2008/12/22

久々にアッシ・パルマンティエ♪

このブログ。料理名別の検索ワードで、けっこう多いのがyahoo経由での「アッシ・パルマンティエ」です。これがgoogle検索では、ほとんどないのが不思議なんだけれど(ナヴァランレバニーズ系は、けっこうググってくる人いるのに)、なぜこのお料理がこんなに注目度高いの?

アッシ・パルマンティエ
とはいえ、ナヴァランも春だけでなくて、安定して人気あるみたいだから、定番のフランス家庭料理系のレシピには、一定のニーズがあるってことかしら。

それも自分の偏見かもしれないけれど、アッシ・パルマンティエやナヴァラン、タジンてお料理からは、どうにも「男の料理」臭が漂ってこない。どれも、高価な材料や特殊な材料なくても時間さえあれば、つくるのは簡単だし、安ワインでたっぷりおいしい。残っても、翌日のランチに続けて食べても飽きないし、ワインなしでも満足できる。悪い意味での、男の料理っぽくないところが、とてもいい気分です。

あとこの辺のラインにのってきそうな料理ってなんだろう?

ひょっとして、こんな種類の煮込み系とかオーブン系のお料理を、「ストウブ(staub)」の黒鍋とか使ってサーブする形にすれば、最強だったりして(って、この文句で検索に引っかかってきちゃった人いらっしゃったらごめんなさい)。

そんなわけで前置き長くなりましたが、かつてお弁当生活でも登場したけど、久しぶりに食べたくなって、つくってみました。

◎レシピ
きょうのアッシパルマンティエ
  1. フィリングをつくる。たまねぎ1/2個、人参1/4本、セロリ1/2本をみじん切り、にんにく1/2かけをつぶす
  2. 1をサラダ油でよく炒める。牛挽肉150gを加え、さらに炒め塩胡椒で軽く下味。
  3. 赤ワイン1カップ、トマトコンサントレ70g、ブイヨン適量、塩胡椒で味をととのえ、ローリエ、お好みのスパイスやハーブを加え、20分ほど煮込む→煮詰める
  4. バターを薄くぬったグラタン皿に、じゃがいものピュレを薄く敷いた上に、3のフィリングをたっぷり。その上にピュレを厚く乗せる。表面を整え、好みの模様をつけたら、チーズとバターをのせる
  5. 180度で15分、さらに220度で5-10分で焦げ目をつけてできあがり

きょう、このお料理をつくろうとおもったのは、検索結果もさることながら、年末の冷蔵庫の一掃セール中に、冷凍してあったピュレの固まりをみつけたから。ただ、解凍したピュレはなんかパサパサしてていまいちだったので、クリームとバターを少し足して練り直しました。

んなわけで、やっぱり、んまい。

それはそうと、パルマンティエってジャガイモをフランスに伝えた農学者のお名前だったのですね。

2008/12/10

ロレーヌ・ビール

旅の日記は撃ち止め、って言ったものの、だいじなことを書き漏らしていました。

それは、旅の間に(水を除けば)もっとも多く飲んだ飲み物。
マルティニークのローカルビエール、ロレーヌ(lorraine)です。


今は、PCの壁紙もロレーヌ柄です。

はっきりいって、地元の奴らにとっては、ロレーヌはあんまり格好のいい飲み物ではないらしい。

実際、ゴチしてくれるって奴らは、一様にアイネケン(heineken=いちおうフランス語発音でね)を勧めてくれ、オーダーしてくれました。

でも、個人的には、断然ロレーヌの方が味が濃ゆめで好み。

レバノンのアルマザエジプトのステラ台湾ビールなど、旅先でよく飲んだビールはいろいろあるけれど、これは今でも日常の中で飲んでもいいとおもっています。

初シュークルート

今シーズン、はじめてシュークルートを煮ました。


ちょうど、今月の料理雑誌2冊が揃ってビストロ特集ですが、その1冊にシュークルートのレシピがでています。もう学生のころから、シュークルートを煮るようになって10年以上たちますが、最近はずいぶんシュークルートのレシピにもお手軽に接することができるようになったものです。

昔は、旅行のときお総菜屋さんで食べたやつに入ってたジュニパーベリーが、なんなのかもわかんなかったのに…

さて、そのレストランのレシピでは豚肉の塩漬けとか、手づくりソーセージとか、ずいぶん手が込んでいますが、家でつくるときは、当然そんなことはできません。

厚めに切ったベーコンと、そこそこ高いソーセージを、シュークルートと一緒に鍋にぶっこんで煮るだけ。とても簡単です。

ソーセージはややちゃんとしたものを、それも茶色くないものを使うようにしています。というのも、普通のウインナは燻製液の匂いがして、それが料理全体に回るのが苦手だから。ベーコンも切り落としを使うときは、軽く茹でて燻製液の香りを抜くようにしています。

ほんと楽ちん。同じ冬の定番煮込みのポトフと比べても、ぜんぜん手間いらず。で、なんかホッとするような地味な味わいがあって、ホカホカ・さっぱりと食が進むので、オススメです。

◎レシピ


シュークルート(ザワークラウト)1瓶の場合
  1. シュークルートをさっと湯通しして、水気を軽く切る
  2. 玉ねぎ小1個を薄切りにし、バターでさっと炒める
  3. 固まりのベーコンは厚さ1cmくらいのぶつ切りにする。ソーセージも半分くらいに切る(じっくり煮込む場合、これをしないと破裂する)
  4. 2に3のベーコン、1のシュークルートを加え、シュークルートに入っていた瓶または5缶1.5-2杯分の水、白ワイン(アルザスまたはドイツものがベター)を加え、固形ブイヨンと一緒に煮込む。乾燥ジュニパーベリーを15粒くらい加える
  5. 煮込むのが好きな場合はソーセージ、じゃがいもも加えて煮込む
  6. シュークルートが好みの柔らかさになり、ベーコンも柔らかくホロホロになったら煮上がり
  7. (煮込むのがあまり好きではない場合は)ソーセージを加えてさっと煮含める
  8. じゃがいも、肉類、シュークルートをたっぷりいろどりよく盛りつける
いつもつくるような、手軽かつ普通に食べやすいもの、っていうとこんな感じなんですが、実際に自分好みでつくる場合はちょっとちがう。

もっと、酸っぱーい味強め。

まず、余計な甘みがでるたまねぎは入れない。瓶の中の汁ごとシュークルートを鍋に入れて、白ワインもかなりたっぷり目にして煮込んでます。塩味もほとんどつけず。で、汁もゴクゴクすする。

シュークルートは、フランス製、ドイツ製、ポーランド製といろいろ使ってみたけれど、個人的には、比較的よく売っているドイツ製のやつがいちばん好み。

じゃがいもは、じっくり煮込んで煮崩れたホクホク感が苦手なので、下ゆでしたじゃがいもを、別鍋で煮汁でさっと煮含めるだけ。

固形ブイヨンは、お手軽だからよく使うのだけれど、こんな洋食に、いわゆる「コンソメ」を使うのはちょっと苦手。っていうのも、あれって原材料に乾燥しょうゆはいっているでしょ。その風味が、すべてをぶち壊しちゃうようで。

あと、ジュニパーベリーはやっぱりほしい。ない場合。代わりにジンを入れたら、どうなるんでしょ?

2008/12/09

島での、たべもの・のみものスナップ

もう、旅から3カ月もたつので、いいかげん撃ち止めにします。

マルチニークの花屋
そんなわけで、小ネタ的なスナップで締め。
(トップの写真はマルティニーク・サンルースの花屋さん)

*****

◇朝のカフェ

海辺のカフェマルティニークのサンルースでは、朝ご飯はいつもこのカフェで、ココアとパンオショコラ。ハリケーンシーズンだったもので、地元新聞もよんで、いちおう天気予報にも気をくばりつつ。

ただ、朝飯をたべてる横で、前の晩にチン、ってやったおっちゃんが朝っぱらからいきなりラムあおってたり、「まあ飲め」って、ビールおごられたりもしたりして。

*****

◇フォールドフランスのスナック

街角のスナック
宿泊していたホテルにもほど近い、公園の周りに出ていたスナック。コロンボランビのブロシェットなんかはここでいただきました。

ちなみに、ロンプラ(英語版)には、「公園の周囲にはたくさんのスナックが出る」と記載がありますが、ホテルのおっちゃんによると、最近は減ったとか。

公園自体は改修中で、ジョセフィーヌ像も撤去されていました。

*****

◇アボカドのビネグレット

アボカドの前菜
えいのコロンボ
を食べたレストランの昼定食(menu)のアントレ。

アボカドの長さは15cm以上あってでかい。食べると結構なボリュームだけれど、ビネグレット(ドレッシング)の酸味のおかげで、意外にスイスイと食べられてしまいました。

*****

◇牛肉のブロシェット、なんだけれど

牛肉のブロシェット
すごくね、この盛りつけ。上から肉を刺した串が、ぶら下がってるの。

グアドループのリゾート地、ゴシエ(gosier)のビーチサイドにあるレストランにて。

お肉は、クレオールソース(sauce creole)という、柑橘の汁や玉ねぎ、唐辛子などの入ったソースで、さっぱりといただきます。似たようなソースで、ソース・シアン(sauce chien=犬ソース?)ってのもあるようです。

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◇唐辛子

市場の唐辛子
上のクレオールソースだけでなく、たこのフリカッセのプレートとか、鶏のグリルとか、いろんなお料理の薬味にしばしば添えられていた唐辛子。ちょうど、レバノン・シリア料理の唐辛子ピクルスみたいなかんじで、ちょいと囓ったりすると、フレッシュな辛みが食事を引き立ててくれます。

かなり辛いけど・・・

*****

◇さとうきびのジュース

さとうきびのジュース
フォールドフランスの街で飲んださとうきびのジュース。街では、そこいらじゅうで売ってました。このライムをしぼるのが、いい感じ。

さとうきびを絞る機械
絞るのは、この機械で。店先にどかんとおいてあります。

*****

◇サンファンのレストランの店先には・・・

お菓子とパン
行きの滞在時にランチした老舗レストラン・ボンボネッラの店先にずらりと並んだパンやお菓子。プエルトリコって(サンファン旧市街しか歩いてないけど)、アメリカとラテンのいいとこどりみたいな感じで、とても気に入った街だったんだけれど、このお菓子やパンにも、どころなくそのいいとこどり感が感じられて、とても美味しそう。

オールド・サンファンのカフェ・レストランは、朝食営業しているところも多く(逆に夕食営業をしないところも多そう)、アメリカ資本ホテルの貧相な朝ご飯たべるより、レストランにでかけてもよかったかも、ってちょっと後悔。

*****

◇パンチいろいろ

パンチとか
マルティニークのマルシェ(市場)には、こんな風に手づくり風なパンチや、バニラエッセンスなどがずらり。

パンチは、パッションフルーツやグアバ、パイナップル、ココ、チョコレートなど、どれをお土産に買おうかと、とても頭を悩ませる(結局、パッションとショコラを購入)。

ほかに、右手の小さい瓶はバニラエッセンス(5E)。青いラベルの瓶ははちみつ。

カカオバトンとかもあるし、お菓子つくる人だったら、非常に心踊るんでしょうね♪

2008/12/08

Rhum::バカルディ(bacardi)の工場見学

トランジットで都合2泊したプエルトリコでは、蝙蝠のマークでおなじみ、大メイカーのバカルディの工場を見学しました。

こうもりのマーク
クバ・リブレ
(cuba libre=キューバリバー=ラムのコーラ割り)でも有名な、このメイカー。創業の地、キューバで生まれたこのカクテルを製法で呼ぶ場合、「ラムコークではなくて、バカルディ・コークっていわなきゃだめだよ」ってことです。

さて、オールドサンファンの港から、フェリーに乗って向こう岸に渡り、そこから相乗りタクシーで工場に向かいます。船はタダ。タクシーは乗り合わせる人数にもよるけど3$前後で。

会社の詳細な沿革は、日本語のオフィシャルサイトに譲るとして、キューバで創業したバカルディ社は、アメリカ国内で販売強化に向け、税金の関係から、アメリカ自治領のプエルトリコに蒸留所を移したとのこと。

そこは、さすが世界に名前をとどろかす大会社。

バカルディの本社ビル
ビルもでかければ、

バカルディの発酵槽
発酵槽もでかい。

バカルディの蒸留器
蒸留器も、会社のビルと並ぶような高さだもんね。

工場見学用のバス
見学は英語とスペイン語のコースが交互に出ていて、このバス(?)に乗って、見学者用のミュゼのような建物に連れて行ってくれます。

見学コースのある建物
最初の部屋には、コロンブスによる西インド諸島の発見から、砂糖黍の栽培、そしてカリブの海賊のお話も。

カリブの海賊の図
なんでも、パイレーツオブカリビアンが公開されたあと、ラムの消費量が増えたとかって話も聴いたことがあるから、メイカー的には大事なポイントなんだろうね。

古い書面
あとは、古い書面なんかも。

さて、その先がミュゼのようになっていて、昔使われていたアランビックや、古い樽などの展示とともに、会社の歴史が紹介されていたり、次の部屋ではヴィデオでラムの製造過程を学んだりできるのですが、この2部屋は撮影禁止だそう。

でも、アメリカ人観光客たちは、そんな酒マニア向けの説明は興味はなくて、早く試飲と売店に突撃したい風情です。

バーコーナー
次の間は、バーテンダーさんがラムの飲み方を紹介してくれます。「バカルディコークだよ」っていったのも彼。「ラムはキューバリバーやモヒートだけぢゃないんだよ」とも。

そして、樽熟成のラムもいろいろ紹介していたのですが、上級品は1本70$(500Eオーバーのおばけみたいなビューラムが売られているのを見てきた身には、革張りの箱に入っているくせにこの価格はバカ安または詐欺だろ、って感じですが)と聞いたアメリカ人たちは「まぢで!」ってリアクション。

最後は、プロモーション用のピッチャーなどのグッズや、広告のポスターが展示され、それにヴィデオメイルを送ることのできるサービスも。これで、見学はおしまいです。蒸留施設は、遠くから眺めるだけ。

さて、あるいみここからが本番。

見学者は、2枚のチケットを渡され、2杯の飲み物を飲むことができます。タダ酒です。

バカルディの試飲コーナー
何を飲むか、選択肢はいろいろありますが、ここはオリジナルに敬意を表してキューバリバーと、普通ではなかなか飲む機会のない、この会社のオールドラムを選択。けっこうな熟成年数を経たラムも試飲させてくれます。タープを張ったような形の建物の下、涼しい風が抜ける中で、南の島の酒をまったりと飲むのはなかなかの気分。

もうひとつのお楽しみは、ブティックでの買い物。売店っていうよりも、ブティックっていってあげたい立派なお店。これまで見学した酒蔵の中では(ラムだけではなく)、フランス・エペルネーのモエ・シャンドン並にこぎれい(1994年ごろの記憶で)。

中には、Tシャツや帽子といった衣料品に、ラム蔵のグラス大集合のエントリで紹介した、ピッチャーやモヒートセット。そして、いろんなラムも並んでいます。日本のディスカウント酒屋さんの価格からすると、たいして安くはないのですが、アメリカだと価格差があるのか、アメリカ人のみなさんは、ガンガン買っています。

そして、バーコーナーで「オールドラムは飲んだことない」といっていた人たちが、なかなかの高級ラムをバンバンに買っています。しかも、ほんの20分前に「高けー」とびびっていた革張り箱のラムを買う人が、むしろ多数派。

バカルディのオールドラム
なんで彼らは、試飲もせずに、ましてや製造・熟成過程をみたわけでもないのに、なんの疑いもなくお金を支払えるの?

先に試飲コーナーに行けば味見してから買うこともできるのに、アメリカの人って、とても不思議ねって思ったひとときでした。

鶏のグリルとロニョンのグリル

コロンボとかアクラとかブーダンとか、島の名物料理はいろいろあるけれど、結局いちばん食べた回数の多かったごはんはなにかといえば、スナックや屋台で売ってる鶏もも肉のグリル。

街角のスナックや、海岸沿いや公園近く、幹線道路沿いにバンで出てくるスナック、海辺のバー&レストランなど、そこいら中でうってます。

炭焼きの鶏もも
ドラム缶や、ドラム缶並に大きな炭のグリルで、もうもうと煙を立てながら焼いてます。焼き上がった肉には、お店オリジナルのソースをかけて、お米かフリット(フレンチフライ)、サラダなどを添えて。

あとは、ビール。

マルティニークのフォールドフランス(fort-de-france)の海岸沿いの駐車場に、夜に出ていたスナックでは、焼く前の肉を見せてもらいましたが、スパイスだけでなく、なにかヨーグルトのようなものと一緒に下味をつけていました。

アンティーユ料理の本をみてみると、鶏肉のジャマイカ風(ジャークチキン)という料理がでてきます。

そのレシピをみてみると、それはヨーグルトにチリソースやレモン汁、キャトルエピス、胡椒、玉ねぎ、にんにくなどを混ぜ込んでたものに肉を漬け込む、というもの。日本のジャマイカ系なお店で食べるようなジャークチキンとは違い、どう考えてもフランス人と島の人のアレンジ入り混ざったとしか思えないもの。

どうやらこれが、いつものプーレ・グリエ(ブロシェット)の正体っぽい感じです。

持ち帰りの鶏もも焼き
おべんとうだと、こんなかんじ(左にはロニョンの串焼きも)。

お店で食べる鶏もも焼き
プレートに盛ると、こんな感じで。

ただ、お肉は結構焼き置きしているお店が多くて、ジューシーというよりは、しっかり噛まなきゃいけない感じの味。個人的には、めちゃくちゃうまい、って感じるものではなくて、どっちかっていうとフリカッセ系の煮込みの方が好みだったりするのですが、いかにも日常のたべもの、って風情には、旅情を感じるものがあります。

それよりも、

おなじ肉系のグリエで好きだったのは、ロニョン(rognon、腎臓)。

ロニョン焼きのプレート
たぶん牛?

全然くさみもなくて、柔らかくて、濃いめの味付けもうまい。フランス料理店では、ロニョンのメニューてたべたことがないけれど、こってりグリルの味は、島の夕べの気候の中でいただくと、非常に体にしっくりきて、これが正解、って感じられます。

食前、食後のラムもまたうまい!

そういえば、ダマスカスのもつ焼き屋でも、羊の腎臓をたべたっけ。

ロニョンって、エキゾ系に振ると、とても魅力的で美味しいものなんですね。

こんどのBBQとかケバブ大会の時には、すこしやってみたいかも。いちど、お肉屋さんに相談してみよう。

Rhum::ダモアゾー(damoiseau)編

そういえば、カリブ日記の書き残しがまだいくつか。

ダモアゾーのグラスの絵
ラム蔵では、あのグッズ最強・ダモアゾー(damoiseau)がまだでした。

ラムの製造を説明するパネル
この蔵、壁の絵もおもしろいのですが、見学者用のパネルもなかなかにカラフルです。それも、何枚も続いていて
  • 蒸留課程の説明
  • ヨーロッパのラム市場
  • 蔵のある島の地勢・風土の紹介
  • 17世紀ごろの砂糖製造の紹介
  • 蔵の沿革
  • 人力・動物→水車→風車と動力が変遷してきた砂糖きび絞りのムーランの歴史
と、なかなかのボリュームです。

肝心の蒸留所は、現在整備中で、そこいら辺にいる人にいろいろ訪ねても、どうやら事務系の方なのか、蒸留のことはよく分からなそうなので、パネルを頼りに見学します。

さて、そのパネルと読んでみると、さとうきびのジュースのほかに、発酵槽にはシロップのところから出ている矢印も(線の上には濃縮ジュースの文字も)。

ダモワゾーの発酵槽
そして発酵槽で24-36時間の発酵を経て、できあがるアルコールが6-8%。

ダモワゾーのカラム
それを蒸留して70%のラムとなり、50-55%に加水してできあがり、とのこと。

カラフルな設備
実際に設備をみていくと、ここもまたカラフル。

黄色、緑、赤、青と原色がぺたぺたと。ただ、実際の発酵槽(cuve)や、カラムなどは、ステンレス製の銀色が際だち、しかもピカピカ。規模自体も、なかなかの大きさです。

ムーランもカラフル
現場にいたのは、ほかに中年くらいのフランス人観光客数人だけ。静かな蔵の中をふらふら歩いていると、ちょっと気になるものがいくつか。

設備が整備中のため、蒸留器(カラム)など、さまざまな機器の内部や、パーツが並んで置かれていたこと。

カラムの内部
こうした、カラムの中の蒸気が抜けていく部分は、トロワ・リビエールで見た銅製のものとはまた違った様子で興味深いし、

カラム横にあった部品
この円盤状のパーツも、なんだかよくわからないけれど、気になる。

コンデンサー?
この“ぐるぐる”があるものは、普通に考えると気体を冷却して液体にするための装置ですか?

蒸留についてのこまかいことについては、あまり知りたいことが分からず消化不良気味だったのだけれど、工場見学的には、なかなかに楽しめた蔵でした。

敷地内のタンクまでカラフル

ガッツリおでん

何年か前まで、地元の駅のすぐ近くにあった飲み屋さんのおでんが大好きでした。

キモはそのスープのお味。牛すじからでた、すこし獣くさい味とフレイバーが濃厚で、そこにいろんな具材の味がしっかりと溶け込んでいる。北陸らしく、丸のままのバイ貝も入っていて、牛すじのコラーゲンのむっちり感に、さらに貝のぬめり感が加わった汁もまた、すてがたいうまさです。

そのスープ。閉店間際になると、翌日も使うため漉している光景もみかけました。長い間ずっと継ぎ足し、できあがった味の深みなのでしょう。鶏ガラ系ともまた違う、パワフルさが印象的でした。

もう、お店がなくなって久しいのですが、スーパーの店頭で、おでん用の串刺しの貝をみつけたら、その味が懐かしくなって、肉と海鮮、とくに貝の味がとても支配的なおでんをこしらえてみました。

ガッツリおでん
具材は、牛すじにたこ、つぶ貝、はまぐり、しゅうまい。ほんとうは、ロールキャベツもあったらよかったのだけど。

野菜はだいこんのみ。そのかわり、鍋の底にぎっちり敷き詰めます。
練り物も、ごぼ天のみ。スープは鳥ガラスープ強めで。

煮込みの時の味出し材料は、牛すじとごぼ天。たことつぶ貝も少量だけ入れておきます。
それを、やわらかく、クツクツと煮込み、一晩休ませます。そして、食べる前に、残りの貝類やたこ、シュウマイなどを加え、味を含ませてできあがり。

和風だしで、練り物+だいこん+こんにゃく系なおでんは日本酒だとおもうけど、これはビールをジョッキのような大きなグラスになみなみと注いで、ゴキュっと飲み干しながらいただきたいものです。

それこそ、ガッツリね♪

2008/11/23

島での海鮮料理いろいろ

ほかに、島で食べた海鮮系メニューについていくつか。

ランビ(lambis)のこと


どこかの街のレストランか、スナックの店先か。お兄ちゃんに「マルチティニークといえば、ランビだよ」っていわれた名物。カリブ海方面のいろんなサイトみると、コンク貝っていう名前の方がよく出てきます。

ランビの串焼き
そんなわけで、これはフォールドフランス(fort-de-france)のスナックで買ったランビの串焼き(brochette)

ご飯とサラダが一緒盛りで、サラダドレッシング様のソースで。貝好きだから、気分よく食べられるし、これ食べながら、地元ビールのロレーヌ飲むのは、かなり気分です。

調理前のランビ
調理前は、こんなかんじ(冷凍を解凍したもの)

でも、結構高い。このスナックでは、鶏や鶉、腎臓が3.5E(付け合わせなし)、牛や仔羊が5.5Eなのに、ランビは8Eもする。

*****

ラングスト(langouste=伊勢海老)をゴチになった

ロブスターのグリエ
サン・ルース(saint luce)という街は、海岸沿いにたくさんのレストランやバーが並んでいます。そのレストランの一軒で働いているおにいちゃんに、伊勢えびをごちそうしてもらいました。これも冷凍。

ただグリルに乗せて、ビール飲みながら焼き上がりを待つだけ。で、半分に切ってほじくって食べ、さらにビールをあおり、最後は目の前の海で手をキレイキレイに。

彼らもミソは大好きみたいだけれど、「これ(フランス語もしくはクレオール語で)何ていうの?」ってきいても、「je ne sais pas. c'est bon(しらん、でも、これうまい!)」って。いいのか?

*追記
みそは、フランス語でコライユ(corail)でしたね。

*****

海鮮のマリネの楽しい食べ方

*暗い店内で、ISO800ノーフラで撮影したため、画像が荒くてすみません

旅の最後の夕食は、プエルト・リコはオールド・サンファン(san juan旧市街)のパロットクラブっていうレストランへ。行きの飛行機で、隣合わせた地元の人がオススメって教えてくれた。

その前菜がおもしろい。

海鮮の前菜
名前はわすれたけど、ライムジュースやハーブの類で和えた魚や海鮮類(何だったか忘れた)のお料理。それと一緒に、謎の長いチップス状のものが添えられて運ばれてきました。

チップスがなんなのやら、さらに食べ方もわからないので、テーブル担当のお姉ちゃんに聞いてみると、揚げてあるものはバナナで、チップスの上に海鮮マリネを乗せて、ライムを搾って、あんぐりと食べる、ということ。

海鮮をバナナチップスにのせて
うん、ライムの酸味と、海鮮のたんぱくな味と、バナナのサクサク感は、かなり南の島っぽい。とはいえ都会っぽさも兼ね備えたサン・ファンっぽさもあって、ゆったりした気分も盛り上げてくれる。

そんなに難しい味のものではないので、再現は簡単だろうし、なによりこの提供の仕方がなんとも楽しい!春から夏にかけて、パーティーでテーブルに並べると、華やぐし、ウキウキした雰囲気も高まりそう。

問題は、チップスを何で再現するか。

形だけならズッキーニがお手軽そうだけれど、蓮根とか人参とか、カボチャとかを、カラフルに取り合わせたものを添えても楽しそう。さつまいもなんかも、縦長にスライスすれば、意外にいいのかも。

ちなみに、このバナナのチップス。

バナナチップスの添えられたモフォンゴ
メインのお料理(スナッパーにチョリソを使ったソースを添えたもの)と一緒に頼んだモフォンゴに、コブラのように鎌首を持ち上げた形で突っ立ててありました。

これも愉快でたのしい。

漁港近くの屋台にて

マルティニークの大西洋岸南のヴォークラン(voclin)にて。

魚と豆のごはん
漁港の近くの道ばたに出ていた、おばちゃん一人で切り盛りする屋台で、地元のおっさん連中がビールのみながらわしわし食べていたごはん。

ご飯に魚の唐揚げを乗せ、豆の煮たのがかけてある。

市場の魚1
お魚は、真ん中の長い魚っぽい。

屋台にいた人たち
まあ、めちゃくちゃうまい食べ物ではないけれど、テレビ東京の旅グルメ番組で出てきそうな、漁港近くの食堂を訪ね、海から上がった漁師さんたちに「にいちゃん、まあ一杯やれや」みたいなノリで旅の人を歓待してくれるような雰囲気でご飯ができる。

実際、おっちゃんの一人がロゼワインを一本明けて、みんなでチンってしてくれた。

ヴォークランの漁港
この漁港。海岸沿いには漁師さんが道具を置く小屋がずらりと並んでいて、そのすぐ横には、獲ってきた魚を売りさばくための場所もたくさん。いくつかの街で、漁港兼市場をたくさんみたけど、ここのはかなり大規模だし、いかにも漁業の盛んな港町っていう印象が強く感じられます。

市場の魚2
ほかの街でもいろいろ市場を訪ねたけれど、魚喰い民族として、心はトキメキまくり。

こんど島を訪ねるときは、きっと民宿というか貸別荘のようなGITEという宿泊施設に滞在し、自炊生活を送るだろうから、クレオール風だけでなく、レバニーズ(これが調味料の入手的にいちばん楽だろう)に和食中華と、いろいろ楽しんでみたいものです。

市場の魚3