2010/03/09

世界一臭い缶詰を食べた(Surströmming)

お料理ネタではないんだけれど、

世界一臭い缶詰といわれているシュールストレミングSurströmming以下シュールさん)を食べる機会に恵まれました。お友達に、極度の発酵食品好きのTさんという方がおり(自宅でさばのなれずしやへしこを漬けるつわもの)、その方が入手したものをお相伴にあずかった次第。

シュールの缶(写真は開缶のイメージ)
先に、結論を述べます。

個人的には、なんとかオッケイでした。また食べたいかっていうと?だけれど、その場では、せっかくの機会だからちゃんと食べておこう!って積極的に食べたくなるくらいには食べられました。臭いはたしかに強烈だけど、なんとか耐えられるくらいには慣れたのかも。

参考までに、個人的な臭いものへの耐性はというと、鮒ずしは大好き、納豆臭い程度ならウオッシュチーズもわりと好き。あと、ロニョンはちょっとアンモニアフレイバーが残っても個性の範囲内だとおもいます。でも、くさやほやの塩辛は苦手です。シュールさんの位置は、苦手寄りな、両者の間にポジションあたりです。

そういえば、北欧つながりで、リコリス菓子(サルミアッキ)も大丈夫だった。

さて、その食べる会のレポを。

今回いただいたシュールさんはスウェーデンOskarsというメイカーのもので、腹には卵や内臓も入ってました。

開缶作業は、地元の河原で。

缶を開ける
テレビなどでは、発酵が進んでパンパンに膨らんだ缶から、お汁がブシューって吹き出す画がおなじみです。しかし、今回のシュールさんはそんなに発酵も進んでおらず、さらにブシューのリスクを低減させるべく、袋に入れた状態に加え、缶自体も冷凍した状態で缶切りを差し込んだため、衆目の予想よりははるかに静かな開缶となりました。

ただ、凍っていても臭いは健在(らしい)。

缶が開いた
その瞬間からまもなく、臭いを感知した人たちから「臭い」の声が次々と。予想をまったく裏切らない、水洗化されていないお手洗いや、バキュームカーのような臭いは、ガッツリとしたもようです。

(当の自分はというと、屋外で花粉を吸い込んだためか、鼻がすっかりつまって、人よりも臭いのダメージがすくなかったみたい)

さて、場所を地元カフェに移して、試食会がスタート。

シュールさんはほぼ溶けて、おつゆの中には、つるんとした身のニシンが何匹が沈んでいます。日頃はあんまり生のニシンになじみがなく、どっちかっていうと、自分の中では生のハタハタをみているような外観のイメージです。

その身を取り出し、鋏でざくざくと適度な大きさに切り実食開始。

はさみでカットして
まずは、パン+玉葱で。いろんなサイトをみても、これらにジャガイモを加えた食べ方が一般的だとのこと。

無難な食べ方?
味は、塩からい。でも、まあ塩辛な味。食べられない味ではありません。最初は怖いので、何回か咀嚼して、そのままごっくん。そこで、口腔から鼻へと空気が抜けると、あの臭いがむわーんとしてきます。口一杯に広がるというより、粘膜沿いを這うように伝わって、そのままこびりつくかんじ。

でも、「こんな臭い」って覚悟していたので、個人的に耐えられないものではありません。開缶時の失敗(?)に懲りて、点鼻薬を使って、鼻の抜けをよくしてきたにもかかわらず、です。

そこで、次には1/8匹ほどの身をそのまま、口に放り込み、味をしっかり舌の上に残したあと、ウオッカ(この日はアブソルート)で洗うという、塩辛食べをしたところ、個人的にはこちらの方が好み。

試食のパーティーには10人強が参加し、うち、この味がオッケイだった人は3-4人ほど。その少数派の中、「これうまいっす」っていっていた男子も、やはり直喰いが好みっていってました。

飲み物はこのあと、自家製ペルツオフカのブラディメアリとかも試してみましたが、ウオッカストレートの方がいいかな。ただ、個人的には旨味のたっぷりとある(淡麗ではない)上等な吟醸酒と濃い味のチーズを合わせるのが大好きなので、シュールさんもいいお酒と一緒に楽しめれば、って未練も残りました。

そうして、せっかくの異文化体験を楽しんでいると、隣のお友達からショッキングな一言が。

「喋ると臭いよ!!!!」

そう、咀嚼したことで立ち上がり、さらに体温で温まったシュールさんの臭いが、息とともに強力に噴出するらしいのです。苦手系の人には、それは耐え難いらしく。

今後、シュールさん試食イベントをされる方は多いかと思いますが、いくら自分の口と身体に合ったとしても、その自分からは、非常にショッキングな臭気が噴出しているらしいので、ご注意してくださいね。

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