今でこそ、最大の趣味が「レバノン」っていう人生を送っていますが、僕のアラブワールドへの入り口は、パリのクスクスレストランでした。
クスクスのうまさに目覚め、歴史上最も好きな登場人物であるハンニバルのカルタゴの遺跡をみるために、チュニジアへ旅して、マグレブチックな文化に惹かれたことが、アラブ好きとなるきっかけでした。
その後、カルタゴの源であるフェニキア人の郷であるレバノンを訪れることで、アラブワールドのカルチャー好きが決定づけられたわけです。
ちなみに奇しくも、チュニジアもレバノンもフランコフォン国。
で、話をクスクスに戻すと、地方に引っ込んで1,2年が経ち、そう易々とクスクスがいただけない環境になったため、自分でつくるようになりました。とはいえ、いろんな本に出ているレシピはモロッコ風あり、チュニジア風あり、パリ風ありと、混沌とした状況で、再現は過去の味の記憶だけが頼り。で、なんどかつくるうちに自分の味が固まってきました。
個人的に、一番すきなクスクスは、実はフランス風。
素のスムール(クスクスをふかしたもの)に、たっぷりじょぼじょぼとおつゆをかけて、ひたひたにして頂くのが大好きです。
これはたぶん、チュニジア旅行のときに現地の大衆食堂のようなお店でいただいた、チュニジア風(スムールにおつゆがしみこんだ状態で出される)が、イマイチだったことも大きく影響しているのかもしれないけど・・・
2年ほど前に、チュニジア製のクスクス鍋も入手しました。
下でクスクスにかけるシチューを煮ながら、その蒸気でクスクスを蒸し上げられるという代物。
ただ、これで出来上がったスムールは、(お湯をかけたりしてふかしたものに比べて)かなりパラパラに仕上がりになるのですが、これがお腹に入るとかなり膨張します。いくらおいしいからといって、食べすぎには、くれぐれもご注意を!!
◎きょうの鶏のクスクス
1. 食べやすい大きさに切った大根を下ゆでする
2. たまねぎ(粗みじん)、セロリ、にんじん(いずれも小さめの食べやすい大きさ)、にんにく、しょうが(ともにみじん切り)をフライパンで炒めて香りを出し、鍋に加える
3 .キャトルエピス(なければ、クミン、コリアンダー、キャラウエイなど)をまぶした鶏肉の表面を焼き、鍋に加える。フライパンは湯と固形スープの素を加えて焦げ付きを溶かし、鍋の煮汁とする
4. 2,3の入った鍋が沸騰したらスパイス(クミン、コリアンダー、キャラウエイ、シナモンなど)、トマトペーストを加え、灰汁をとりながら、約1時間弱コトコトと煮る。
5. (クスクス鍋使用の場合は)仕上がり30分前くらいになったら、上の蒸し器の部分にクスクスを乗せ、蒸し始める。
*2012.3.5追記:最近は容器に入れたクスクスを同量くらいの湯でふやかして、電子レンジで1分ほどチンして、ほぐしたものをクスクシエを使って蒸すようになってきました。
時折かきまぜたり、下の鍋の煮汁をかけまわしたりして
ふっくらと仕上げる
5'. (クスクス鍋を使わない場合のお手軽法)クスクスを丼などにとり、同量の湯を加え、電子レンジで2分ほどチン。それを、オリーブ油またはバターをひいたフライパンでいため、パラパラにほぐす。
6. 4.の鍋に下ゆでしたさやいんげんとオクラを入れ、さっと煮る。
7. ふかしたクスクスに、6をたっぷりかけ、ハリサを添える
野菜は、さっと仕上げるために豚汁くらいの大きさにしてます。
よく北アフリカ現地系のレシピでは、生の羊肉などを水から煮ていく方法がでていますが、個人的には香味野菜を炒めて香りを出し、そこで肉もいためて、その香りを溶かし込んでシチューを作る方法が好み。
めんどくさそうだけれど、つくってみると意外に簡単な家庭料理。伊達に、フランス人にとっての、ラーメンや餃子(=旧植民地の料理が国民食になっている!)のようなポジションに居座っているわけではないということが、実感できるとおもいます。
1 件のコメント:
こんばんは。ツイッターで教えていただいて来ました。たかこです。クスクス、明日スーパーに行ってあるかどうか探してみます。
食べた事のない物を作るのって、地図を片手に航海に乗り出すみたいな感じですが。
やってみます。ありがとうございました。
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