専門料理誌のネタを前、前々エントリで書きましたが、たいてい購入する特集にアバ、内臓料理特集があります。内臓料理は、心の大好物ベスト10を数え上げれば、上位入りはほぼ確実。特に腎臓、胃袋、大腸が好きです。
そんな内臓を使った伝統料理、しかもこのブログでは珍しいイタリア系の料理にチャレンジしてみました。かつてフィレンツェの中央市場の有名店でパニーノをたべたことのある、トスカーナ風の煮込みです。レバノン料理好きにとっては、青臭いくらいのパセリソースがたまりません。
参考にしたのは、前エントリで取り上げた専門料理2012年1月号「伝統料理」特集に掲載の、トスカネリア・田中祐介氏のレシピ。なにげに眺めていたこの本で、緑がかったソースをみて秒殺。ちょうど手元にたっぷりの(生食には育ちすぎた)イタリアンパセリの束があったこともあり、焼肉食材店にランプレドット(牛の第4胃、焼肉名ギアラまたは赤センマイ)を買いに走ってしまいました。焼肉系の店で買う内臓肉は割高かもしれませんが、きちんと掃除してくれてある手間を考えれば、一般人の料理にはとても便利でした。
ついでに、輸入冷凍のトリッパ(牛の第2胃、トリップ、ハチノス)も入れました。
○牛胃袋のトスカーナ風煮込み
材料
- ギアラ、ハチノス 各400g
- 香味野菜:玉ねぎ、人参、セロリ、ブーケガルニ(セロリの葉、パセリの茎、にんにく、黒こしょう、月桂樹の葉などを袋に入れる)
- ソース
- イタリアンパセリまたはパセリ スーパーに売ってる一般向けなら3-4パック程
- コルニッション(ピクルス) 3-4本 細かく刻む
- ケッパー 大さじ1-3 細かく刻む
- 玉ねぎ小 1/2個 みじん切り
- セロリ 玉ねぎの1/2くらい みじん切り
- 白ワインビネガー 1/2カップ
- 塩、オリーブ油、ガーリックパウダー
- 下ゆで(状態によっては数回茹でこぼす)、掃除したギアラとハチノスを大ぶりに切って、香味野菜と一緒に柔らかくなるまで(今回は4時間ほど)煮込む
- ソースを作る。パセリを細かくみじん切りにして、アクを軽く絞る。ボールにソース用の他の材料を混ぜ合わせ、味を調える
- 柔らかく煮上がった1を一口大に切り分け、鶏の出汁をベースに薄く味を付けたスープで軽く(今回は1時間弱)煮込む。
- 3に2のソースを加え、さっと火を通す
実作してみて感じた第一のポイントは、仕上げ前に、一口で食べやすい大きさに胃袋を切り分けることです。ちょっと食べ応えないかな、と思うくらいがベター。よくあるトマト煮のトリッパより小さめが吉です。そして食べる皿に取る時には余分な煮汁も切ります。
最初は大きめの肉のまま食べてみたのですが(写真の状態)、ナイフで切ったりかみ切ったりしにくく、ソースの味も乗らずに酸味ばかり勝って、ちっともおいしくありませんでした。それが、切り方を変えて、さらに盛り付け時に余分な煮汁を切ると、味わいが激変しました。とても重要。
フィレンツェの人気店では、煮込んだものに生のようなソースをかけていました。その食べ方も悪くはありませんでしたが、軽く煮た方が酸味などの角は取れそうです。お好みでどうぞ。
紹介されていたレシピには各食材の分量が出ていませんでしたので、ここに記載した分量は実作時のだいたいの加減です。これで、自分の感覚では「まあまあ酸っぱい」くらい。あと、本のレシピでは仕上げの煮込みは、香味野菜を新たに炒めた上に、ブロードで数時間煮込んでいます。そこは家庭料理ってことで省略しました。
2泊3日の冷やかし程度の滞在経験しかなくても、とりわけ気になるこのお料理。トスカーナ好きの方でもっとよいレシピ等ありましたら、いろいろ教えてください。
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