2008/12/08

Rhum::バカルディ(bacardi)の工場見学

トランジットで都合2泊したプエルトリコでは、蝙蝠のマークでおなじみ、大メイカーのバカルディの工場を見学しました。

こうもりのマーク
クバ・リブレ
(cuba libre=キューバリバー=ラムのコーラ割り)でも有名な、このメイカー。創業の地、キューバで生まれたこのカクテルを製法で呼ぶ場合、「ラムコークではなくて、バカルディ・コークっていわなきゃだめだよ」ってことです。

さて、オールドサンファンの港から、フェリーに乗って向こう岸に渡り、そこから相乗りタクシーで工場に向かいます。船はタダ。タクシーは乗り合わせる人数にもよるけど3$前後で。

会社の詳細な沿革は、日本語のオフィシャルサイトに譲るとして、キューバで創業したバカルディ社は、アメリカ国内で販売強化に向け、税金の関係から、アメリカ自治領のプエルトリコに蒸留所を移したとのこと。

そこは、さすが世界に名前をとどろかす大会社。

バカルディの本社ビル
ビルもでかければ、

バカルディの発酵槽
発酵槽もでかい。

バカルディの蒸留器
蒸留器も、会社のビルと並ぶような高さだもんね。

工場見学用のバス
見学は英語とスペイン語のコースが交互に出ていて、このバス(?)に乗って、見学者用のミュゼのような建物に連れて行ってくれます。

見学コースのある建物
最初の部屋には、コロンブスによる西インド諸島の発見から、砂糖黍の栽培、そしてカリブの海賊のお話も。

カリブの海賊の図
なんでも、パイレーツオブカリビアンが公開されたあと、ラムの消費量が増えたとかって話も聴いたことがあるから、メイカー的には大事なポイントなんだろうね。

古い書面
あとは、古い書面なんかも。

さて、その先がミュゼのようになっていて、昔使われていたアランビックや、古い樽などの展示とともに、会社の歴史が紹介されていたり、次の部屋ではヴィデオでラムの製造過程を学んだりできるのですが、この2部屋は撮影禁止だそう。

でも、アメリカ人観光客たちは、そんな酒マニア向けの説明は興味はなくて、早く試飲と売店に突撃したい風情です。

バーコーナー
次の間は、バーテンダーさんがラムの飲み方を紹介してくれます。「バカルディコークだよ」っていったのも彼。「ラムはキューバリバーやモヒートだけぢゃないんだよ」とも。

そして、樽熟成のラムもいろいろ紹介していたのですが、上級品は1本70$(500Eオーバーのおばけみたいなビューラムが売られているのを見てきた身には、革張りの箱に入っているくせにこの価格はバカ安または詐欺だろ、って感じですが)と聞いたアメリカ人たちは「まぢで!」ってリアクション。

最後は、プロモーション用のピッチャーなどのグッズや、広告のポスターが展示され、それにヴィデオメイルを送ることのできるサービスも。これで、見学はおしまいです。蒸留施設は、遠くから眺めるだけ。

さて、あるいみここからが本番。

見学者は、2枚のチケットを渡され、2杯の飲み物を飲むことができます。タダ酒です。

バカルディの試飲コーナー
何を飲むか、選択肢はいろいろありますが、ここはオリジナルに敬意を表してキューバリバーと、普通ではなかなか飲む機会のない、この会社のオールドラムを選択。けっこうな熟成年数を経たラムも試飲させてくれます。タープを張ったような形の建物の下、涼しい風が抜ける中で、南の島の酒をまったりと飲むのはなかなかの気分。

もうひとつのお楽しみは、ブティックでの買い物。売店っていうよりも、ブティックっていってあげたい立派なお店。これまで見学した酒蔵の中では(ラムだけではなく)、フランス・エペルネーのモエ・シャンドン並にこぎれい(1994年ごろの記憶で)。

中には、Tシャツや帽子といった衣料品に、ラム蔵のグラス大集合のエントリで紹介した、ピッチャーやモヒートセット。そして、いろんなラムも並んでいます。日本のディスカウント酒屋さんの価格からすると、たいして安くはないのですが、アメリカだと価格差があるのか、アメリカ人のみなさんは、ガンガン買っています。

そして、バーコーナーで「オールドラムは飲んだことない」といっていた人たちが、なかなかの高級ラムをバンバンに買っています。しかも、ほんの20分前に「高けー」とびびっていた革張り箱のラムを買う人が、むしろ多数派。

バカルディのオールドラム
なんで彼らは、試飲もせずに、ましてや製造・熟成過程をみたわけでもないのに、なんの疑いもなくお金を支払えるの?

先に試飲コーナーに行けば味見してから買うこともできるのに、アメリカの人って、とても不思議ねって思ったひとときでした。

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