2008/09/14
Rhum::クレマン編
ほんとうはクレマン(clement)の蔵は、9月は施設整備の関係なので閉鎖中なのです。オフィス・ドゥ・ツーリスムでもらったガイドにも書いてありました。でも、地元の人が「あそこの蒸留所(ここも現在は蒸留しておらす他社からラムを買い入れている)が断トツにきれいだ」と聞かされていたため、だめもとで訪ね、担当者のご好意で見学させてもらうことができました。
さて、そのクレマン社。個人的にはかなり好きなラムです。なんていうか、アイラものに近いような力強さ(とはいえ、モニーやネイソンみたいな直球ではなく、剃刀シュートみたいなすこしひねた感じ?)が魅力です。
アビタシオン・クレマンと呼ばれるその施設は1988年まで使われていた蒸留施設や、エチケットでおなじみの古い家などが公開されています。
蒸留施設は、さとうきびを絞るムーランに、2本の蒸留器(カラム)、9槽の発酵槽などですが、興味深いのは、さとうきびの乾燥と蒸留用の蒸気を起こすための釜(火)のところから、ムーランを動かすための動力として蒸気が導かれる設備も展示されていることです。
クレマンでは、酒蔵もみせていただくことができました。
中に入ると、ビューラム独特の強さを秘めた甘い香りが充満しています。
ちょうど、蔵の中では、樽で熟成したラムを大きな樽に入れてブレンドする作業の最中でした。
同社で使用しているのはバーボン樽。なるほど、トロワリビエールやデパズとは違い、個性的で強い香りの秘訣がのぞけたような気がします。そして、樽からラムを放出すると、焦がした樽の中の炭化した部分も一緒にでてきます。
樽には、創業者のムッシュ・クレマンの肖像が描かれたものも。、
また、ここでは同社でラムが作られるようになった背景についても興味深い話を伺いました。
クレマン社が蒸留を始めたのは1917年。折しも、ヨーロッパでは第一次世界大戦のさなかです。その時国は、戦場で戦う兵隊さんが飲むためのアルコールを作るための施設を作ることにしました。そのため、当時の植民地だったマルチニークでも、砂糖工場がラムの蒸留をするようになったとか。
第一次世界大戦といえば、ヘミングウェイのマテニーの逸話が有名ですが、欧州系の軍隊はアルコールがありだったんですね。
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