現地のバーとかで飲んでると、酔っぱらいのおやじとかが「これがうまい」とよく勧めてくれたのがネイソン(neisson)です。(ブランの場合)ガーンと直球が当たるような、素直だけど芯のある味がして、でも、後味は意外にすっきりしていて、個人的にも好きな味でした。
さて、そのネイソン。瓶の形が独特の四角いかたち。
ブランのラムを貯蔵している蔵の床には「ZEPOL KARE]と書かれており、蔵の75周年記念ボトルにも、7,5の数字とともにZとKの文字があります。
その意味は、クレオール語での角張った肩の意。ZEPOLはフランス語の肩(epaule)のなまりで、KAREが四角い形を意味するのだそうです。
蒸留所は、フォールドフランスから北のカリブ海側を30kmばかり北上したところにあるcarbetという町にあります。フォールドフランスから向かうと、山道を降りてきて、町の入り口の手前に、赤と緑の建物が見えてきます。
見学は、案内の紙を渡されて、さとうきび、ムーラン、蒸留、と順を追って見学していき、各所に比較的親切な説明パネルが設置されています。
最初の「さとうきび」ですが、蔵のすぐ横の斜面に畑が広がっています。谷間のような立地からか、蔵と畑との一体感を感じます。
蒸留所の建物は赤を基調に緑を配したいろどり。整備中だったムーランも赤。そこで絞られたさとうきびのジュースは、8つある発酵槽に送られるのですが、説明書きによると、発酵期間は2-3日にもなるとのことです。
カラムは、銅製のが一本デンっとあり、蒸留されるラムは73%。ムーランもそうですが、なんとなく親父っぽさのただよう蔵の風情は、飲み屋のカウンターでオヤジたちを唸らせていた味わいに通じるものがあるようで、好感度が高まります。
そして、蒸留施設のすぐ横には、瓶詰めを待つとみられるビューラムの大樽が。どこの蔵でもそうですが、この眺めと香り、そしてガラスの管にのぞく茶色いラムの色には心が躍らずにはいられません。
でもこの蔵。樽をよくよくみてみると、余所とはちょこっと違った風情が。展示されている樽の栓がガラス製。ここは、オリジナルのグラスがかなりかっこよく(後日、各蔵のグラス特集のエントリを掲載予定)、こだわりのボトルなどとも相通じるスピリットが伝わってきます。
ブランの蔵はこんなかんじで。マルティニーク島を訪ね、ラムといえばアグリコールのブランが基本になりつつある体には、だんだんブランの施設にも魅力を感じられるようになってきています。
販売コーナーには、古い資料などのほか、蒸留所やカラムのミニチュアも。ちなみに、島のトロワジレ(trois illes)にある砂糖博物館(maison de canne)では、コンピューターの端末で、この蔵でのラム蒸留の流れを紹介していました。
また、地元の絵画(だとおもう)「タタンカ」の描かれたボトルは各蔵で販売されていますが、個人的に、ここのが一番かっこいいと思っています。
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