2008/11/04

Rhum::モンテベロ(montebello)編

モンテベロ蒸留所
グアドループ島にはいくつかの蒸留所がありますが、一日だけの見学デイで、モンテベロ(montebello)と先に登場のロングトーグッズと壁絵は紹介済みのダモアゾーの3カ所を訪ねました。ほかに、ドメーヌ・ド・セブラン(行ったけれど見学できず)や、ミュゼドラム(ラム博物館)を設けるレイモナンク(発音はこれでオッケイ?、reimonenq。ここも蒸留施設は見学できず)の蔵、マドラスなどがあるようです。

ムーランのロータリー
さて、モンテベロは地図を北にして蝶蝶の羽の右側(basse terre)の右下。二つの島のつなぎ目から幹線国道を南下し、ロータリーの中に古いムーランがある交差点を島の内陸側に入るとすぐです。

こじんまりとした、風土感ある小規模系な蔵の風情。基本的に好きなタイプです。

敷地がやや傾斜地にあり、駐車場や事務所、酒蔵があるところより、蒸留施設は一段低くなっていて、見学に入ると蔵の心臓部に“潜り込んでいく”ようで、気分は必然的に高まります。

施設は比較的使い込まれているようで、ステンレスの中くらいのカラムが2本。その間にには、銅製の何か(コンデンサ?ワインを温める機械か?)もあります。

訪問時は施設の点検整備中でしたが、作業中のおっちゃんの一人が案内してくれました。

モンテベロの発酵槽
彼によるとさとうきびのジュースを、7個ある発酵槽(cuve)で2日かけて6%のワインにするとのこと。

モンテベロのカラム
そして、カラムでは80%のラムを蒸留。元のワイン、できあがりのラムともなかなかのアルコール度数の高さ。かなりガツン系な味わいなのかも、って期待も高まりますが、販売所でボトルの香りを試してみると、ブラン、ビューともそんなに強烈な印象はなかったかも(飲んでいないのでなんともいえないが…)。

ところでこの蔵。見学時には、ちょこちょこ蔵のディテイルが気になりました。

蒸留用の計器
まず、カラムの横にある計器。左から下部、中部、上部とコンデンサー(気体のラムを液体にする部分)の温度が表示するものです。あたり前な計器だけれど、稼働していな施設では、こんなディテイルが蔵の臨場感を感じさせてくれていいものです。

チョークで書かれた説明
銅製の機器や、黒板にはこんな感じに、チョークで手書きされた説明も。カラムでのラムの蒸留や、蒸留したものが液体のラムとなる課程の説明のように思えますが、これもまた、しっかりと見学用の説明がある蔵にはない味わいです。

あと、もうひとつ。

condomの文字があるプレート
結構こころ踊ったのが、機器についていたプレートです。

そこには「condom」の文字。懐かしい地名です。

ソムリエ系の知識のある人だとピンとくるものがあるのではないかと。そう、ジャノーなんかの蔵があるアルマニャックの小さな村の名前です。学生のころ、フランスのお酒ゆかりの地を巡った時に最初に訪れたのがこの町だし、その旅のときの記憶が、今回の旅でもずいぶんと役に立っています。

まあ、そんな感傷はさておくにしても、

ここの蒸留の機械は、アルマニャック地方の産なのでしょうか?

そういえば、マルティニークやグアドループのラムが本国に送られるときは、アルマニャックにも、コニャックにもほど近いボルドーから荷揚げされるという印象が強いものですし(ネグリタがあるからだとはおもう)、パリなどに比べれば、この島から意外に近く感じることもできるような気がします。

フランス領のラムが、こんなに高貴で芳醇な喜びをもたらしてくれる、そのルーツをこのプレートにみたような気がします。

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