2008/09/14

Rhum::ラ・ファボリット編

ラ・ファボリット(la favolite)は首都・フォールドフランスの北、ディロンから車で15-20分(もっと近いかもしれない。行くまで、かなり道にまよったため正確な時間は不詳)でしょうか。山間の道を上っていくと、道沿いにひっそりと案内看板が出ています。

ファボリットの蒸留所
その蔵も、こじんまりとした印象。発酵槽は11個。蒸留器カラムは2本。うち一本はてっぺんのみ銅製の気配です。

カラム
行くまでに道に迷ったため、ついたら見学可能時間の午後3時を10分くらい超過。出てきたマダムに「今日はおしまい、でも試飲する?」といわれたのですが、試飲用に開いていたのが並のラムのみだったので、丁重にお断り。でも、サンプルのラムには、かなり興味しんしん。

サンプルのラム
これでもし見学させてくれたら、なんかいいラム買ったのだけれど。

でも、それは差し置いて、この蔵はとても好きな蔵です。

酒蔵
たとえるなら、これまで見学した蔵は、ブランデーでいうならばコニャックの蔵みたいな印象だったのですが、ここはアルマニャックの蔵に近い印象を受けるのです。家族経営の会社で、その会社規模の目の行き届く範囲でラムを製造している。製品はすこし荒っぽいかもしれないけれど、でもおもしろい、みたいな。

蒸留所の横に流れる川から引き込んだ水
この蔵は、周りの環境も最高です。蒸留所の建物の横には、近くの川から引き込んだと思われる水が流れ、その水は建物の中にもしたたり落ちています。施設の老朽化による安無精と取る向きもあるかもしれませんが、オフシーズンの蒸留所の中に、地元の川の水がしたたり落ちている風情は(しかもいろんな鳥の鳴き声も響いている)、なんともいえない風土感にあふれていて、強烈な魅力を放っています。

そういう点では、マリーガラント島の蒸留所に近い魅力を持ち合わせているといえるかもしれません。酒好きって、こんなの好きじゃありません。だって、アイラもの(島もの)に惹かれるのも、その土着の風土に基づいた個性の魅力が第一ぢゃないですか。

ぜひ機会があれば、訪問時の雰囲気を思い出しながら味わってみたい蔵でした。

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