2011/02/23

インスタントうどんを伊府麺風に使ってみた

ずっとやってみようと思っていた、タイトルの件を実行してみました。

丁度、家に袋麺タイプの味噌煮込みうどんがあったのです。カップ麺より、食材として利用するには袋麺の方が便利です。本物の伊府麺は卵麺ですが、この際、形状とテクスチャ重視で、中華街バイト時代にお馴染みだった懐かしい味わいを再現できれば、とおもいます。

そもそも伊府麺といえば、インスタントラーメンの元祖・チキンラーメンの発明のアイデアのきっかけになったとも聞いたことがある麺。バイト先のレストランの厨房に、座布団みたいにでっかい麺があった光景が思い起こされます。

お馴染みだったメニューは蟹肉入りの汁そばか、黄にら入りの煮そば(撈麺)ですが、今回は広東料理の定番ネタ本「香港粉麺飯」にでている、(オイスター)ソース味の焼きそばをアレンジしました。焼きそばとありますが、中身としては煮詰めた撈麺です。

オイスターソース味の伊府麺焼きそば風
◎オイスターソース味の伊府麺焼きそば風

  1. インスタントのうどんを、指定の調理時間の半分(2分)ほどゆでる
  2. もやし1/2袋、5mm厚に切ったしいたけ2個、下味をつけた豚肉(今回は冷凍を使用)を湯通し
  3. 鍋に油大さじ1を熱し、香り出しの香味野菜と1の豚肉、椎茸を炒め、スープ+合わせ調味料を加えて煮立たす
  4. 3の鍋に1の麺を入れて、汁がなくなるまで煮込む
  5. ほぼ汁がなくなったら、1のもやしと、細切りにした葱を加え、軽く鍋をあおり、香りの油(お手軽にはごま油)少々を振りかけて盛りつける。お好みで香菜を

*合わせ調味料:スープ150ml、オイスターソース大さじ1、醤油大さじ1、砂糖小さじ1、顆粒の和風だしの素少々

基本的に時期はずれの野菜(=流通量が少なく、値段が高め)のものは、余程のことがないと使わない主義なので、この季節にはまだ値段があんまりこなれてないにらではなく葱を使いましたが、多分味付けとの相性は、にらの方がよいかも。ただ、その場合は香菜は不要かもしれませんね。

顆粒の和風だしの素は、大地魚という鰈の仲間の干物の粉の代わりに使用。

今回使ったうどんは、すがきやの味噌煮込みでした。

すがきやの味噌煮込みうどん
実際に食べてみて、麺の味わいは卵麺ではないので物足りないかもしれませんが、もっちりテクスチャと、煮込んだ時にそのテクスチャを保つガッツは、インスタントうどんの方が上だとおもいます。なので、蟹肉汁そばみたいな薄味より、このお料理みたいな濃い味系の方が、初めてのチャレンジにはもっちり感を強調できる分よかったのかも、っておもっています。

でも今後、機会があれば蟹肉系とかも実践してみます。

あ、これは汁気がないのでお弁当にも使える麺料理ですね。

2011/02/21

美味すぎて困る、鍋焼き卵ご飯。

今、購読している漫画雑誌はビッグコミックだけなんですが、そこで気になる連載のひとつに「そばもん」があります。作者は「どんぐりの家」や「」(詰め将棋を解くだけの話で号泣できるスゲエ漫画!)の山本おさむ氏。サブタイトルは「ニッポン蕎麦行脚」で、先日は越前おろしそばも登場。個人的にサイコーだったのは対馬の新蕎麦を扱う、歌舞伎町の蕎麦屋の回です。

その今売り(2.25)の号で、登場人物の咄家が、幼少時に母親がつくってくれた、卵ご飯の夢をみるシーンがありました。

これが凄い!!!

冷やご飯を鍋に入れ、少量の水を差し、庭で飼っている鶏の卵を飯の上に落とし、醤油を回しかけ、蓋をして卵が白くなるまで蒸し煮にするというもの。水分が蒸発した鍋からは醤油の焦げたにおいが立ち上がり、ガス台の上に乗ったままの鍋から、火の入った白身と、半熟の黄身と、ふっくら温まった飯を匙で掬って口に運ぶというその数ページは、食味漫画で経験した中でも、あの包丁人味平ブラックカレーの恍惚に勝るとも劣らない強力なインパクトを伴っていました。

で、いてもたってもいられず再現。

鍋焼き卵ご飯
結果、これ危険です。美味いなんてもんぢゃないくらい、美味すぎる!!胃袋に余裕があれば、卵10個+米5合くらい、ノンストップで突っ走りたくなるくらいんまい。できれば、お夕飯で、お料理を食べながらほどほどにお酒を飲んで、最後の締めのお食事に軽くご飯ってシチュエーションで食べることを推奨したいです。でないと、どうにもお箸(匙)止まらない!

◎鍋焼き卵ご飯

  1. 鍋に冷やご飯を1.5-2膳分を薄く敷く。中央は卵の座りがいいよう、チキンラーメン風に軽く凹ませる。水を少々(2膳分で5-60mlほど、ご飯の乾燥具合や卵の火の通りで適宜調整を)
  2. 凹みに卵を落とし、醤油を回しかけ、蓋をして強火で火にかける。
  3. 鍋の中の水気がなくなり、醤油が香ばしく焦げ、卵の白身が白く固まったところで火を止める

普通に食べる分には、黄身をほどほどに突き崩して、適量を茶碗によそって食べるのでしょうが、作中の少年時代の咄家は、鍋に直接匙を突っ込んで、アツアツを口に運んでいました。あんまりお行儀はよろしくなさそうですが、間違いなく美味しさと幸せさは、この方法のが上だろうとはおもいます。

卵は、やっぱり美味しいものをおごった方が幸せ度合いは大きいかと。今回は地元の養鶏農家がえごまを餌に混ぜて育てた卵を用いました。

2011/02/16

お菓子を食べながら蒸留酒を呑む会。

間が開きましたが、新年のお菓子な出来事その2。

友人の女性菓子職人さんのつくったお菓子をアテに、蒸留酒を呑もうという会を、友人たちと催しました。

そもそものきっかけは、去年の12月24日。自分は仏教徒でクリスマスを祝うことはないのですが、彼女のつくったクリスマス向けのチョコレートケーキは購入して、おいしくいただきました。

ただ、その時間帯が深めだったため、ついつい手が伸びたのは島のラム(rhum)モニー(la maunyシャア専用)の1995ミレジム、ビエル(bielle)の7年オールダージュ、サンテティエンヌ(saint etienne)のvsopあたり。それと、コニャックなんかも舐めてみました。

クリスマス向けのケーキで、子どもが食べるかも、とお酒を使わずに焼かれたものだったので、それを補おうっていう言い訳で取った措置だったのですが、これがあまりにもうまくてついったーで呟いたところ、呑み食べ好きなお友達が何人か食いついて、その勢いのまま実施となった次第です。

そんなわけで、当日用意してもらったお菓子は

Amelieのお菓子
  • 焼酎プラム入り抹茶のパウンド
  • 濃厚ガトーショコラ(カカオ分70%の有機チョコレート使用)
  • コアントロー風味ホワイトチョコレートがけストロベリー
  • セミドライパイナップル
  • カカオ分50%のチョコチップクッキー

当日の蒸留酒
みなさんが持ち寄ったお酒はというと、なぜかウイスキー飲みな女子が多いため、スコッチや日本ものが優勢。モルトはハイランドパークの21年(うまい!)と、サントリーが入れているマクレランズというボトラーのアイラ島もの。あと響。自分が持参したのは、クリスマスの時に呑んだ三種。ほかにカルヴァ(トス)。シャルトリューズがなぜか黄と緑があった。

ついでに、余興として自主レコ部と称し、各自持ちよりのレコードを聴きながら、いろんな蒸留酒をチビチビやっていたわけです。グラスは各自1つで、酒を干してはチェイサー代わりの水でグラスをすすぎ、次の酒に行くという、島の旅で経験したハード系漢呑みスタイル。

で、時間が経つとめいめいのお皿のお菓子も減ってくるのですが、この減り方がはっきり二つの傾向に分かれたのが面白いところ。多くの人は、普通にデザートを食べるように、パクパクと一口大のお菓子を口に運ぶのですが、若干名は、まるで豆腐ようのように、ケーキを少しずつ削るようにして少量を口に入れ、そこをアルコールで洗うという男気溢れるスタイルで堪能。

そのあたりに、この会の目的をお菓子に置いていたのか、呑みに置いていたのかがはっきりでていて、なかなか愉快でした。

当然、自分自身が呑み目的なのは、ここまでの記事が酒中心に進行していることから明らか。ですけれど、もちろんお菓子も基本的に直球として濃厚なパワーがある上、抹茶や果物のそのフレイバーがちゃんとエッジとして生きていて、そりゃあ楽しめましたよ。

*当日はカメラを持って行くのを忘れたため、写真は携帯で撮影、なのでこんな写真ばっかです。すいません。

2011/02/15

ヨーグルトと胡瓜のサンドイッチ

今年は雪がよく降ったので、スキー場にもボチボチ出掛けられているのですが、そうすると早々と(毎年変わり映えのしない)ゲレンデ食堂でのご飯には飽きがきてしまいます。で、去年のシーズン末みたく、サンドイッチ持参+サラダなランチとなります。

基本、あり合わせの材料をパンに挟んでできあがりなのですが、丁度、脱水(水切り)したヨーグルトがあったので、それを定番の胡瓜といっしょにサンドイッチに仕立ててみました。これがもう、んまい!

ヨーグルトと胡瓜のサンドイッチ
◎ヨーグルトと胡瓜のサンドイッチ

  1. ヨーグルトをペーパータオルを敷いたざるに入れ水切り。できれば6時間くらい。そこに塩、にんにくパウダーを各少々、オリーブ油(一パックを脱水後のものに、大さじ1くらい)を加えて混ぜる
  2. サンドイッチ用の食パンを色づかない程度に軽くトースト
  3. パンの表面にうっすらと、オリーブ油を塗る(バターの代わり)
  4. 脱水したヨーグルト大さじ2-3を、パンの上に広げる
  5. スライスしてよく水を切った胡瓜1/2本を、ヨーグルトの上に並べ、上にドライミント2摘みを振りかけ、その上にオリーブ油適量をたらす
  6. もう1枚のパンで挟んでなじませる

ヨーグルトの量や胡瓜の処理は、持ち運びなどの状況に応じて適宜調整を。大さじ2くらいなら、持ち運びあっても、柔らかい中身がつぶれて溢れることもないかとおもいます。家ですぐ食べるなら、具だくさんの方が美味しい!胡瓜も、ランチまで時間があるならば、塩をして少し水分を抜いておく仕事をしておいた方がいいかも。

あとに人に会う用事などがあれば、にんにく抜きで。オリーブ油とミント(個人的には必須。俺レシピなら倍量いれるかも)の風味で、十分おいしく、エキゾに楽しめます。塩加減は、気持ち濃いめがベターかと思いますが、胡瓜に塩をした場合は適宜調整を。

オリーブ油は生食+フレイバー重視なので、ここはエクストラヴァージンで。

これ、ワインにもぴったり。アルコール有りのピクニックや、ホームパーティーで最初に出す虫養いメニューにも使えそうです。

2011/02/14

エジプト風な紅茶

エジプトではムバラク大統領が辞任しました。デモの人たちが集まったタハリール広場は、旅行時に何度か通った場所で、ニュースの映像をみながらカイロを歩き回った日のことも思い返しました。

その街歩きの途中にいちばん飲んだものといえば、紅茶です。旅行にいけば必ず築地とユザワヤと合羽橋(みたいな場所)に行くのが常のため、初日にまず足を運んだのがスーク・イル・アタバという、地元住民が買い物する市場。そこでモロヘイヤを刻むための両手持ちの半月型包丁(なぜか日本製の表示が、ホントか?)を買ったり、携帯電話ショップでパーツを物色したりしたのですが、その間、1時間に1回くらいというハイペースで喫茶店に立ち寄りました。ちゃんと建物の中にある店から、ほとんど屋台なこんな店まで、いろいろと。

カイロの喫茶店
そこで、アラブ語の学習ノートを取り出して、地元のおっちゃんにカタコトアラブ語をぶつけてコミュニケーションを試みてみたりしたのですが、ノートの表記ミスをわざわざ直してくれるおっちゃんの親切ぶりとともに記憶に残ってるのが、熱くて甘い紅茶の味です。

とはいえ、最初の2軒くらいで初エジプトな日本人が「お茶、おねがい」っていっても、出てくるのはティーバッグのお茶。みんなが飲んでいる、茶葉をぐるぐるかき混ぜて上澄みを飲むものと違うのが悔しく、3軒目では、そんなお茶を飲んでいる人がいる店をみつけた上で「同じものを」って身振りで頼んで、ようやく「ああ、コシャーリーね」って合点してもらえ、ありつくことができました。

どうやら、あのごはん+マカロニ+豆なコシャリって言葉は、まぜまぜっていう意味っぽい。韓流ならピビムって感じ?

マクドでエジプト風な紅茶
そんな思い出を、最近のエジプト事情で思い出した折、ネットをするため入ったマクドナルドで、カイロでお馴染みだったリプトンのマークがふと目に飛び込んできました。で、紅茶を注文した上で、ティーバッグを破って直接カップのお湯の中に放り込み、砂糖もしっかり入れて、ぐるぐるコシャーリー!

ベタベタな甘さと、粉茶だから過剰に出たえぐみとのコントラストが、なんとも懐かしい旅情をかりたてて、もう最近は、こればっかりです。

砂糖は4本。個人的には、これ以下の甘さは考えられませんが、これ以上の本数の砂糖を所望するのもなんか気が引けて、結局はこの本数が決まりになりました。

暑い夏にはカルカデもいいけど、このコシャリ紅茶は、季節を問わず、いつでもどこでも簡単にエジプト情緒が楽しめるのが嬉しいところ。

そういや、昔はファミレスのドリンクバーで煎茶(たまに紅茶)+ミント茶+たっぷり砂糖で、マグレブミント茶とかもやってたっけ?

スークイルアタバといえば、この羊たち亀の子な鍋この焼きチキン定食とか、振り返ってみると、お弁当時代のまとめと予告エントリの写真に、ずいぶんと使っていましたね。

昔書いたように、あいかわらず、ボイコットイスラエルな考えなので、あまりマクドに行きたくはないのですが、街中でネットをする利便性の関係上、最近は時折利用しています。

ガレット・デ・ロワ(galette des rois)を初めてやった

年明けから、お菓子が主役なできごとが二つありました。まず、その一つ目。

地元の福井で昨年、福井日仏協会が発足しました。

フランス滞在経験者や、フランス好きが集まって、あるいみとてもフランスチックな緩さでフランス語教室や文化講座などの事業を実施しています。発起人がフランス系なお友達だった縁で、設立からかかわってきたのですが、その新年会を兼ねた交流会で、フランスの新年のお約束、ガレット・デ・ロワをやりました。

ガレットデロワ
一応wikiへのリンクはつけてありますが、簡単にガレットのことを説明しておくと、お菓子そのものはパイの中にアーモンド味クリームがはいっていて、フランスではキリスト教の公現祭に合わせ、新年に食べるのがお約束。中にはフェーブ(fève=ソラマメのこと)という小さな人形が入っていて、それが入ったピースを食べた人は王様(=roi)ってことで、王冠をかぶり一年間の幸福を祝う、ていうような行事。

協会には、製菓業界から多く協賛をいただいていることもあり、ガレットは地元の洋菓子店にお願いし、大きめのものを三台焼いて貰いました。お店への引き取りも自分が出向いたのですが、ぺたんこの形をイメージしていたお菓子にしては矢鱈と箱がでかい、とおもったら、中にはちゃんと王冠がセットされてました。勿論フェーブ入り。

ガレットに入っていたフェーブ
約40人の参加者に行き渡るよう、ザクザクと切り分けて、果たして王様になったのはわりと大人な男性3人。ホントは子どもフェーブが行くように段取りするのがお約束だということなんですが、フランス人会員のお子さんは、今年もうすでに当たりを何度か引いているので無問題なのだとか。

ガレットに入刀
これが、思いのほか盛り上がって楽しかったのはもちろん、お菓子自体も流石、地元の人気店の作だけあって、非常においしい。来年も恒例にしたいイベントでした。