2008/11/22

たこのフリカッセ、魚のクールブイヨン

島での食べ物でも、魚や海の幸系のごはんを振り返ります。

さて、このエントリのタイトルのお料理ってどういうものを想像しましたでしょうか。

フリカッセっていえば、普通のイメージはこんなかんじ。

fricassé
原則的には家禽や仔牛肉などの白身の肉を、小麦粉や生クリームを使って白く仕上げる料理法であるが、今日では野菜や魚、甲殻類にまでも使われている。また必ずしもソースを白く仕上げるという方法を取っているわけでもなく、時代とともに、あるいは料理人の考え方ととともに、非常にさまざまな解釈の仕方のある技法である。しかし、基本的には、煮込みながらソースを白く仕上げる料理と解釈したい。

フランス料理情報サービスより


クールブイヨンっていえば、こんなかんじでは?

court-bouillon
香味野菜、白ワイン(あるいはレモン、ワインヴィネガー)、水を合わせて煮出した香りのよいゆで汁。甲殻類や魚を下処理するために使われるが、最近では下処理をしながらそのまま煮詰め、ソースやスープとして仕上げることが多く見られる。

おなじくフランス料理情報サービスより


果たして、マルティニークの首都、フォールドフランス(fort de france)のクレオール料理レストランで、たこのフリカッセっていって出てきたのは、

たこのフリカッセ
こってり濃厚な感じの赤ワイン煮。

意味合い的には、日本語ウィキのフリカッセって項目の中にある、ボリビア料理の「フリカセ」に近いものがあるかも。別のスナックの今日のお料理(plat du jour)であった山羊のフリカッセは、まさにフリカセ風の煮込みを、ご飯にたっぷりとかけたものだったし。

でも、そこはカリブ海。アボカドと、揚げバナナが添えられていて、ご飯と、アボカドとサラダと一緒に食べると、赤ワイン煮とはいえ、結構すっきりと食べられます。

これまでのアクラプレートとかもそうだけど、アボカド一切れ乗せや、サラダとのしゃっきり取り合わせなんかの工夫をすれば、夏のランチの楽しみの幅がいろいろ広がってきそうですね。

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もひとつ。

魚のクールブイヨン
これが、グアドループで滞在したゴシエ(gosier)のレストランの魚のクールブイヨン。

って、要は煮込み。サフラネ=サフラン風の色づけして、いろいろスパイス使ってあるからずいぶんと予想していた雰囲気とは違う。でも、使っている魚は磯の魚のブダイ。こんな色のスープ、っていえば普通にスープドポワソンとかブイヤベースに通じてくるから、普通においしい。というより、プリプリの身の歯ごたえもあって、とても島らしい味わいがたのしめる。

付け合わせのご飯は、ほうれん草を一緒に炊き込んだもの。

アイヨリみたいなソース
ブイヤベースといえば、アイヨリだけれど、そういえばこのレストランでもアイオリ風のソースがでてきました。色も黄色くで、パンとかにたっぷりつけて、煮汁に浸してみたい気分になるのだけど、実際は結構辛い!

このお食事。

バナナフランベ
デザートはバナナフランベで締め。当然、焼いたバナナには、地元のラムをたっぷりとかけて、火をつけます。

2008/11/18

鶏肉のコロンボ

念願のマルティニークに行ったのですもの。当然買ってきました。コロンボスパイス。

それで、市場のおばちゃんに教えてもらったレシピなどを思い出しながら、ちょこちょこコロンボをつくっています。何回かためして、少しずつ、味もまとまりはじめています。

そういえば、そろそろアンコウが店先に並び始める季節。いっちょ、あのエイのコロンボに負けないような、お魚のコロンボにもチャレンジしてみようかしら。


さて、最近つくっているコロンボ。

基本的に使うのは鶏肉。普通に若鶏の、ロースト用の骨付きもも肉を、お肉屋さんで3つに切ってもらいます。鍋用や、唐揚げ用の骨付きでもいいけど、食べ応え的にも、盛りつけ時の見栄え的にも、個人的にはもう少し大きめの、この大きさが気分。

だいたい、一人前でお野菜たっぷりなら2切れ、肉メインなら3切れ見当。

お野菜は、たまねぎ、にんじん、なす、ズッキーニ、じゃがいも、それにセロリも入れたいところ。切り方は、普通の家庭のカレーサイズで作れば、30分くらいの煮込みで、ほどよく素材の味が生きる煮え加減になるかと思います。

鶏肉のコロンボ

◎レシピ
材料は鶏足2本、たまねぎ1-2個、にんじん、セロリ1本、じゃがいも小2個、なす・ズッキーニ1-2本くらいを想定
  1. 鍋に油を熱し、にんにくと香味系野菜を炒める。次に具材系の野菜も炒める
  2. 1に鶏肉も加えて炒める
  3. そこにコロンボの粉をスープスプーン2杯ほど加える。唐辛子の粉も好みの辛さで加える(個人的には辛め)。ボアダンド(bois d'inde=オールスパイス)の葉も1、2枚加え、ひたひたの水または出汁、トマトペースト(水煮やピュレでも可)を加えて30分程度煮込む
  4. 塩や好みのスパイスで味を調える
  5. ご飯に添えて盛りつける。好みでオリーブ油などの油をかけたり、レモンやライムの汁を搾ったりする

さて、ここに出てくる、ボアダンドの葉。


市場のスパイス屋さんで、コロンボの作り方を教えてもらった時に、説明の中に出てきたスパイス。ネットでいろいろ調べると、どうやらカリブのあの辺りの地域では、オールスパイスのことを指す言葉らしい。

とはいえ、実とは違い、またローリエとも違って、わりとすっきりした風味。上記レシピの使用では、表に出ると言うよりはシャんと鉄筋のような芯を一本通すようなかんじかしら。

丸いズッキーニでマハシー

丸ズッキーニのマハシ
この時期なのに、ズッキーニが比較的安い値段で、それもたくさん手に入りました。

行商じゃないけれど、事業所などを訪ねて野菜を売り歩いている生産者のお兄さんの商品の中で発見。それも、普通のズッキーニだけでなく、丸いやつも。

このお野菜をみれば、ほじくり倒したくなる血が騒ぎ出す悲しい性。

あとはお茄子を買ってきて、早速マハシー(mahshi)に。あとはコロンボにも加えてみました。

さて、この丸いの。
普通のに比べて色も薄いし、形も違う。完全にほじり倒すと、中のお米の量がかなり多くなりそうなので、身は気持ち厚めに残して。

割ってみると、小さめのカボチャの詰め物みたいなかんじで、なかなかいい感じの見かけです。それに、お皿にのせたときの格好もよろしくって。

(普通のズッキーニもそうだったけれど)ちょっと時期はずれなためか、皮がやわらかく、身の味も薄めだったけれど、またみかけたら使ってみたい素材です。

2008/11/04

Rhum::モンテベロ(montebello)編

モンテベロ蒸留所
グアドループ島にはいくつかの蒸留所がありますが、一日だけの見学デイで、モンテベロ(montebello)と先に登場のロングトーグッズと壁絵は紹介済みのダモアゾーの3カ所を訪ねました。ほかに、ドメーヌ・ド・セブラン(行ったけれど見学できず)や、ミュゼドラム(ラム博物館)を設けるレイモナンク(発音はこれでオッケイ?、reimonenq。ここも蒸留施設は見学できず)の蔵、マドラスなどがあるようです。

ムーランのロータリー
さて、モンテベロは地図を北にして蝶蝶の羽の右側(basse terre)の右下。二つの島のつなぎ目から幹線国道を南下し、ロータリーの中に古いムーランがある交差点を島の内陸側に入るとすぐです。

こじんまりとした、風土感ある小規模系な蔵の風情。基本的に好きなタイプです。

敷地がやや傾斜地にあり、駐車場や事務所、酒蔵があるところより、蒸留施設は一段低くなっていて、見学に入ると蔵の心臓部に“潜り込んでいく”ようで、気分は必然的に高まります。

施設は比較的使い込まれているようで、ステンレスの中くらいのカラムが2本。その間にには、銅製の何か(コンデンサ?ワインを温める機械か?)もあります。

訪問時は施設の点検整備中でしたが、作業中のおっちゃんの一人が案内してくれました。

モンテベロの発酵槽
彼によるとさとうきびのジュースを、7個ある発酵槽(cuve)で2日かけて6%のワインにするとのこと。

モンテベロのカラム
そして、カラムでは80%のラムを蒸留。元のワイン、できあがりのラムともなかなかのアルコール度数の高さ。かなりガツン系な味わいなのかも、って期待も高まりますが、販売所でボトルの香りを試してみると、ブラン、ビューともそんなに強烈な印象はなかったかも(飲んでいないのでなんともいえないが…)。

ところでこの蔵。見学時には、ちょこちょこ蔵のディテイルが気になりました。

蒸留用の計器
まず、カラムの横にある計器。左から下部、中部、上部とコンデンサー(気体のラムを液体にする部分)の温度が表示するものです。あたり前な計器だけれど、稼働していな施設では、こんなディテイルが蔵の臨場感を感じさせてくれていいものです。

チョークで書かれた説明
銅製の機器や、黒板にはこんな感じに、チョークで手書きされた説明も。カラムでのラムの蒸留や、蒸留したものが液体のラムとなる課程の説明のように思えますが、これもまた、しっかりと見学用の説明がある蔵にはない味わいです。

あと、もうひとつ。

condomの文字があるプレート
結構こころ踊ったのが、機器についていたプレートです。

そこには「condom」の文字。懐かしい地名です。

ソムリエ系の知識のある人だとピンとくるものがあるのではないかと。そう、ジャノーなんかの蔵があるアルマニャックの小さな村の名前です。学生のころ、フランスのお酒ゆかりの地を巡った時に最初に訪れたのがこの町だし、その旅のときの記憶が、今回の旅でもずいぶんと役に立っています。

まあ、そんな感傷はさておくにしても、

ここの蒸留の機械は、アルマニャック地方の産なのでしょうか?

そういえば、マルティニークやグアドループのラムが本国に送られるときは、アルマニャックにも、コニャックにもほど近いボルドーから荷揚げされるという印象が強いものですし(ネグリタがあるからだとはおもう)、パリなどに比べれば、この島から意外に近く感じることもできるような気がします。

フランス領のラムが、こんなに高貴で芳醇な喜びをもたらしてくれる、そのルーツをこのプレートにみたような気がします。

Rhum::ラムの蔵オリジナルのグラスたち

ラムの蔵のグラス
ラムの各メイカーはオリジナルのグラスを作っており、多くの蔵で購入することができます。そうして購入したり、おねがいしてもらったりしたグラスたちをご紹介します。

ネイソンのグラス
いちばんのお気に入りがこれ。ブランが大人気なネイソンの(たぶん)ティ・ポンシュ(ti-punch)用グラスです。

見学できる酒蔵で使われていた、ガラス製の樽の栓にも通じる瀟洒なたたずまい。オールドファッショングラスのような、比較的大きめな格好で、厚めの底の中央には、小さな気泡が一つ入っているところがアクセント。とはいえ、グラス自体は薄めのつくりで、口へのあたりも繊細で、この蔵のブランの味わいに通じるものが十分にあります。

旅先では、ずいぶんティ・ポンシュを飲んだけれど、帰国後は砂糖抜きで、ライムやレモンを搾ったブランのロックを飲むときに重宝しています。

トロワリビエールのグラス
マルティニークでは、サン・ルースでずいぶん酔っぱらったせいか、いちばんなじみ深いのは、当地の地酒、トロワ・リビエールのティ・ポンシュグラスです。

これに、ドボドボってブランを入れて、砂糖とライムを入れて。旅の気分を引きずって、気軽な気分で使えるグラスです。

モニーグラス表
おなじように、普通のコップ型はモニーのもので、ティ・ポンシュ初ゴチのときに使ったのがこれ。

モニーグラス裏
裏には、シロップとラムを注ぐ線がついており、この分量でつくったティ・ポンシュは、アルコール度数のわりには、美味しくいただけます。

ちなみに、グラスに書いてあるアルコール度数。トロワリビエールは50度で、モニーは55度。香りなどもトロワリビエールはすっきりとしているのですが、こんな基本の基本の部分でも、両者の個性ってちがってきているんですね。

この形のグラスは、中華食堂のビールグラスや、屋台のコップ酒みたいな、気持ちのいいざっけなさがいい気分です。

モニーのプランターグラス
モニーで、もうひとつ。こちらはプランター用のグラス。コリンズグラス風で、底は厚めで安定します。普段でも、グアバジュースをストックしておけば、お手軽に使うことができますし、容量も日本人にとっても手頃な食前酒サイズです。

セントジェームスのプランターグラス
プランターといえば、これはサンルースのバーででてきた、セントジェームスのプランターグラス。フランスのお気軽レストランでおなじみな、こんなワイングラスとゴブレットの両方を兼ねた、カラフのワインや水をガブガブ飲むようなイメージの形です。

このバーでのプランターの作り方は、パイユラム(だいたい18カ月ほど熟成で、ゴールドラムのようなもの)熟成にトロピカルジュースとグレナデンシロップ、氷をいれてシェーカー。そして、氷も一緒にグラスにドボドボと注いでいました。

ビエルのグラス
マリーガラント島のホテルでいただいたのは、島で人気のビエルのグラス。ちいさめのオールドファッショングラス風で、カッとあおってティ・ポンシュの杯を重ねたくなる気分です。

ロングト-のグラス
ロングトーのグラスも同じようなかんじ。裏にはティ・ポンシュ用目盛り入り。
この蔵。ボトルも、輸出使用のカクケラに比べてロングトーはなんか野暮ったい感じなんですが、まあ島内用って考えれば、それも味なのかも、っておもえてきます。

さとうきび畑の中に埋もれているような、あの蔵を訪ねたあとでは猶更に。

ダモワゾーのグラス
最後は、グッズ番長なダモワゾー。グラスもいろんな種類があったのですが、樽を運ぶ人たちのマークが描かれたものを、ショットグラスとティ・ポンシュグラスと購入。

バカルディのラムコークピッチャー
番外編として、プエルトリコのバカルディ本社工場で入手したのが、バカルディ&コーク用のピッチャーです。

何年か前に台北を旅行したとき、現地の人気クラブLUXYで、ボックスで遊んでいた連中が一様に飲んでいたのがピッチャー入りのコークハイ。

コークハイをガブガブ飲むのは、学生のころ、大和あたりのアメリカ兵飲み屋で、ジャックダニエル+安コーラ(コカコーラではない)で、ひどい酔い方をして、若干こりごり気味なのですが、それでも台北では、なんか惹かれるものがあったのも事実。

バカルディのモヒートセット
売店ではほかに、グラスやピッチャー、ミント潰すやつなどが入ったモヒート用のセットも打っていたんですが、クバリブレ(キューバリバー)のオリジナルに敬意を表しつつ、モヒートならハバナクラブ使えや、ってことでスルーしました。

モノはなかなかに格好よいものだったんですけれどね。

2008/10/22

Rhum::シモン(simon)編

シモンの蒸留所マルティニークを訪れるまで、わりとよく飲んだ銘柄といえばクレマン(clement)とJバリー(J.Bally)。その原酒を蒸留しているのが、シモン(simon)蒸留所です。

大西洋岸、アビタシオン・クレマン近くのフランソワ(francois)という町から、ヴォークラン(vauclin)という町に向かって海沿いに南下した場所です。

ちなみにこのヴォークランは、海沿いに漁師さんの小屋が建ち並んでいて漁港情緒が強く感じられる上、高台の教会もなかなかに格好がよいです。

蒸留所を訪れたのは、土曜の午後。閉鎖中ですが、蒸留施設のだいたいの様子はみせてもらうことができました。

シモンのカラムを覗く
とはいえ、カラムのある部分は閉鎖され、隙間から覗くていど。

シモンのムーラン1
蒸留施設の外壁やムーランなど、この蔵の色は明るめの緑。日本でも比較的メジャーな二つの銘柄のラムを担っているだけあって、かなり大きい施設です。

シモンのムーラン2
シモンのタンク
(たぶん)ラムのタンクも

シモンの蒸気発生器
蒸気を発生する装置も。

ずらりとタンクローリー
それよりも印象的だったのが、でっかいタンクローリーやトラックが並んでいたこと。なるほど、これでできあがったラムを運搬するんですね、たぶん。。

蒸留施設の裏側にまわると、酒蔵がありました。

シモンの酒蔵
あれ?たしか、日本語のラムに関するサイトでは自社銘柄は発売していないってあった筈なのに。でも、樽にはいったラムが熟成されていました。近くのバナナ選果場(多くの施設では、さとうきび=ラムだけでなく、バナナも栽培していたりするらしい)で、洗車していたおにいちゃんに聞くと、シモンも自社で「アイヨット」っていう銘柄を発売しているそうなんです。

2008/10/12

Rhum::アルディ(hardy)跡

蒸留所跡にいたとかげ大西洋側中部のトリニテ(trinite)という町から、東に突き出た半島にタルタヌ(tartane)という村があります。デパズの時にでてきたシャトー・デュブックの遺跡がある半島です。ヴァカンスでやってきた人が滞在するような「ツーリストの村」です。

そこに、マルティニークの観光マップでは蒸留所の印が打ってあります。それがアルディです。海岸沿いの道を走ると看板も出ていますが、かなり昔から蒸留はしていないそうです。

蒸留所の遺構
通りに面した建物はお土産屋さん、蒸留施設跡の奥にある建物からは、なにやら香ばしい匂いがすると思ったら、今はパン屋さんになってました。

アルディ名のラムは製造され、村の入口のガソリンスタンド兼よろず屋では、同社のラムも販売していましたが、パン屋のおじさんによれば、蒸留も熟成・瓶詰めも別の土地でしていて、今はここではなんにもしていないそう。

今はパン屋さん
でも、せっかくなので遺構を見学してみました。

錆びた発酵槽
発酵槽は完全に錆さび。

残されたムーラン
でも、かなり昔に蒸留を止めたといっていたわりには、わりにきれいなムーラン。

2008/10/10

Rhum::セントジェームスのミュゼ

セントジェームスの広告
僕が初めて飲んだマルティニークのラムは、セントジェームス(saint james)のビューラムでした。京都の酒屋さんで購入しました。なんか変わった味やなあ、と思いましたが、これがイカした味なんだと思い込んで飲み続け、結果、蔵めぐりをするほどのお気に入りになりました。

その出会いは、まだ未成年のころ読んだヘミングウェイ「移動祝祭日」という本の、最初の文章でのワンシーン。パリのカフェで、書き物をしながらグラスを重ねている情景に出くわし、パリとラムっていう組み合わせに、不思議なトキメキを覚えたものです。

そんなセントジェームスは、なかなかの老舗大手だけあって博物館を構えており、ロンプラ(英語版・カリブ海の島々)の地図にも載っています。

が、蒸留設備の見学はできませんでした。

古い道具
そのミュゼは二階建てで、ラム製造の歴史と仕組みを、昔使われていた設備や道具などで紹介しています。
古いカラム
銅製のカラムの部品などおなじみの展示物に加え、動物を使ってさとうきびを絞るムーランや、

動物で動かすムーラン
古い瓶詰めに使用するとみられる機械などは、なかなか興味深くみることができました。

瓶詰めの機械?
ただ、肝心の蒸留施設が見学できず欲求不満な中、いちばん満足度が高かったのが往年の時代のボトルも多く並んでいること。世界で最初にスクエアボトルを採用したとも聞くこの蔵ですが、かなり古そうな(ひょっとしてペレ山の噴火を経たもの?)ボトルも同じ形をしているのを見ると、ヘミングウェイの時代も思い起こされるようで感慨もひとしおです。

古いボトル
さて、結局見学できなかった蒸留設備はかなりでかめ。

遠目にみる蒸留所
ハイシーズンには、昔さとうきびを運ぶのに使った線路をつかったプランテーション列車(トロッコ列車みたいなかんじで)のようなものも走らせているようです。

2008/10/05

茹でたてのブーダン(boudin)

アクラ(accras)と並び、クレオール(アンティーユ)料理の名物に数えられる血のソーセージ・ブーダン(boudin)。アンティーユの前菜盛りでは、アクラの下にブーダンが埋もれています。

前菜盛りのブーダン
ブーダン(・ノワール)といえば、フランスのお料理の中でも定番で(むかし在日フランス人学校の学校祭に出かけた時、学食で食べたくらい!)、個人的にも特にお気に入りの一品。りんごの焼いたのを一緒に添えて、パンとワインと一緒にいただけば、そのたっぷり濃厚なお味に、一本で満足してしまいます。

でも、アンティーユ風のブーダンは、そんな従前からの印象を覆してしまうような軽い味わい。血のソーセージといえば、韓国のお米の入ったやつも好きなんですが、それよりも軽いかんじ。

当地では、メニューの中でもアントレのコーナーにのっているし、大きさも親指くらいの長さ。食べたかんじも、脂の味や香辛料の風味もそんなに強くなく、すっきりと舌の上を通りすぎていきます。盛り合わせなどで、サラダが添えられていると猶更に。

そんなブーダン。

マルティニーク南部のリビエール・ピロット(riviere pilote)という町のマルシェに立ち寄った際、何人か、ブーダンをその場で作って、ゆでで、売っている人を発見。

豚腸に血を詰める
でっかい鍋に入ったブーダンの中身を、その場で豚腸に詰め、茹でています。テーブルの上には、でっかいボールに茹でたての温かいブーダンもてんこ盛り。

茹でたてのブーダン
その中の一人のおばさんに「写真をとっていい?」と聞くと、快諾してくれ、しかもナイフを手渡してくれて、ほかほかのブーダンも試食させてくれました。

これが朝の9時ごろのことなんですが、さすがに茹でたて。ラムでもそうだし、ほかのお料理でもそうだけど、できたてのものに共通する独特の軽やかさが感じられ、焼いていないからレストランなどでいただくよりも、さらにすっきりした味わい。

パリのお総菜やさんとかでも、ブーダン・ノワール売ってそうだけど(ていうか、昔旅行の時買ったことあったかも)、こんなに爽やか気分でブーダン食べる経験って、なかなかできないですよね。

2008/10/04

Rhum::アビタシオン・サンテティエンヌ編

あえてこの蔵のエントリ・タイトルにはアビタシオン(habitation)とつけました。なぜかというと、商品についている新しいロゴがHSE(habitation sant-etienne)の頭文字を取ってデザインされているから。

サンテティエンヌの箱1
ほかには、クレマンなども施設名にアビタシオンとついています。PCにデータを入れているクラウン仏和辞典を引くと「住居、居住」などという意味が出ていますが、意味合いとしては「(プランテーションの)農園」が近いのではないかと。

さて、この蔵。場所は、大西洋岸のトリニテ(la trinite)から、サンジョセフ(saint joseph)を目指し、グロ・モルヌ(gros morne)を過ぎてしばらく走ったあたり。田舎の町と町をつなぐ道沿いですが、そこはそこ、「アビタシオン」なので、敷地に入ると、いかにも「農園」といった雰囲気の空気が漂い始めます。

私的な建物?
ちいさな規模の蔵ですが、蒸留所関係者の私的な施設とおもわれる建物が花に包まれている様子とか、ちょうど見学中に見舞われた通り雨とか、その通り雨に曇るすこし離れたところの椰子の木とか。農園や蒸留所プラスαの部分にも、プランテーション感はみちみちています。

ここもクレマンなどと同様、蒸留はしていません。1984年に蒸留施設は閉鎖され、ほかの蒸留所から買っているとのこと。敷地内には、ラムを熟成する酒蔵やボトル詰めの施設、そしてかつて使われていた蒸留施設の跡形もみることができます。

サンテティエンヌの酒蔵
蒸留はしていない蔵の場合、足はまず酒蔵へと向かいます。酒蔵の建物は、白壁または石積みの壁に、赤茶けた色の扉と、煉瓦ともマッチする落ち着いた風合いです。

サンテティエンヌの酒蔵内部
貯蔵している蔵は閉まっていましたが、ボトリング前とみられる蔵が開いていました。見学コースのととのっている蔵にはない、ヅカヅカと踏み込む(でも、ちゃんと会社の人に、みていいですか?って聞いていますよ)この瞬間の心のウキウキ感。

ガラス管のラム
そこで、ラムの香りと揮発したアルコールで育ったシャンピニョン(黴)の黒、そしてガラスの管に覗くこの色。言うことはありません。

使用している樽は、たしかバーボン樽と言っていたような…。というのも、蔵をみていたところで、突然の雨。メモした文字が濡れてしまったのです。でも、買ってきたvsopの味わいは、たしかにそうかも、って思えるスジの通った味わいです。

旧蒸留施設の外観
今は使われていない蒸留施設も、外壁などは酒蔵と同じトーンの風情。

古いムーラン
屋根などはなくなっているけど、ムーランなども扉と同じ煉瓦色。内陸部にありながら、空の開けた立地と相まった農園の風情ともども、かつて蒸留されていたラムはどんな味わいだったのだろうかと想像を駆り立てられます。

ボトル詰め施設
訪問時、ボトリング施設は稼働中。ブランのラムが入っているのかとおもわれるタンクとあわせ、新しくきれいな施設なのですが、その片隅で目を引いてやまなかったのが、冒頭の写真の段ボール箱。そう、ここはHSEのロゴが印刷されたニューデザインの箱やボトルが、矢鱈にかっこいいのです。

vsopの箱
vsopを一本購入したのも、味もさることながら(基本的にバーボン樽系は好み)、この外箱やボトルに惹かれた部分も、かなり大きかったりして。