トロワ・リビエールからオートルートを少し南に進み、山間に車をしばらく走らせると、モニー(la mauny)の蒸留所があります。これまたスケールのでかい蒸留所で、蒸留器(カラム)は5本備えており、うち3本を自社製品に、残りの2本をトロワリビエールのラムに供給するために使用しているとのこと。
見学の受付は、道路から施設内に入り500m弱進んだところ。そこで、蒸留の仕組みについて説明を受け、ガイドはなしで見学に出かけるわけですが、その前に出されるのがこのボトル。
非売品のそれは、蒸留したままのラムで、ここんちは76%もあるとのこと。運転があるので、ほんの少しだけなめさせてもらったのですが、確かに非常に強いのだけれど、蒸留したてのアルコール独特の、素材(というか蒸留前の酒の)持つ芳しさが残っていて、非常にフレッシュな鮮烈さを持ち合わせています。
かつて、(フィーヌグランシャンパーニュな)コニャックの某蔵でも、ポットスチルから落ちてきたばかりの原酒を飲ませてもらったことがあるのですが、その時に感じた鮮烈さを思い出させてくれる味です。
見学時は、ちょうど、さとうきびジュースを絞るムーランの整備中だったのですが、この絞るためのギアのおばけみたいな部品。なんと1個3トンもあるそうです。
そして蒸留器もかなりの大きさ。発酵槽も27個がならぶ様はかなり圧巻です。表に出れば、さとうきびのしぼりかす(=バガス)の山があり、少しふかふかするそこに歩を進めると、なんともいえない甘い香りに包まれて半分不思議な感覚です。
ちなみに、同社で使うさとうきびは80ヘクタールの自社畑と、近隣の農家からの買い入れでまかなっているとのこと。
道路から、蒸留所の敷地に入ると、まずは試飲・販売のための施設、次に酒蔵があります。中に入ることはできないとのことですが、一部が覗けるようになっています。樽はコニャックとバーボンの両方を使用しているとのこと。蒸留施設もみていてたのしいのですが、カラムはともかく、ムーランよりこちらの樽をみて心がトキメくのは酒飲みの悲しい性です。ただ、ガラス張りで、酒蔵独特の甘いアルコールのにおいが充満した感じを味わえないのが残念。
遺跡と書かれた、かつて使われていた古い機械の跡もみることができます。かなり古そうな設備ですが、基本形が今とほとんど変わっていないところがすごい。
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個人的に、モニーの白ラムはけっこうガツンとした味わいがあり、わりと好み。島内限定の62%ものもあります。またここの試飲コーナーでは、1995年まで、結構古めのミレジム(ビンテージみたいなもの)も試飲できました。
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