ほかに、島で食べた海鮮系メニューについていくつか。
ランビ(lambis)のこと
どこかの街のレストランか、スナックの店先か。お兄ちゃんに「マルチティニークといえば、ランビだよ」っていわれた名物。カリブ海方面のいろんなサイトみると、コンク貝っていう名前の方がよく出てきます。
そんなわけで、これはフォールドフランス(fort-de-france)のスナックで買ったランビの串焼き(brochette)
ご飯とサラダが一緒盛りで、サラダドレッシング様のソースで。貝好きだから、気分よく食べられるし、これ食べながら、地元ビールのロレーヌ飲むのは、かなり気分です。
調理前は、こんなかんじ(冷凍を解凍したもの)
でも、結構高い。このスナックでは、鶏や鶉、腎臓が3.5E(付け合わせなし)、牛や仔羊が5.5Eなのに、ランビは8Eもする。
*****
ラングスト(langouste=伊勢海老)をゴチになった
サン・ルース(saint luce)という街は、海岸沿いにたくさんのレストランやバーが並んでいます。そのレストランの一軒で働いているおにいちゃんに、伊勢えびをごちそうしてもらいました。これも冷凍。
ただグリルに乗せて、ビール飲みながら焼き上がりを待つだけ。で、半分に切ってほじくって食べ、さらにビールをあおり、最後は目の前の海で手をキレイキレイに。
彼らもミソは大好きみたいだけれど、「これ(フランス語もしくはクレオール語で)何ていうの?」ってきいても、「je ne sais pas. c'est bon(しらん、でも、これうまい!)」って。いいのか?
*追記
みそは、フランス語でコライユ(corail)でしたね。
*****
海鮮のマリネの楽しい食べ方
*暗い店内で、ISO800ノーフラで撮影したため、画像が荒くてすみません
旅の最後の夕食は、プエルト・リコはオールド・サンファン(san juan旧市街)のパロットクラブっていうレストランへ。行きの飛行機で、隣合わせた地元の人がオススメって教えてくれた。
その前菜がおもしろい。
名前はわすれたけど、ライムジュースやハーブの類で和えた魚や海鮮類(何だったか忘れた)のお料理。それと一緒に、謎の長いチップス状のものが添えられて運ばれてきました。
チップスがなんなのやら、さらに食べ方もわからないので、テーブル担当のお姉ちゃんに聞いてみると、揚げてあるものはバナナで、チップスの上に海鮮マリネを乗せて、ライムを搾って、あんぐりと食べる、ということ。
うん、ライムの酸味と、海鮮のたんぱくな味と、バナナのサクサク感は、かなり南の島っぽい。とはいえ都会っぽさも兼ね備えたサン・ファンっぽさもあって、ゆったりした気分も盛り上げてくれる。
そんなに難しい味のものではないので、再現は簡単だろうし、なによりこの提供の仕方がなんとも楽しい!春から夏にかけて、パーティーでテーブルに並べると、華やぐし、ウキウキした雰囲気も高まりそう。
問題は、チップスを何で再現するか。
形だけならズッキーニがお手軽そうだけれど、蓮根とか人参とか、カボチャとかを、カラフルに取り合わせたものを添えても楽しそう。さつまいもなんかも、縦長にスライスすれば、意外にいいのかも。
ちなみに、このバナナのチップス。
メインのお料理(スナッパーにチョリソを使ったソースを添えたもの)と一緒に頼んだモフォンゴに、コブラのように鎌首を持ち上げた形で突っ立ててありました。
これも愉快でたのしい。
2008/11/23
漁港近くの屋台にて
マルティニークの大西洋岸南のヴォークラン(voclin)にて。
漁港の近くの道ばたに出ていた、おばちゃん一人で切り盛りする屋台で、地元のおっさん連中がビールのみながらわしわし食べていたごはん。
ご飯に魚の唐揚げを乗せ、豆の煮たのがかけてある。
お魚は、真ん中の長い魚っぽい。
まあ、めちゃくちゃうまい食べ物ではないけれど、テレビ東京の旅グルメ番組で出てきそうな、漁港近くの食堂を訪ね、海から上がった漁師さんたちに「にいちゃん、まあ一杯やれや」みたいなノリで旅の人を歓待してくれるような雰囲気でご飯ができる。
実際、おっちゃんの一人がロゼワインを一本明けて、みんなでチンってしてくれた。
この漁港。海岸沿いには漁師さんが道具を置く小屋がずらりと並んでいて、そのすぐ横には、獲ってきた魚を売りさばくための場所もたくさん。いくつかの街で、漁港兼市場をたくさんみたけど、ここのはかなり大規模だし、いかにも漁業の盛んな港町っていう印象が強く感じられます。
ほかの街でもいろいろ市場を訪ねたけれど、魚喰い民族として、心はトキメキまくり。
こんど島を訪ねるときは、きっと民宿というか貸別荘のようなGITEという宿泊施設に滞在し、自炊生活を送るだろうから、クレオール風だけでなく、レバニーズ(これが調味料の入手的にいちばん楽だろう)に和食、中華と、いろいろ楽しんでみたいものです。
漁港の近くの道ばたに出ていた、おばちゃん一人で切り盛りする屋台で、地元のおっさん連中がビールのみながらわしわし食べていたごはん。
ご飯に魚の唐揚げを乗せ、豆の煮たのがかけてある。
お魚は、真ん中の長い魚っぽい。
まあ、めちゃくちゃうまい食べ物ではないけれど、テレビ東京の旅グルメ番組で出てきそうな、漁港近くの食堂を訪ね、海から上がった漁師さんたちに「にいちゃん、まあ一杯やれや」みたいなノリで旅の人を歓待してくれるような雰囲気でご飯ができる。
実際、おっちゃんの一人がロゼワインを一本明けて、みんなでチンってしてくれた。
この漁港。海岸沿いには漁師さんが道具を置く小屋がずらりと並んでいて、そのすぐ横には、獲ってきた魚を売りさばくための場所もたくさん。いくつかの街で、漁港兼市場をたくさんみたけど、ここのはかなり大規模だし、いかにも漁業の盛んな港町っていう印象が強く感じられます。
ほかの街でもいろいろ市場を訪ねたけれど、魚喰い民族として、心はトキメキまくり。
こんど島を訪ねるときは、きっと民宿というか貸別荘のようなGITEという宿泊施設に滞在し、自炊生活を送るだろうから、クレオール風だけでなく、レバニーズ(これが調味料の入手的にいちばん楽だろう)に和食、中華と、いろいろ楽しんでみたいものです。
2008/11/22
たこのフリカッセ、魚のクールブイヨン
島での食べ物でも、魚や海の幸系のごはんを振り返ります。
さて、このエントリのタイトルのお料理ってどういうものを想像しましたでしょうか。
フリカッセっていえば、普通のイメージはこんなかんじ。
クールブイヨンっていえば、こんなかんじでは?
果たして、マルティニークの首都、フォールドフランス(fort de france)のクレオール料理レストランで、たこのフリカッセっていって出てきたのは、
こってり濃厚な感じの赤ワイン煮。
意味合い的には、日本語ウィキのフリカッセって項目の中にある、ボリビア料理の「フリカセ」に近いものがあるかも。別のスナックの今日のお料理(plat du jour)であった山羊のフリカッセは、まさにフリカセ風の煮込みを、ご飯にたっぷりとかけたものだったし。
でも、そこはカリブ海。アボカドと、揚げバナナが添えられていて、ご飯と、アボカドとサラダと一緒に食べると、赤ワイン煮とはいえ、結構すっきりと食べられます。
これまでのアクラプレートとかもそうだけど、アボカド一切れ乗せや、サラダとのしゃっきり取り合わせなんかの工夫をすれば、夏のランチの楽しみの幅がいろいろ広がってきそうですね。
******
もひとつ。
これが、グアドループで滞在したゴシエ(gosier)のレストランの魚のクールブイヨン。
って、要は煮込み。サフラネ=サフラン風の色づけして、いろいろスパイス使ってあるからずいぶんと予想していた雰囲気とは違う。でも、使っている魚は磯の魚のブダイ。こんな色のスープ、っていえば普通にスープドポワソンとかブイヤベースに通じてくるから、普通においしい。というより、プリプリの身の歯ごたえもあって、とても島らしい味わいがたのしめる。
付け合わせのご飯は、ほうれん草を一緒に炊き込んだもの。
ブイヤベースといえば、アイヨリだけれど、そういえばこのレストランでもアイオリ風のソースがでてきました。色も黄色くで、パンとかにたっぷりつけて、煮汁に浸してみたい気分になるのだけど、実際は結構辛い!
このお食事。
デザートはバナナフランベで締め。当然、焼いたバナナには、地元のラムをたっぷりとかけて、火をつけます。
さて、このエントリのタイトルのお料理ってどういうものを想像しましたでしょうか。
フリカッセっていえば、普通のイメージはこんなかんじ。
fricassé
原則的には家禽や仔牛肉などの白身の肉を、小麦粉や生クリームを使って白く仕上げる料理法であるが、今日では野菜や魚、甲殻類にまでも使われている。また必ずしもソースを白く仕上げるという方法を取っているわけでもなく、時代とともに、あるいは料理人の考え方ととともに、非常にさまざまな解釈の仕方のある技法である。しかし、基本的には、煮込みながらソースを白く仕上げる料理と解釈したい。
フランス料理情報サービスより
クールブイヨンっていえば、こんなかんじでは?
court-bouillon
香味野菜、白ワイン(あるいはレモン、ワインヴィネガー)、水を合わせて煮出した香りのよいゆで汁。甲殻類や魚を下処理するために使われるが、最近では下処理をしながらそのまま煮詰め、ソースやスープとして仕上げることが多く見られる。
おなじくフランス料理情報サービスより
果たして、マルティニークの首都、フォールドフランス(fort de france)のクレオール料理レストランで、たこのフリカッセっていって出てきたのは、
こってり濃厚な感じの赤ワイン煮。
意味合い的には、日本語ウィキのフリカッセって項目の中にある、ボリビア料理の「フリカセ」に近いものがあるかも。別のスナックの今日のお料理(plat du jour)であった山羊のフリカッセは、まさにフリカセ風の煮込みを、ご飯にたっぷりとかけたものだったし。
でも、そこはカリブ海。アボカドと、揚げバナナが添えられていて、ご飯と、アボカドとサラダと一緒に食べると、赤ワイン煮とはいえ、結構すっきりと食べられます。
これまでのアクラプレートとかもそうだけど、アボカド一切れ乗せや、サラダとのしゃっきり取り合わせなんかの工夫をすれば、夏のランチの楽しみの幅がいろいろ広がってきそうですね。
******
もひとつ。
これが、グアドループで滞在したゴシエ(gosier)のレストランの魚のクールブイヨン。
って、要は煮込み。サフラネ=サフラン風の色づけして、いろいろスパイス使ってあるからずいぶんと予想していた雰囲気とは違う。でも、使っている魚は磯の魚のブダイ。こんな色のスープ、っていえば普通にスープドポワソンとかブイヤベースに通じてくるから、普通においしい。というより、プリプリの身の歯ごたえもあって、とても島らしい味わいがたのしめる。
付け合わせのご飯は、ほうれん草を一緒に炊き込んだもの。
ブイヤベースといえば、アイヨリだけれど、そういえばこのレストランでもアイオリ風のソースがでてきました。色も黄色くで、パンとかにたっぷりつけて、煮汁に浸してみたい気分になるのだけど、実際は結構辛い!
このお食事。
デザートはバナナフランベで締め。当然、焼いたバナナには、地元のラムをたっぷりとかけて、火をつけます。
2008/11/18
鶏肉のコロンボ
念願のマルティニークに行ったのですもの。当然買ってきました。コロンボスパイス。
それで、市場のおばちゃんに教えてもらったレシピなどを思い出しながら、ちょこちょこコロンボをつくっています。何回かためして、少しずつ、味もまとまりはじめています。
そういえば、そろそろアンコウが店先に並び始める季節。いっちょ、あのエイのコロンボに負けないような、お魚のコロンボにもチャレンジしてみようかしら。
さて、最近つくっているコロンボ。
基本的に使うのは鶏肉。普通に若鶏の、ロースト用の骨付きもも肉を、お肉屋さんで3つに切ってもらいます。鍋用や、唐揚げ用の骨付きでもいいけど、食べ応え的にも、盛りつけ時の見栄え的にも、個人的にはもう少し大きめの、この大きさが気分。
だいたい、一人前でお野菜たっぷりなら2切れ、肉メインなら3切れ見当。
お野菜は、たまねぎ、にんじん、なす、ズッキーニ、じゃがいも、それにセロリも入れたいところ。切り方は、普通の家庭のカレーサイズで作れば、30分くらいの煮込みで、ほどよく素材の味が生きる煮え加減になるかと思います。
鶏肉のコロンボ
◎レシピ
材料は鶏足2本、たまねぎ1-2個、にんじん、セロリ1本、じゃがいも小2個、なす・ズッキーニ1-2本くらいを想定
さて、ここに出てくる、ボアダンドの葉。
市場のスパイス屋さんで、コロンボの作り方を教えてもらった時に、説明の中に出てきたスパイス。ネットでいろいろ調べると、どうやらカリブのあの辺りの地域では、オールスパイスのことを指す言葉らしい。
とはいえ、実とは違い、またローリエとも違って、わりとすっきりした風味。上記レシピの使用では、表に出ると言うよりはシャんと鉄筋のような芯を一本通すようなかんじかしら。
それで、市場のおばちゃんに教えてもらったレシピなどを思い出しながら、ちょこちょこコロンボをつくっています。何回かためして、少しずつ、味もまとまりはじめています。
そういえば、そろそろアンコウが店先に並び始める季節。いっちょ、あのエイのコロンボに負けないような、お魚のコロンボにもチャレンジしてみようかしら。
さて、最近つくっているコロンボ。
基本的に使うのは鶏肉。普通に若鶏の、ロースト用の骨付きもも肉を、お肉屋さんで3つに切ってもらいます。鍋用や、唐揚げ用の骨付きでもいいけど、食べ応え的にも、盛りつけ時の見栄え的にも、個人的にはもう少し大きめの、この大きさが気分。
だいたい、一人前でお野菜たっぷりなら2切れ、肉メインなら3切れ見当。
お野菜は、たまねぎ、にんじん、なす、ズッキーニ、じゃがいも、それにセロリも入れたいところ。切り方は、普通の家庭のカレーサイズで作れば、30分くらいの煮込みで、ほどよく素材の味が生きる煮え加減になるかと思います。
鶏肉のコロンボ
◎レシピ
材料は鶏足2本、たまねぎ1-2個、にんじん、セロリ1本、じゃがいも小2個、なす・ズッキーニ1-2本くらいを想定
- 鍋に油を熱し、にんにくと香味系野菜を炒める。次に具材系の野菜も炒める
- 1に鶏肉も加えて炒める
- そこにコロンボの粉をスープスプーン2杯ほど加える。唐辛子の粉も好みの辛さで加える(個人的には辛め)。ボアダンド(bois d'inde=オールスパイス)の葉も1、2枚加え、ひたひたの水または出汁、トマトペースト(水煮やピュレでも可)を加えて30分程度煮込む
- 塩や好みのスパイスで味を調える
- ご飯に添えて盛りつける。好みでオリーブ油などの油をかけたり、レモンやライムの汁を搾ったりする
さて、ここに出てくる、ボアダンドの葉。
市場のスパイス屋さんで、コロンボの作り方を教えてもらった時に、説明の中に出てきたスパイス。ネットでいろいろ調べると、どうやらカリブのあの辺りの地域では、オールスパイスのことを指す言葉らしい。
とはいえ、実とは違い、またローリエとも違って、わりとすっきりした風味。上記レシピの使用では、表に出ると言うよりはシャんと鉄筋のような芯を一本通すようなかんじかしら。
丸いズッキーニでマハシー
この時期なのに、ズッキーニが比較的安い値段で、それもたくさん手に入りました。
行商じゃないけれど、事業所などを訪ねて野菜を売り歩いている生産者のお兄さんの商品の中で発見。それも、普通のズッキーニだけでなく、丸いやつも。
このお野菜をみれば、ほじくり倒したくなる血が騒ぎ出す悲しい性。
あとはお茄子を買ってきて、早速マハシー(mahshi)に。あとはコロンボにも加えてみました。
さて、この丸いの。
普通のに比べて色も薄いし、形も違う。完全にほじり倒すと、中のお米の量がかなり多くなりそうなので、身は気持ち厚めに残して。
割ってみると、小さめのカボチャの詰め物みたいなかんじで、なかなかいい感じの見かけです。それに、お皿にのせたときの格好もよろしくって。
(普通のズッキーニもそうだったけれど)ちょっと時期はずれなためか、皮がやわらかく、身の味も薄めだったけれど、またみかけたら使ってみたい素材です。
2008/11/04
Rhum::モンテベロ(montebello)編
グアドループ島にはいくつかの蒸留所がありますが、一日だけの見学デイで、モンテベロ(montebello)と先に登場のロングトー、グッズと壁絵は紹介済みのダモアゾーの3カ所を訪ねました。ほかに、ドメーヌ・ド・セブラン(行ったけれど見学できず)や、ミュゼドラム(ラム博物館)を設けるレイモナンク(発音はこれでオッケイ?、reimonenq。ここも蒸留施設は見学できず)の蔵、マドラスなどがあるようです。
さて、モンテベロは地図を北にして蝶蝶の羽の右側(basse terre)の右下。二つの島のつなぎ目から幹線国道を南下し、ロータリーの中に古いムーランがある交差点を島の内陸側に入るとすぐです。
こじんまりとした、風土感ある小規模系な蔵の風情。基本的に好きなタイプです。
敷地がやや傾斜地にあり、駐車場や事務所、酒蔵があるところより、蒸留施設は一段低くなっていて、見学に入ると蔵の心臓部に“潜り込んでいく”ようで、気分は必然的に高まります。
施設は比較的使い込まれているようで、ステンレスの中くらいのカラムが2本。その間にには、銅製の何か(コンデンサ?ワインを温める機械か?)もあります。
訪問時は施設の点検整備中でしたが、作業中のおっちゃんの一人が案内してくれました。
彼によるとさとうきびのジュースを、7個ある発酵槽(cuve)で2日かけて6%のワインにするとのこと。
そして、カラムでは80%のラムを蒸留。元のワイン、できあがりのラムともなかなかのアルコール度数の高さ。かなりガツン系な味わいなのかも、って期待も高まりますが、販売所でボトルの香りを試してみると、ブラン、ビューともそんなに強烈な印象はなかったかも(飲んでいないのでなんともいえないが…)。
ところでこの蔵。見学時には、ちょこちょこ蔵のディテイルが気になりました。
まず、カラムの横にある計器。左から下部、中部、上部とコンデンサー(気体のラムを液体にする部分)の温度が表示するものです。あたり前な計器だけれど、稼働していな施設では、こんなディテイルが蔵の臨場感を感じさせてくれていいものです。
銅製の機器や、黒板にはこんな感じに、チョークで手書きされた説明も。カラムでのラムの蒸留や、蒸留したものが液体のラムとなる課程の説明のように思えますが、これもまた、しっかりと見学用の説明がある蔵にはない味わいです。
あと、もうひとつ。
結構こころ踊ったのが、機器についていたプレートです。
そこには「condom」の文字。懐かしい地名です。
ソムリエ系の知識のある人だとピンとくるものがあるのではないかと。そう、ジャノーなんかの蔵があるアルマニャックの小さな村の名前です。学生のころ、フランスのお酒ゆかりの地を巡った時に最初に訪れたのがこの町だし、その旅のときの記憶が、今回の旅でもずいぶんと役に立っています。
まあ、そんな感傷はさておくにしても、
ここの蒸留の機械は、アルマニャック地方の産なのでしょうか?
そういえば、マルティニークやグアドループのラムが本国に送られるときは、アルマニャックにも、コニャックにもほど近いボルドーから荷揚げされるという印象が強いものですし(ネグリタがあるからだとはおもう)、パリなどに比べれば、この島から意外に近く感じることもできるような気がします。
フランス領のラムが、こんなに高貴で芳醇な喜びをもたらしてくれる、そのルーツをこのプレートにみたような気がします。
Rhum::ラムの蔵オリジナルのグラスたち
ラムの各メイカーはオリジナルのグラスを作っており、多くの蔵で購入することができます。そうして購入したり、おねがいしてもらったりしたグラスたちをご紹介します。
いちばんのお気に入りがこれ。ブランが大人気なネイソンの(たぶん)ティ・ポンシュ(ti-punch)用グラスです。
見学できる酒蔵で使われていた、ガラス製の樽の栓にも通じる瀟洒なたたずまい。オールドファッショングラスのような、比較的大きめな格好で、厚めの底の中央には、小さな気泡が一つ入っているところがアクセント。とはいえ、グラス自体は薄めのつくりで、口へのあたりも繊細で、この蔵のブランの味わいに通じるものが十分にあります。
旅先では、ずいぶんティ・ポンシュを飲んだけれど、帰国後は砂糖抜きで、ライムやレモンを搾ったブランのロックを飲むときに重宝しています。
マルティニークでは、サン・ルースでずいぶん酔っぱらったせいか、いちばんなじみ深いのは、当地の地酒、トロワ・リビエールのティ・ポンシュグラスです。
これに、ドボドボってブランを入れて、砂糖とライムを入れて。旅の気分を引きずって、気軽な気分で使えるグラスです。
おなじように、普通のコップ型はモニーのもので、ティ・ポンシュ初ゴチのときに使ったのがこれ。
裏には、シロップとラムを注ぐ線がついており、この分量でつくったティ・ポンシュは、アルコール度数のわりには、美味しくいただけます。
ちなみに、グラスに書いてあるアルコール度数。トロワリビエールは50度で、モニーは55度。香りなどもトロワリビエールはすっきりとしているのですが、こんな基本の基本の部分でも、両者の個性ってちがってきているんですね。
この形のグラスは、中華食堂のビールグラスや、屋台のコップ酒みたいな、気持ちのいいざっけなさがいい気分です。
モニーで、もうひとつ。こちらはプランター用のグラス。コリンズグラス風で、底は厚めで安定します。普段でも、グアバジュースをストックしておけば、お手軽に使うことができますし、容量も日本人にとっても手頃な食前酒サイズです。
プランターといえば、これはサンルースのバーででてきた、セントジェームスのプランターグラス。フランスのお気軽レストランでおなじみな、こんなワイングラスとゴブレットの両方を兼ねた、カラフのワインや水をガブガブ飲むようなイメージの形です。
このバーでのプランターの作り方は、パイユラム(だいたい18カ月ほど熟成で、ゴールドラムのようなもの)熟成にトロピカルジュースとグレナデンシロップ、氷をいれてシェーカー。そして、氷も一緒にグラスにドボドボと注いでいました。
マリーガラント島のホテルでいただいたのは、島で人気のビエルのグラス。ちいさめのオールドファッショングラス風で、カッとあおってティ・ポンシュの杯を重ねたくなる気分です。
ロングトーのグラスも同じようなかんじ。裏にはティ・ポンシュ用目盛り入り。
この蔵。ボトルも、輸出使用のカクケラに比べてロングトーはなんか野暮ったい感じなんですが、まあ島内用って考えれば、それも味なのかも、っておもえてきます。
さとうきび畑の中に埋もれているような、あの蔵を訪ねたあとでは猶更に。
最後は、グッズ番長なダモワゾー。グラスもいろんな種類があったのですが、樽を運ぶ人たちのマークが描かれたものを、ショットグラスとティ・ポンシュグラスと購入。
番外編として、プエルトリコのバカルディ本社工場で入手したのが、バカルディ&コーク用のピッチャーです。
何年か前に台北を旅行したとき、現地の人気クラブLUXYで、ボックスで遊んでいた連中が一様に飲んでいたのがピッチャー入りのコークハイ。
コークハイをガブガブ飲むのは、学生のころ、大和あたりのアメリカ兵飲み屋で、ジャックダニエル+安コーラ(コカコーラではない)で、ひどい酔い方をして、若干こりごり気味なのですが、それでも台北では、なんか惹かれるものがあったのも事実。
売店ではほかに、グラスやピッチャー、ミント潰すやつなどが入ったモヒート用のセットも打っていたんですが、クバリブレ(キューバリバー)のオリジナルに敬意を表しつつ、モヒートならハバナクラブ使えや、ってことでスルーしました。
モノはなかなかに格好よいものだったんですけれどね。
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