2017/04/19

今年のお花見メゼ(meze)。

昨春は、3月に仙台行きの機会がありまして、そこで買ってきた仙台のせりの魅力のとりこになってしまったので、お花見はせりしゃぶで楽しんだ訳ですが、今年は例年通りのレバニーズBBQとなりました。

焼き物=カバブ類は例年通り、シシカバブ(ラム肉)、シシタウク(鶏胸肉、トマト味)、そしてマグレブピリ辛ソーセージのメルゲーズだったのですが、メゼ類は新しいお料理も何品かつくりました。その記録がてらのエントリです。


今年のお花見メゼ
ここまでは定番。

昨年つくって美味しかったり、気になっていたメニューを実作してみたりしたものが以下の新規メニュー
も、お花見に初投入しました。

カリフラワーのローストには、タヒニソース(サラーム海上氏のMAYHANE TABLEのレシピ)とレバノン風にんにくペーストレバノン料理本のレシピ)のソース2種を添えて。

ブロッコリーとブルグルのサラダは、青い野菜とクスクスのサラダを、よりシンプルかつレバノン寄りにアレンジしたもので、日頃の食卓では結構定番。地味なのでパーティーには使うことなかったのだけど、最近つくったらやっぱり美味しいので、入れてみました。お豆なしでも、十分においしいものです。

あと仕上げにかけるオリーブ油は、東地中海寄りということでギリシア産のものをチョイスしました。

*ところで、ファトゥーシュとムッタバルはちゃんとしたエントリを書いてなかったようなので、今回の補足で近いうちに上げられればとおもいます。

2017/03/27

地元関係の料理本~2016年の料理本その3

2016年の料理本シリーズ。その3は、ばたばたして上げていなかった、地元関係の料理本2冊です。しかも偶然、著者はお二人とも90歳代。


山田トシさんの手料理帳-河和田と暮らす二十四節季

去年は料理本関係のクラウドファンディングに2件乗っかりました。ひとつはすでに紹介済み、サラーム海上氏の「MAYHANE TABLE」。そしてもう一件が、地元福井県鯖江市河田地区の92歳のお料理の先生、山田トシさんという方のレシピを、地元の風土とともに紹介した本です。


この本が製作される背景や山田さんのことなどについては、クラウドファンディングのサイトに極めて詳しく記されていますので、詳細はそちらに譲ります。お料理はガチガチの伝統料理というわけでもなく、生活の中でほどよくアレンジされていて、作ってみたいというより、(料理ヲタク的には)このレシピができあがるまでの風土や生活背景などに思いを寄せるのが楽しい一冊です。山田さんの福井弁なコメントは、そうした想像力をさらにかきたててくれます。

越廼・伝統の魚介さばき

山田さんの料理本は、1000枚を越えるという膨大なレシピの中からのより抜き編だったのに対し、こちらの本は福井市の海岸部、越廼地区での緻密なフィールドワークの成果をぎっしり詰め込んだ濃厚きわまる一冊です。


著者(というか編者)の青木捨夫さんという方は地元で教員をされていた方で、前書きによると、この本のオリジナルは1976(昭和51)年に中学校の卒業生にガリ版で印刷したものをプレゼントしたものだそうです。それを昨年に再編集して出版されました。内容は魚や魚介類、海草などについて、種類別に地元で伝わる昔ながらの調理法を紹介しています。

そしてその内容は、お魚などの材料は市場に流通して、お店で入手するのがあたりまえな今の時代にあって「海、野山、田畑で入手」したものを前提としたもので、お魚をただの食材としてとらえるのではなく、「季節感や郷土性」「原材料から調理、食品化」「季節や地勢、自然などへの感動や詩情」までも伝えようとしていて、ホントに読んでいて感動的かつ、まったく 飽きません。

食べ方やレシピも、様々な情報が手に入るようになって画一化されがちな昨今には忘れられがちな地元ならではな内容がたっぷり。最初からページを繰っていくと、シイラを漁場でさばいてつくった「沖なます」や、ブリ飯、骨づくりというお刺身の作り方などと、とても興味をそそられます。

文面には、たとえばエイをお刺身にする部分の(要約)
・ひれを切り落として皮をはぎ、筋に直角に包丁を入れて刺身にし
・なるべく薄く刻むと軟骨が数珠のように連なって刺身ができあがる
・歯ざわりと味が大変よい。食通にとっては、忘れられない郷愁的な味である

など、あちこちに、調査した人の丁寧なフィールドワークぶりもにじみ出ています。そしてお魚のイラストも、なんとも味があってかわいい。

この著者の青木さんという方、他にも地元越廼地区のありとあらゆる(誇張ではない)風俗・文化を調査され、それを冊子にまとめていらっしゃいます。どれも精緻で驚愕の内容の濃さ。越廼の図書館で閲覧できると思います。

牛腩([月南])大好き!

広東系のお肉料理では、何が好きって牛バラ肉の煮込み=紅焼牛腩(二文字目はにくづきに南=[月南]、環境によって表示されない場合もあるので以下はこの二文字合わせの方法で表記します)が大好きです。地方の中華レストランではなかなか食べられないので、県外で広東レストランに入った時には、かなりの確率で注文します。だいたい最後のお食事に、焼きそばまたは汁そばで頼むのがお約束です。

そんな紅焼牛[月南]を、ここ数年、自宅で作るようになりました。その理由はやっぱりコストコ。お肉コーナーにあるビーフリブフィンガー(中落ちカルビ)を、じっくり煮込んで広東味にします。このお肉の用途はほぼ固定していて、牛[月南]8、ビール煮2といったところ。洋風にするには、ワイン煮よりビール煮の方がどうも好みです。


紅焼牛[月南] 4人分

材料
  • ビーフリブフィンガー 4本
  • 香味野菜 ネギ、しょうが
  • スパイス類 八角・五香粉等、黒胡椒(粒、軽くつぶす)、ローリエなど
  • 紹興酒、砂糖、しょうゆ、オイスターソース、甜麺醤
レシピ
  1. ビーフリブフィンガーを四等分に切り、さっと下ゆでする。
  2. 1を油をひいた鍋で炒め、軽く焦げ目を付ける。そこにたっぷりのお湯を入れ、スパイス、香味野菜を入れて煮込み始める。あくを取る。
  3. あくが落ち着いたら、紹興酒と砂糖を入れ、約1時間半煮込む。
  4. 醤油、オイスターソース、甜麺醤少々を加え、やや薄味の煮汁でさらに約1時間半煮込む。
  5. 肉がスジまで軟らかくなったら、煮汁の味を調え、とろみを付ける。
  6. やきそばやご飯、汁そばの上に、ゆでた青菜と一緒に盛りつける。


スパイスは油鶏の時と同様、煮込み用の中華スパイスミックスを使用しています。八角が強いのが苦手な方がいらっしゃるときは、軽く五香粉を振ってほのかな中華フレイバー程度に抑えてもよいかもしれません。

料理本やレシピサイトなどをみると、中華らしく中華鍋で調理している画が多いのですが、自分の場合はじっくり煮込む調理のため、シチューのように鍋を用います。やきそばなどのあんかけを楽しむため、中華鍋な画像よりも煮汁も相当たっぷりにしています。

煮上がったものを冷凍することもありますが、その場合はとろみを付ける前の段階でとどめておきます。

2017/01/30

アメリカ南部の家庭料理~2016年の料理本その2

去年のニュースといえばアメリカの大統領選挙ですが、その結果にも思いがいたるタイトルの料理本。アレッポ同様に微妙な気分もよぎらないでもない地域の料理本ではありますが、中に出てくるお料理の数々はどこを開いてもガッとハートをわしづかみされるものばかり。2011年出版の新しい本ではありませんが、これまで図書館で何度も借りていて、我慢しきれずついに購入して、去年はガンガンに活用していた一冊です。


この本が来てからの生活の変化といえば、

1.コストコ行きがもっと楽しみになった

たぶん、この本を購入するトリガーとなったのは、隣県でのコストコ開店です。豚のリブやじっくりBBQしてみたくなる塊肉、チーズなどアメリカ系な食材もずいぶん入手しやすくなりました。お砂糖は主力にきび砂糖を使っていて普段からブラウンシュガーっぽいからよいとして、実際はそんなにアメリカな味には依存していませんが、この本が手元にあるとコストコ行きが(より一層)不思議とわくわくしてくるようになりました。

コストコといえばBBQグリルもほしくてたまりませんが、昨夏はなんとか我慢が効きました。


2.ヨーグルトのホエー(乳清)を使うように

ヨーグルトは水切りにして、きゅうりと食べるのがお約束ですが、これまで実はその後の水分は捨てていました。でも、この本を活用するのになにかと必要なのがバターミルク。この本には代用バターミルクの作り方もでていますが、最近は牛乳とホエーを合わせてバターミルク代わりにして、そこにケイジャンスパイスを加えて鶏肉をマリネし、フライド/ロースト/グリルドチキンにして楽しむようになりました。

機会があれば、パンケーキにも活用してみたいものです。

3.ケイジャンスパイスを自作してみた

この本には、代用バターミルクのほかにもチキンストックやソルトポーク、バニラエクストラクトなどの作り方も出ていて、その中でケイジャンスパイスは作ってみました。必要な材料が全部揃うわけではありませんが、あるもので目分量でつくって、なにかと活用しています。鶏肉は、ケイジャンな味にすることがずいぶん増えました。

隣のページにはドライラブの作り方もあり、BBQ好きにもこの本は必携ですね。


4.基本のアメリカ料理のレシピもたくさん

チキンウイングにケイジャンポップコーン(シュリンプ)、コールスロー、ブランズウイックシチュー、マカロニチーズ、チキンダンプリングなどなどなどなど、あの大好きなテレビ番組「食べまくり!ドライブinUSA」(原題:Diners, Drive-Ins and Dives)でおなじみのお料理のレシピがもりだくさん。サイコーです。

5.もちろんリブは楽しんでます

これまでスペアリブがあると、中華系な味付けをすることが多かったのですが、ここ半年はBBQリブ一辺倒。とりあえずはハンツのBBQソースを買ってきて、それをペタペタ塗って、たのしんでいます。


先日は燻製をするときに軽く燻して、スモーキーフレーバーもつけてみました。

と、このようにフル活用しています。まだまだ作っていないお料理も多いので、今年もまだまだ楽しめそうです。

 

Middle Eastern "good good" Cookbook~2016年の料理本その1

去年も何冊か、新しい料理本を購入し、料理関係の雑誌でも興味深い号もありました。それらを何回かに分けてご紹介しようとおもいますの、その1。
例によって中東料理の重要な情報源の一つ、ハアレツ紙(Haaretz:イスラエルの新聞)のFood&Wineコーナーの記事をウオッチしていると、かなり興味が引かれる記事がありました。それがこの「The best Israeli, Middle Eastern and Jewish cookbooks of 2016」です。今年のよりぬきの中東方面料理本が紹介されていて、その選定はほぼAmazonの中東料理本コーナーのランキングとも重なっていました。
その中でとりわけ気になった2冊を、早速注文。どちらも300P越えの充実の内容で、写真もきれいで英語で読みやすい。どちらも購入して間違いありません、オススメ本です。
さて購入した一冊目が、
The Spice Companion: A Guide to the World of Spice



Amazonのランキングやレビュー、その他各所のレビューなどをみるかぎり、今年の料理本の中でも出色の一冊のようです。内容はスパイス全般に手広く、(日本でなじみのないようなもの=例えば写真のザータルとかも含め)各スパイスについては見開きで特徴や使用法、オススメの料理やお菓子などとのペアリング、ブレンドレシピなど充実しています。
著者はLior Lev SERCARZさんという方。ググるとアメリカではスパイスの大家のようです。序盤の概説ページや歴史、ブレンド方などに加え、氏のスパイス哲学なども開陳されていて、ちょこっとしたコラムなどはちょい読みできて楽しめます(ていうか本文は読まず、スパイス説明とコラムのつまみ読みしかしていません)
レシピ本として使うというよりも、休日や眠る前などにパラパラめくっていると、いつの間にか時が過ぎているような一冊。とはいえ、ページの合間合間に挟まれている美味しそうなお料理の写真をみせられると、こんどはどんなお料理をつくってみようか、意欲がかき立てられます。
定価はUS40$。日本のAmazonで在庫していて、ほぼ適価で購入できました>1月30日時点で在庫あり!

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  1. もう一冊は、
The Aleppo Cookbook: Celebrating the Legendary Cuisine of Syria



ハアレツの記事をみてポチッったのは12月の中旬。丁度、シリア政府軍などによるアレッポ攻略が世界中の関心を集めていた時期です。その時期に、ざくろの印象的な表紙を見せられたら、街角のスタンドで飲んだ生搾りざくろジュースの味が思い起こされて、注文せずにはいられません。
これも、ぱらぱらめくっている程度ですが、レバノン系のものとレシピが違うところあるのかな、などと興味がそそられます。こちらはレシピ本としても良い本で、写真は少ないものの、英語であることに加え、レシピが番号を振って段階別に書いてあるのも、日本人的には使いやすいものがあります。
*手持ちの海外料理本は文章でだだだっーでレシピが書いてあるのが普通
と、レシピがよいのはもちろん、この本にもっと惹かれるのは収載されている写真の数々です。お料理に加えて、アレッポの街の写真がたくさん収められています。街角の路地や建物、スークの様子、商店の人々、屋根屋根の上にパラボラアンテナが並ぶおなじみの景などなど、「次のシリア行の時には」と未訪のままだった、往事(と思われる)のアレッポの風景に、複雑な思いがよぎります。

価格はUS40$。これも日本のAmazonで適価で購入できました>こちらは「一時的に在庫切れ」。

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その他、このハアレツの記事で気になったことを補足で。
1.for SYRIAな本
ランキングにあるスープ本、そしてAmazonでの購入時にランクトップだったCOOK for SYRIAという本など、シリア支援っぽいタイトルの本が目に付きました。
2.ペルシャ料理が熱そう!
ハアレツのランキングを、美しい青色で彩っていたのがペルシアンクッキング系の本。記事にも、
  • Taste of Persia: A Cook’s Travels Through Armenia, Azerbaijan, Georgia, Iran and Kurdistan
  • Persiana: Recipes from the Middle East and Beyond
  • Persepolis: Vegetarian Recipes from Persia and Beyond
の三冊が入っており、これらはやはりAmazonランキングでも上位でした。ペルシア料理って、これから来るのでしょうか?

2016/12/28

豆腐と鶏ひき肉の蒸し物---続中華のまかない料理

中華のまかない料理といえば、卵のチリソース鶏肉と腸詰とザーサイの蒸し物レタスの湯引きが「心のベストテン上位3品」だと書いたような記憶がありますが、もう一つ欠かせないものがありました。

それがお豆腐に挽き肉の具を乗せて蒸したもの。(ホールで)バイトしていた中華レストランでは定番のまかないなのか、毎年作る人の世代が変わっても、頻繁に出てくるお料理でした。しかもすばらしいことに、あんまり人によっての当たり外れがなかった記憶も。

そんなある日、豆腐と葱があって、香菜もたくさんあるという状況が訪れた際、ふとこの一品が思い出され、鶏ミンチを買いに出かけました。



豆腐と鶏ひき肉の蒸し物
  • 豆腐 1丁(絹ごしでも木綿でも可)
  • 鶏ひき肉 100g
  • (鶏ひき肉用)葱(長ねぎがベター)、生姜 適量
  • (盛り付け用)長ねぎ、香菜 適量
  • スープ 100-180ml(容器によって加減してください)
  • 油またはごま油 適量
  • 紹興酒、醤油、塩、砂糖など 適量

レシピ
  1. 豆腐は6-8等分にして深めの容器に並べる
  2. ひき肉に混ぜる葱はみじん切り、生姜はすり下ろす。盛り付け用のねぎは白髪ねぎや極薄の斜め切りに
  3. 鶏ひき肉に調味料とねぎ、生姜を入れてよく練る
  4. 3を豆腐の上に薄く広げて乗せる
  5. 豆腐の7分目くらいまでスープと調味料を混ぜたものを注ぐ
  6. 5を10-15分くらい蒸す
  7. 蒸し上がったら、盛り付け用のねぎを乗せ、熱した油・ごま油を回しかけ、香菜を添える

今回、容器に入れるスープは塩味ベースで飲めるくらいのあっさり味にしました。油もごま油の風味はかなり抑え気味にして。鶏ひき肉には、極みじん切りにした椎茸や筍などを入れても美味しいと思いますし、豚肉でも応用化。具材や使用するお肉の種類によって、またはしっかりご飯を食べられるお料理にしたい時など、茶色いパンチのあるスープで蒸してみたり、あっさりスープで蒸した後に濃い味のタレをかけるなどすれば、食べ方の幅が広がりそうです。

もちろん、中華に振らすに和風にしてもオッケイ。ちなみに使用した容器はグラタン皿で、これが8つ切り(半分の厚さにした後に四つ切り)のお豆腐にぴったりサイズ。

木綿豆腐でも、蒸し立てのお豆腐は熱々のプルプルで、上の鶏肉もプリっとした食感。つみれのお鍋で食べるのとは違ったおいしさが楽しめ、この冬の定番料理の仲間入りは確実な勢いです。

2016/12/19

レバノン風の衣被

里芋を茹でるか蒸すかしたのを、つるんっと皮を剥いて食べる「衣被(きぬかつぎ)」は、秋の風物詩的食べ物であるのはもちろん、その佇まいや食べるときの楽しさ、季節感の強さもあって、俳句の季語としてもなかなか人気です。

その衣被は、ゆかり(しそ)で食べるのが大好きなのですが、ある日思いついて以来、すっかりお気に入りな食べ方が、レバノン風にアレンジした衣被です。



といっても、ゆかりをスマックに置き換えて、あとは塩を振り、オリーブ油を回しかけるだけ。

ていうか、レバノン風なじゃがいものサラダといえば葱を入れるか、スマックをかけるかの二択なので、間違いないメニューではあします。もしスマックがない場合には、ゆかりで代用しても(塩は加減してください)、美味しくいただけます。さらに今年は、知人のオリーブオイルソムリエさんのとこでスペインからの搾りたてオリーブオイルを入手することができ、その新鮮なオイルの香りと心地よいピリピリ感が加わると、里芋のプレーンな味がさらに引き立ちます。

応用メニューというと、ついつい南方系に気分が向きがちな里芋ですが、東地中海風もなかなかよさげです。こんどはクミン入りのトマトソースと合わせてみるのもよいかも。

2016/10/23

大本山永平寺の典座老師の本がすばらしいすぎる件。

もう2年以上前ですが、曹洞宗の大本山永平寺典座老師の料理をまとめた本「身近な食材を使って~三心(まごころ)でつくる典座和尚の料理」が出版されました。永平寺の機関誌「傘松」に掲載されていた連載をまとめたものだそうです。

さっそく購入して、手に取ると、内容がすごい!ページを繰る度に気になるお料理がザクザクで、付箋が次々と刺さっていきます。いくつかのお料理も実作しました。じゃがいもの水晶炒め(P12)や炒り豆腐(P140)は何度も実作して、すっかり定番の常備菜です。まだ作っていないお料理の中では大根おろし饅頭(P76)が、この冬こそ実作したいのですが、こんなお料理を作ろうと思うのは自家製叉焼が余ったタイミングなので、精進な心を忘れて、いつもついつい大根餅に路線変更してしまいます。

そのほか、アボカド料理の充実など新しい野菜の取り入れ方の意欲もすばらしいし、イタリアン風などアレンジも自在。クリーミーそうな里芋ソース(P108)や蓮根汁(P184)など、食材の質感を変えつつも、その個性を残す技にも惹かれっぱなしです。

そんな超絶レシピを、最近アレンジに活用させてもらった事例があったのでそのご報告です。

まずは、イチジクのゴマクリームソースがけ(P8)のアレンジ。
本書では、生の無花果に練りゴマとホイップクリームをベースにしたソースをかけたものでしたが、それをシロップ煮の無花果に応用して、お客様料理の前菜の一品にしました。

その料理は、急遽つくることになったのであるものでしのいで。タヒーナ(タヒニ、中東のゴマペースト)にありあわせのコーヒーフレッシュを合わせ、昆布茶で味付け。それを無花果のシロップ煮にかけて、ざくろモラセスをたらして、ミントを飾りました。

字面はバッキバキに中東風ですが、無花果の甘さとソースのコクと塩味、ざくろモラセスの酸味がまったりと調和して、普通に和風で絶妙なバランスです。もちろん、ミントも飾りではなく好きな方がちゃんと食べれば、ちゃんとおいしく効いてくれます。

もう一品は、上記じゃがいもの水晶炒めの味付けを応用した事例。糸瓜(金糸瓜、そうめんかぼちゃ)を料理することがあったのですが、その日のメニューにはなにかと酸っぱい味が勝ったものが多く、定番のなますやサラダ系な味は避けたい雰囲気でした。

そこで思いついたのが水晶炒め。いつもより歯ごたえが残る程度に茹でた糸瓜をほぐしてくせのない油で炒め、塩、少量のうす口醤油と味の素(このお料理の場合とても大切)で味を調え、水晶炒めより少なめの酢を差しました。入っていることが分からないくらいの隠し味程度に。

油がさっぱりしている分をいりごま(黒)の風味を足して、赤ピーマンの細切りを差し色にしてできあがり。水晶炒めの方法は、なかなかに応用範囲が広そうです。

という風に、何度手にしても発見や、新しい発想をかきたててくれるこの一冊。と、今手にとって開いたさつま薯と南瓜の緑酢和え(P154)も、これまで未チェックながら、先日鹿児島からさつま薯(しかも三色)が届いた折、この季節のうちに急ぎ実作したい一品です。

2016/09/18

無限ピーマンがお弁当で極めて有用なこと。

油鶏ブーム以降、やっぱりお弁当は楽しくて、別にお弁当にしなくてもよいのに(=ワンプレートにすれば済むのに)ついつい容器につめてしまう今日この頃です。

てなわけで、追加で煮足した油鶏に煮卵を中心にお弁当にしてみたわけですが、その彩りでも、食感でも、食材のバランス面でも、極めて使いでがあったのが表題の無限ピーマンです。


この現在流行中のお料理。
お弁当に使うには、
  • まずはきれいな色味
  • ほどよく残るシャキシャキしたテクスチャ
  • かすかな苦みによるフレッシュな味
  • ツナ缶のあぶら+汁+顆粒スープの素のうまみ
  • そのうまみのある汁がしみわたったご飯の味
  • ついでにけっこうな表面積をきれいに埋めてくれる

と、お弁当との相性が最強です。なかなかにリッチな味わいな割には、全体にヘルシーそうに感じさせる見かけの効果も他のお料理ではなかなかに得がたいものがあります。仕上げのオイルをオリーブ油にしたり、ごま油にしたり、あえて軽いオイルにしたり、レモン汁+オリーブをちらせばレバニーズなども全然オッケイ。

今回はごま油を軽く漂わせただけですが、和風の椎茸煮とも、ほどよく調和してくれました。まったくお弁当に、とても使えるお料理でした。

ちなみにきょうのお弁当は
  • 油鶏(ゆず胡椒ですっきりと)
  • 煮卵
  • 干し椎茸のうまに
  • 無限ピーマン
  • 生姜の甘酢漬け
です。

ちなみに無限ピーマンの調理ですが、衛生面で余裕がある環境ならば(暑さなどの環境が過酷でなく、保存性を高める必要性が少ないなら)、ギリギリまで塩分を低くしつつ、レンジ加熱も押さえてシャキシャキ感を残し、おかずというよりサラダ的な位置づけで楽しむと、よりヘルシー感は高まるのではないかとおもわれます。

2016/09/16

油鶏が無双においしく、便利な件。

去年の広東焼き物(マイ)ブームも落ち着いた折り、先日初めて油鶏をつくりました。油鶏というのは鶏肉の醤油煮で、中華レストランの前菜のお皿でおなじみの茶色い鶏肉です。


焼き物メインの前菜盛り合わせを頼んだ場合、心のベスト3は焼肉(皮付き豚バラ肉)、焼鴨(あひる)、叉焼。油鶏は嫌いではないけれど、そんなにはグッとこないというポジションだったので、これまでつくることは無かったのでしょう。

でも先日なぜか、白鶏を茹でている時に油鶏もいいかも、という気分がムラムラしてきて、いつものレシピ本を開いて実作してみたのです。水とお醤油と砂糖とスパイス(茶葉蛋用ミックススパイスを使用、あと鷹の爪とローリエも)、ねぎ、生姜で煮付けるだけ。極めて簡単に、しかも茶色くおいしそうに煮上がりました。


ただ、本当の油鶏ライフの始まりはここからでした。鶏肉をいろんなメニューに展開できるのはもちろん、煮汁の活用法が無尽蔵にわき上がってきます。

1.焼き物のたれ
そういえばレシピ本には、焼き物にかけるたれは油鶏の煮汁を使うと書いてありました。

2.煮卵
煮汁でゆで卵を煮ると、とてもおいしくて風味のよい煮卵のできあがり。

3.鶏のゆで汁に加えて炊き込みご飯に
いつもは白いチキンライスですが、今回は茶色いご飯を炊いてみました。おこげもおいしい。中華おこわの味付けに使ってもコクが出そう。

4.鶏肉や卵の入った台湾駅弁ごっこ
台湾駅弁その1その2のエントリは、ここまでの展開があっての産物です。

5.ゆで汁と合わせておそばのスープ
スライスした油鶏も乗せて。鶏のうまみたっぷりのおいしい鶏そばが食べられそう。麺なしで、スープとしても具材を工夫してコクのある味が楽しめそうです。

7.この煮汁でもっといろんなものを煮てみたい
たとえばハチノスとか、ガツとか。煮汁は薄めて、柔らかく煮込んでみたい。鶏モツもよさそう。

などなど、最低でもお料理2品(油鶏+煮卵)ができて、さらに万能調味料も生み出してくれるとか、いままでつくらず嫌いで本当にごめんなさい。