2009/06/26

新にんじんのココット:アラン・デュカスのレシピで

きょう、地元のファーマーズマーケットに、午前中に行くことができました。この午前中ってのが大きなポイント。朝早くから、たくさんのお客さんが来るので、昼前にはなくなってしまうお野菜も多いのです。

で、売っているのは知っていたけれど、なかなか買えなかったお野菜を今日は購入できました。葉っぱのついた新にんじんです。

新にんじん新たまねぎ新にんにく
新にんじんといえば、お気に入りのテレビ番組、ジョエル・ロブションのシンプルフレンチcuisinez comme un grand chef、吹替版はあなたもグランシェフ)でしばしば登場する食材。

コンフィや「オレンジとローズマリーの香り」など、気になるお料理がある中で、今日の一品に選んだのは、アラン・デュカスAlain Ducasse)が登場する「春野菜(その1)」で紹介されていた、新にんじんのココット。

これまた、いいタイミングに、家には新たまねぎ、乾燥させてない新にんにく、そして摘みたての柔らかいパセリ、と必要なお野菜はすべて揃っています。

最後にオリーブオイルでの香り付けが入り、デュカスの「名前入り」なこの一皿にチャレンジの一手です。

新にんじんのココット
◎レシピ(新にんじん12本、新たまねぎ4個程度で)
  1. 鍋にオリーブ油大さじ3を入れ、皮付きの新にんにく3-4かけの香りを出す
  2. 1の鍋に、葉5cmを残して皮を剥いた新にんじんと、皮を剥いた玉ねぎを入れ、砂糖(きょうはマルティニークのきび砂糖)、塩(塩の花)を加える。やや甘めがベター
  3. 2の鍋に鶏のスープ大さじ1-2を加え、蓋をして弱火で4分蒸し煮にする
  4. 小さめのレードル一杯ほどの鶏のスープ(状態をみて適量)を加え、さらに2分(にんじんに火が入るまで)蒸し煮
  5. にんじんに火が通ったら、鶏のロースト(豚や仔羊もいいね)の肉汁を加え、さらに1分蒸し煮
  6. 粗みじん切りのパセリ、塩の花、胡椒を振り、仕上げにオリーブ油を回しかける

レシピは番組内のとおり。実際の料理では、レシピの1.5倍くらいの時間煮ました。できあがりは「とろけそうに熱々」(デュカス)、でも冷めたのもおいしいよ。

バターで調理したものより軽くって、でも、新にんにくとパセリとオリーブ油の香りはとても華やかで、いくらでも食べられそうなお味です。

お鍋のままテーブルに出して、おいしいパンとスープ、サラダと一緒に楽しいランチを演出してくれそうだし、お夕飯にたっぷりとしたお肉を焼いた時の付け合わせにもばっちりそう。

新にんじんを見かけたら、ぜひどうぞ。

でも、たぶんこんど新にんじん見つけたら、手元にカリブ産の美味しい砂糖と、砂糖きびからつくった濃厚なビネガーがあるから、それらを生かしたコンフィをつくってみたい気分。

2009/06/11

叉焼と葱の冷たい和えそば

地元の福井も梅雨入りしました。

とはいえ、お知り合いお年寄りのいる家では、ストーブや炬燵やホットカーペットのしまってない家もけっこうあります。朝晩は、なかなかに肌寒い日も多く、夏モードのスイッチが入りづらい日々が続いています。

でも、季節の一つの節目だから、夏場向けなお料理を一発キメて、ギアを一段あげていきましょう。

叉焼葱撈麺
ってことで、中華風の冷たい和えそばです。いちおう漢字表記では叉焼葱撈麺。煮そばとおなじ撈麺です。昔、なんかの本で神戸の中華料理屋さんが、冷やし中華の関連メニューとして紹介していたのをみて以来、定番中の定番として、もう10年以上楽しませてもらっているメニューです。

ゆでた中華そばを、醤油やオイスターソースのたれと、葱、細切り叉焼と和えるだけなんだけれど…

◎レシピ
  1. 葱(長ねぎでも青ねぎでもお好みで)を、ごく薄いななめ切り、もしくは白髪ねぎ風に。叉焼も、葱の長さと併せて細切りに
  2. オイスターソース、醤油、少量のスープ(たれに適度な流動性を与える程度)、ごま油を合わせてたれをつくる。いつもの配合は、3:1:1:1くらい(ただし、これは油控えめを意識した分量です)
  3. インスタントラーメンを柔らかめに茹でる
  4. 3の麺をよく洗って余分な油分を洗い流し、冷水でしっかり締め、よく水を切る
  5. 4の麺を2のたれに絡め、少量の葱を残して、1の具材も混ぜる
  6. たれと具材を和えた麺を皿に盛りつけ、残した葱をのせ、好みで辣油や荒くひいた胡椒を振る

きょうの眼目は、なんたってインスタントラーメンです。

このお料理、生麺でつくっても美味しいけれど、インスタントラーメンでつくると、パーム油などのフライに由来するフレイバーが、オイスターソースなど生の調味料の直球系な味わいとバッティングして、個性豊かな食材に化けます。

フライすることで、多孔質になった麺自体にしみこむ味わいの塩梅も、生麺の糊化した表面にからみつく味わいよりも広がりがあって楽しいのではないかとおもいます。

韓国料理方面が好きな方なら、インスタントラーメンを食材づかいすることは抵抗ないでしょうけど、

本家中華風でも、伊府麺や蝦そば・卵そばの例を挙げるまでもなく、インスタントラーメンは、ちょっとエキゾ強めに味付けすると、とても魅力的な食材になるから、こういった、たまのイタズラはやめられないのです。

きょうはなかったけれど、香菜(パクチー、コリアンダーの葉)があれば、大量に振りかけたい気分だしね。

ちなみに、きょうのインスタントラーメンは日清の出前一丁。ごまラー油が、このお料理には便利です。また、茹でたあとよく洗うので、油が酸化しかかった、賞味期限切れのラーメンの始末にも役立ちます。

(学生のころ、生協売店で投げ売りしていたラーメンを、この路線のお料理で堪能しつくしました)

これからの季節、ビールがお伴になるような遅めのランチや、夕方前の虫養いにもどうぞ。