2014/01/20

料理本についての料理本について-最近読んだ料理本その2の2

前の専門料理なエントリに絡み、特に料理本を扱った本などについ雑記少々。

まず、この料理書特集


普通の料理本を扱った特集だと、どうしても間に編集者が介在した誌面を通しての紹介になりますが、この号では頭でバーンと見開きで、何人かの書棚の写真がでてきます。書棚=料理人の頭の中がそのまま提示されていると、ただオススメの本を紹介されるよりも、いろんなことが見えてきます。

小説や漫画などをみると世代感覚がにじみ出てくるし、洋モノの料理書の部分を眺めると、その料理人氏がリスペクトしている料理人や、特に好きなタイプの料理、修行経歴などもみえてきそうです。場合によっては、あー、この人ビジネス書(とか人生訓とか)をしっかり読むタイプなのね、ってこととかも。

実用面では、「影響を受けた本、薦めたい本115冊」が、とても便利。こっちの場合は、逆に編集の仕事が有り難い。古典や定番をきっちり押さえた、こういう目録みたいな記事は、手元に置いておくと、なにかと役立つものです。

もうひとつ、「料理書に強い 書店・古書店案内」もカラーでうれしく、個人的にはオススメの本の紹介よりも、店主が語る商品の動き方についてのコメントの部分に興味をそそられました。

参考までに編集ブログのこの号についての「編集後記より」 。



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関連で、手元にある料理本についての料理本(ていうか雑誌等)を紹介しておくと、


まず一般向けで、極めて汎用性が高いのが、このブログでも何度も参照している「料理通信」誌2007年4月号の「100回作ったパーフェクトレシピ」特集。レシピ本として、便利でツボがきっちり押さえられていて、間違いなくおいしい素晴らしい号でしたが、料理本視点でも秀逸でした。

ラベットラ落合氏壇流という、料理好きにとっては鉄板なレシピ本群を冒頭で取り上げ、その味の秘密とルーツを掘り下げる記事は、料理本好きには堪えられないものがあります。

また、「巴里の空の下~」やホルトハウス房子ものなど、暮らしの手帖社や文化出版局系の、ほぼ古典といっていいような本「伝説の料理書」をフォローしてあったり、料理番組の変遷についての記事があったりと、レシピ本以上の楽しみをもたらしてくれます。



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「専門料理」では、先日たまたまあるレシピを参照するのに手にした2012年1月号の「伝統料理」特集についていた「仏伊14人のシェフに聞く『伝統料理、私はこう学びました』」という記事は、語りのテキストのボリュームがそこそこにあって、今となっては料理書特集号の記事を補足してくれます。



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それから、本や雑誌ではないのですが、2000年版の紀伊國屋書店の「料理書フェア」目録。ひたすら出版社とタイトルが並んでいるだけですが、これも持ってるとなんとなく安心。とはいえ、如何せん古いので、新しいものあったらもらってこなきゃ。

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