分のようなアラブ飯好きの考える山盛り一人前(トラック運転手が集まる食堂の飯大盛り)と、一般の日本人の考える一人前(家庭の飯茶碗程度くらいだと思う)は、多分に大きな乖離があるだろうから、どのくらいが適量だろうと、先日のクスクスパーティーで大量のクスクスを余した経験からしみじみと考え込んでいまいます。


 

2016/04/01

衝撃!ソーセージ+スパゲティ

レバノンからのSNSフィードで何度か衝撃を受けたお料理が今日のメニューです。それは、太め(フランクフルトくらい)のソーセージにスパゲティを刺して、ゆでた料理。もうビジュアルがすごすぎます。


いつか実作したいと思っていたところ、このお料理にお誂え向きな食材に出遇いました。コストコのポークディナーフランクです。太さ、お肉の食感、味の濃さなど、まさにスパゲティを突き刺すために生まれたとしか思えぬスペックを備えています。悲願の実作となりました。

ソーセージ+スパゲッティ
 

  • ホットドック用ソーセージ 2-3本
  • スパゲティ ソーセージ一切れ当たり10本ほど
  • トマトソース、パセリ、粉チーズなど

レシピ
 
 
  1. ホットドッグ用のソーセージを長さ2-3cmほどに切る。
  2. 1のソーセージに(直径2cmの場合)10本ほどのスパゲッティを突き刺す
  3. 2をゆでる。時間はアルデンテな場合よりやや長めがベター
  4. ゆであがったソーセージ+スパゲテイを皿に盛り、好みのソースをかける

このお料理が出ていたレシピサイトでは一本だけを刺すスタイルですが、今回は別の(おもしろ画像的な)フィードでみたたこ足のように何本ものスパゲティが刺さっているタイプにしてみました。このお料理は子ども向けメニューとして紹介されているようですが、大人でも子どもでも、たこ足スタイルの方が満足度は高めそうです。

ソースはなんでも大丈夫そうですが、お子様向きメニューならばカレーソースをかけるのもよさそうです。スパカレーにソーセージが入るなんて、お子様メニューにとっては最高のぜいたくです。

今回使ったパスタは、スパゲティと書いていながら、実際はバリラのスパゲティーニです。でも、これから実作される方は、スパゲティの方が良さそうです。なにしろレシピサイトの動画で表示されるゆで時間とおもわれる数字は15。今回はアルデンテにゆでたらソーセージの中は芯だらけだったので、お子様メニューの場合は長めのゆで時間はより必須に思えます。

パスタをバリラにしたのは、おもしろ画像のフィードに並んで、バリラがスポンサードしているスキー選手のフィードがあったため、その記憶に引っ張られているためです。

2016/01/11

広東系焼き物ブーム。

いろいろとお料理を作り、こうしてブログを書いているのはそもそも、地方に住んでいると自分が食べたいものが、飲食店や食料品店でなかなか食べられない/入手できないからというのが大きな理由です。クスクスもレバニーズもみんなそう。

そして地方(どころか世界中どこに行っても)で不自由しないと思いがちですが、中華でもなにかと困ることがままあります。なにしろ、この福井は、転勤族の多くが(ラーメン屋や中華食堂ではない)中華料理欠乏症に見舞われる地。調味料はまあまあ手に入るようになりましたが、そんな土地で入手できなく悲しいのが、焼き物です。

そんなある日、見るからに又焼サイズにカットされた豚肩ロース肉を発見し、なにか電気が走りました。迷わず購入し、学生時代のバイト先の料理長氏が書いた本のレシピを参考に、オーブンで焼いてみました。



桂花酒などない材料は、割愛したり、他のリキュールに置き換えるなどして、やってみると、食紅を入れなくてもちゃんと又焼風な焼き上がりです。その後は、五香粉など香辛料の分量をいろいろ加減したりして、楽しく施策を続けています。

ちなみに、自作の場合の香り加減は、横浜中華街でいうと金陵同発の間くらいで、やや香り強めにします。


そうして又焼欠乏症は解決されたのですが、広東系の焼きもので本当に好きなのは皮付き豚バラ肉の「焼肉」(=同発のリンクにある脆皮焼腩肉)と、あひるの「焼鴨」です。このうち、焼肉は何度か実作してみたのですが、あの皮目のサクサク感の実現がなかなか思うようにいきません。塩加減や焼き加減は、そこそこ美味しくなるのですが、あのサクサクの皮をいつかは実現したいものです。

このほか、鶏の醤油煮「油鶏」も実作してみたいので、備忘しときます。


2016/01/10

隼人瓜のグラタン

以前、高知に出張した際、市場で初めて隼人瓜を入手しました。現地名は「ちゃーて」といい、炒め物がオススメとのことでした。近年は、ここいらでも入手できるようになり、苦瓜の後の季節を担う炒め物食材として活躍してくれていましたが、旧年中にいただいた隼人瓜が冷蔵庫の隅でずっと残っていました。

さて、炒め物という気分でないし、という時にふと思い起こしたのがコールラビ的利用方です。さっと茹でて、それをオーブンに入れるという。オイルまぶして焼くか、迷った末に結局グラタンになりました。



○隼人瓜のグラタン

材料
  • 隼人瓜 1-2個
  • 牛乳 150ml
  • ホワイトソース 100g
  • チーズ 適量
  • にんにく 1-2かけ
  • バター

・レシピ
  1. 縦半分に切った隼人瓜の種を取り除き、厚さ1-1.5cmに切る。塩を入れたお湯で、串が通る程度にゆでる
  2. 鍋に牛乳とニンニクを入れて軽く煮て、香りを移す。そこにホワイトソースを加えて伸ばす
  3. 2に1の隼人瓜を加えてからめ、バターを塗ったグラタン皿に入れ、チーズを振りかけて焦げ目がつくまで焼く

基本はカリフラワーのグラタンの通り。隼人瓜は水分が多いので、ゆで加減を控えめにするか、レンジでチンした方が良いかもしれません。玉葱も一緒に入れて、茹でた隼人瓜を軽くバターで炒めるとコクが増しそう。とまれ非炭水化物系の野菜のグラタンは、たっぷり量が食べられるのがうれしいですね。

さて、そんな隼人瓜のグラタン。このお野菜の原産地が熱帯アメリカ方面ということで、実はアンティユ方面でもよく使うらしい。ググってみたら、出てきたレシピでは、半分に切ったものをくりぬいてファルシ的なグラタンにしているものも。

ついでに「ちゃーて」が西洋での呼び名が由来っぽかったり、クレオール料理のサイトではピュレにしたものをグラタンにしていたり、これまでの南国土佐イメージを打ち破ることが次々と発覚。来年からは、もっとエキゾチックにこの野菜を楽しみたいものです。