2015/08/23

地がらしマスタード

料理雑誌の中でも、二回目にしてもう鉄板特集な料理通信誌の「自家製しよう!」シリーズ。昨年11月号のvol.1でもベーコンやアリッサ、いぶりがっこなど素敵なレシピが満載でしたが(このブログのトップキーワードのひとつメルゲーズも出てた)、今年7月号の中でも個人的に大当たりだったのが、長尾智子氏のマスタードです。


雑誌で紹介されていたのは粒のマスタードをフードプロセッサーなどで潰してつくる方法。

でも、この福井市足羽地区には麩市という地がらしの販売元があり、しかもそこは自宅から徒歩3分ほどで、ついでにそこいらのスーパーに行っても普通にこの和がらしが購入できる土地柄。この長尾氏のルセットを参考に、地がらしなアレンジを加えて、チャレンジjoyです。

レシピ
  1. 地がらし(和がらし)をかく。すり鉢(または適当な容器)に地がらしと熱湯を入れ、すりこ木で練り上げる(パケのレシピを参照のこと)。すりこぎは必ず同じ方向に動かし、逆回転は厳禁!
  2. 練ったからしの上に紙(半紙、和紙など)をぴっちり敷き、その上に熱湯を張りアクを抜く。数時間おく
  3. お湯を捨て、すり鉢(容器)をひっくり返して一晩置く
  4. 寝かしたからしに白ワインビネガーを加えて、食べやすい固さに緩め、練り上げる。
  5. 塩、蜂蜜で味を調える。お好みでスパイス、ハーブ等も。
  6. 殺菌消毒した瓶に5を詰め、1-2週間寝かせる。

分量は雑誌を参照または作りながらアレンジしてください。というのも、芥子をかく過程の水分量や甘さの加減、風味の好みなどで、ずいぶんと分量が変わってくるからです。長尾ルセットではマスタードシードに調味料を入れて粉砕・撹拌してマスタードに仕上げ、ターメリックを加えていました。

が、

地がらし(和芥子)の場合は、ちょっとアプローチが変わってきます。

まず、昔ながらなかき方で、しっかりと辛みを引き出し、アクを抜きます。「かき混ぜる時は必ず一方向に!」「きちんとアク抜き!」というのは、年配の方から聞かされていたのですが、最近のネットなどに流れている地がらし用法では、省略されていがちなところ。ここは昔ながらの知恵に敬意を表し、きちんと実践したいところです。





もう一つ、実作してみて思ったのは、風味の添加は間接的な方が地がらしにはよさそうという予感。

長尾ルセットの本文テキストで、スパイスについては

スパイスは、色を加えるという意味でもターメリックが基本になりますが、ナッツメグやクローブなど、味を深めるのにいいスパイスもあります。

とのこと。でもちゃんとアク抜きした地がらしには、スパイスをダイレクトに使うより、ハーブビネガーを用いたり、蜂蜜の個性を生かしたりする方が、実食してみて吉でした。

ちなみに今回は、普通の白ワインビネガーとハーブビネガー(エストラゴンやタイム、セージなどが漬けてあるもの)を半々で使用。蜂蜜はタイムの花のものを用いました。

丁度自宅には普通の蜂蜜がなく、フランス産の花々ごとのものしかないという状況。それを徐々に添加して実作しててみると、蜂蜜の個性がいい感じに主張してきていたので、ハーブ・スパイスの直接添加をやめて、間接で香りを加えることにしてみました。


肉加工品(シャルキュトリー)につけるのはもちろん、ドレッシングやローストチキンなどにも、普通のマスタードにない味わいでぴったり。しかも辛みは、ポット入りの高級マイユみたいにピリッと効いてきて、(買い置きあるのに)もう普通のマスタードには戻れません。

この夏、前エントリのムハラビーエ+グラノーラと並んで大きな発見でした。

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