2009/10/20

四角豆(うりずん)をはじめて調理した

例によっての、お野菜シリーズ。

こんどは四角豆です。例によって、ファーマーズマーケットにあったので購入しました。非常にくせがなく、茹でて食べるだけで普通においしいので、そんなに工夫もなく、見た目たのしく、美味しいお料理ができるので助かります。


今回は2品。さやいんげん用のレシピを応用したサラダと、手堅い炒め物で。

◎レシピ

マヨネーズ・クリーム和えのサラダ


  1. ソースをつくる。マヨネーズと生クリームを2:1で合わせ、レモン汁、ごく少量の紫玉葱のみじん切り、パセリのみじん切り、塩、胡椒を合わせる
  2. 塩ゆでした四角豆を食べやすい大きさに切り、1のソースで和える

眼目はクリームのきれいな白と豆の緑のコントラスト。

マヨネーズをつけて食べるだけでもおいしいけど、ほんの一手間だけで、お料理としての華やぎが一気に高まります。生クリームだけでつくってもおいしいけど、そこは慣れ親しんだマヨネーズの味をベースにした方が、万人受けはするとはおもう。

豚肉と四角豆の炒め物


  1. 豚肉を食べやすい大きさのそぎ切りにし、醤油、酒(紹興酒)、砂糖、重曹で下味をつけ、油、片栗粉をまぶして下ゆで(油通しでも可)
  2. 中華鍋を熱し、油で香味野菜の香りを立てた後、玉葱、人参(それぞれ細切り)を加え、3-4振り、その後、茹でた四角豆、肉を入れ、5-6振り。最後に赤ピーマンを入れ2-3振り。
  3. だしつゆ、または醤油・酒・オイスターソース・スープなどの合わせ調味料を鍋肌から加え、香り付けにごま油を振る

もう、そのまんま。普通の料理を、普通につくるだけで、ふつうに美味い。
逆にいえば、バリエーションも簡単につけられそうで、非常に楽しい食材です。

2009/10/19

羊とキャベツのタジン

最近は、ホームセンターでも売ってるおなじみのタジンですが、このお鍋を使ってずっとつくりたいと思いながら、つくる機会を逸したままになっていたお料理があります。そのお料理を知ってから、もう1年以上経ちます。

それは、2008年春スタートのNHKテレビアラビア語会話の文化コーナー(第6課なので11月6日ころ、放送される筈です)で、モロッコ人の女性シェフが紹介していた一品。

羊とキャベツのタジン、です。

羊とキャベツのタジン
タジンといえば、わりと茶色っぽい色目のお料理のイメージがあったのですが、これの場合、キャベツのうす緑がベースで、ピーマンの赤、レモンの黄があいまって、なんとも軽やかで、マグレブ地方にある家の中庭で食べたくなる雰囲気です。

◎レシピ
今回の材料(羊500gで直径20cmくらいのタジンで調理の場合)

キャベツ1/2(小)-1/4(大)、玉ねぎ中1個、にんにく3かけ、パセリ1房、レモン1個、赤ピーマン適量
バター50g、オリーブ油3-50g、水(お湯)3-400cc
コリアンダー(葉、実)、黒胡椒、塩各適量

  1. にんにく(軽くつぶす)、パセリ(みじん切り)、コリアンダー、しょうが、黒胡椒、サフラン、溶かしバター、オリーブ油を合わせてソースをつくる
  2. ソースに羊肉をなじませ、鍋に入れる。その上に、粗めの千切りにしたキャベツと玉葱をたっぷりのせる
  3. 残ったソースに水を加え、2にかける。その上に、1/4に切ったレモン、細切りの赤ピーマンをのせる
  4. 弱火で2時間半煮込む

タジン料理の例に違わず、火にかけてしまえばとても簡単。焦げないように気を配りながら、弱火でコトコト煮込んでいくだけです(とはいえ、すこし火加減を間違えると焦がすし、油断してると吹きこぼれて油濃度の高い煮汁が吹きこぼれて大変なことにもなるので、普通の室内調理だったら、時折、様子をみがてら蒸気を逃がすことも必要かも)。

広島風お好み焼き並にてんこ盛りのキャベツも、ぺったりクタクタの優しい食感。肉は、煮込んだおかげで、脂身や筋の部分のコラーゲンがトロトロになって、キャベツと一緒に食べるとサイコーです。

タジン調理前
レモンは、絞ったりせずにそのまま乗せるのですが、全体に風味が行き渡ります。実は、バターとオリーブ油がたっぷり使ってあって、極めて濃厚な味になる要素は多いのですが、たっぷりキャベツと、このレモンの効果で、意外にさっぱりと食が進みます。なお、テレビでシェフが使っていたレモンは、皮の色つやの具合からして、塩漬けにしたコンフィだとおもわれます。

(ただ、それなりには胃にこたえる。油は、も少し減らしてもいいかも)

でかい鍋を引っ張り出してくるのが面倒くさくて、以前のお弁当のときから、ずいぶんとごぶさただったタジンだけど、このブームにあやかって、手持ちの本(cuisine pied noirとか)のレシピをいろいろ試してみようかと思っています。

ちなみに、愛用のル・クルーゼのタジンですが、最近再発売されたものは前のよりずいぶん鍋が深めですね。

2009/10/15

プエルトリコチックに豆かけご飯

せっかく、イタリア風なソフリットをつくったので、それを使って豆を煮込んでみました。


当然、路線はプエルトリコ風なイメージを思いうかべつつ。プエルトリコ飯の定番で、ご飯と味噌汁みたいなもんだという、アロス・コン・アビチュエラ(Arroz con Habituera、米と豆)チックな雰囲気を目指します。

豆は、ずっと前にお友達からもらったままになっている金時豆(レッドキドニービーンズ)の缶詰があったので、それを利用。ソフリトにトマトと、スパイス少々を足して、相当手抜きをしつつ、お手軽に煮込んでみました。


◎レシピ
  1. 小さく切ったベーコンを炒める(今回はソフリットを作った後のフライパンをを利用)
  2. 缶詰の豆、ソフリット、パプリカ、トマトペースト、固形ブイヨン、スパイス(きょうは胡椒とオールスパイス。月桂樹の葉は入れ忘れた)を加えて煮込む。
  3. 2-30分煮込み、煮汁に程よいとろみが付いたら、軽く天辺を凹ませたご飯の上に豆と煮汁をぶっかける

去年プエルトリコで食べたのとは、かなり違うけど、豆と米が一緒くたになって口に入ってくる感覚はやっぱり気持ちよく、美味しい。そういえば、マルティニークの漁港そばの屋台食べた、金時豆と魚フライのぶっかけ飯も楽しかったっけ。

個人的に、甘い煮豆でご飯を食べるのは苦手なんだけれど、トマト味ならオッケイなのが不思議なところ。そういえば、南瓜の炊いたのも、和風の煮物はおやつとして食べるには大好きだけどけど、おかずには苦手。それが、クスクスのラグーに入ると、ぜんぜんお食事的にオッケイな味に感じるから、それと同じような感覚なのかもしれません。

ソフリト(sofrito)、みたいなのをつくる

きょうの、きょうの料理プラスの講師は、大阪・ポンテベッキオの山根大助氏だったみたいです。ってのは、実際に放送をみてはいないのですが、どんなお料理かと思って番組のサイトをみてみると、ミートソースづくりの中で、ソフリット(Soffritto)というものをこしらえていました。

要は、香味野菜を炒めたもの。なのですが、そのラテン飯おなじみの名前に、すっかりごぶさたなプエルトリコ飯の記憶が蘇ってきました。ソフリトといえば、プエルトリコ飯では、お醤油みたいなものだっていうものね。

丁度、使う機会がなかった煮込み向きなセロリもあることだし、とりあえず、番組で出てきたイタリア風なソフリットを作ってみることに。

祖フリット
セロリとにんじん1に対して、たまねぎ2を、にんにく少々と一緒にオリーブオイルでじっくり炒め、その大半は冷凍しました。

プエルトリコ風なソフリトは、トマトやピーマンやコリアンダーの葉など、もう少しいろんな材料が入るみたいですが、それはそれで、調理時に調整して味を足すことにしてみようと思います。

まあ、トマトはペーストを入れればいいし、ピーマンもとりあえずパプリカでごまかすとかして。

イタリア料理からのひょんなきっかけですが、ちょこっと、ラテンアメリカ飯への関心が高まってきた今日このごろです。

2009/09/30

夜のオオカミの桃(Pertsovka2)

例の唐辛子ウオッカの途中経過報告です。

すこしばかり試飲してみました。ブラディメアリにして。トマトジュースは普通にカゴメの有塩タイプで。

ブラディメアリ
ほどよい辛さがしみ出していて、夕方にも夜にも、それなりに美味しく気分を盛り上げてくれるんだけど…

フィンランディア(常温)、ストリチナヤ(冷凍)とも、様子見で唐辛子は1本しか入れてないんですが、今の段階では唐辛子の辛みがちょいと足りない。っていうか、胡椒の味に負けてる?

唐辛子ウオッカ
たしか、例のおなじみのペルツオフカは唐辛子ではなくて胡椒で辛みを出している、って話をどっかで聴いたことがあるから、胡椒を気持ちしっかり目に入れてみたんだけれど、それが今のところ(当初予想とは)微妙にバランスが違う状況を招いているみたいです。

でも、自家製ならば、やっぱり唐辛子がピリピリしていた方が楽しさは増すだろうと思うので、各ボトルとも、唐辛子1本とパプリカ1切を追加してみました。

また、しばらくお預けになるけど、味と香りがどんな風に変わるかとても楽しみです。

ちなみに、このエントリのタイトル。

高級トマトジュースといえばのオオカミの桃、ですが、どうも飲むシチュエーションがけっこうな夜が多いため、

中年や遠くみのれる夜の桃 三鬼

が、元ネタです。ドラマでもおなじみ。

俺流にタルタルソース(tartar sauce)

基本的に、冷凍食品はあんまり使わないし、市販のお総菜なんかでも、冷食を揚げただけのコロッケなどのフライ類はそんなに好きではないのですが、例外があります。

それは、ほか弁ののり弁についてくる白身魚フライ。あれにお醤油をかけて食べるのが、なんともジャンキーながら、生活感に充ち満ちた和風な味わいが大のお気に入り。お総菜売り場でも時折、手が伸びてしまいます。

それを家庭で食べる時、もちろんお醤油も使うのですが、それと同時によく用いるのが、手づくりのタルタルソースです。

俺流タルタルソース
ゆで卵は使わず、ピクルスをたっぷり。レモン汁も効かせて、酸味は濃厚に。さらに、とっておきのあの材料もしっかり効かせて、市販品や洋食屋さんの味とは違う味に仕立てます。

◎レシピ

*材料(今回の分量、たっぷり2人前)

タルタル材料
  • きゅうりのピクルス小4-5本
  • 紫玉葱1/4個
  • 唐辛子のピクルス中1個
  • パセリ適量
  • マヨネーズ大さじ2
  • レモン汁大さじ1-2
  • EXバージンオリーブ油大さじ1
  • 塩、胡椒、お好みのスパイス

  1.ピクルス、玉葱、パセリをごく細かいみじん切り(だいたいの分量の目安はこんなかんじ)

タルタル材料刻み
  2.マヨネーズ、レモン汁、オリーブ油をよく混ぜ合わせ、1を加える
  3.最後にパセリを混ぜ、必要に応じて塩、胡椒などで味を調える

タルタル調理完了
唐辛子のピクルスは、そのまま囓ると、滅茶苦茶辛いのですが、このソースに加えたならば、やや辛めが過ぎたかも、っていう、辛い物好きには程よい加減で効いてきます。

このソース。何がよいって、洋食風のご飯だけでなく、ピクルスとレモン汁の勢いで、レバニーズの食卓ともよくなじみます。ホンモスタブレといったおなじみのメゼ(前菜)から、いつものお総菜をレバニーズの流れにつなげてくれる、頼りがいのある味方です。

買ってきた市販のフライを、軽く揚げ直す時、ついでにフブスもパリパリに揚げて添えると、レバノン風なフライドフィッシュの食卓みたいで、気分も華やぎますね。

2009/09/29

ひさしぶりに、普通のババガヌジ(Moutabbal)

もうずっと、ババガヌジ(ムッタバル)を、きちんとつくってませんでした。

ていうのも、マハシーのときにほぢくり出した茄子やズッキーニの中身を流用して作ることがほとんど。焼き茄子にしたものも、(レバニーズに振る時は)普通にサラダにして食べちゃったりして、すっかりごぶさたしてました。

でも先日、例によってファーマーズマーケットにお出かけした際、外来種な茄子を出している生産者の方がいました。そのラベルには「クリーミーな味」と。

外来種の茄子
お茄子+クリーミーという響きが、久しぶりにババガヌってみたい気分を誘ったので、このまあるい奴をオーブンに入れてみました。

◎レシピ
  1. 茄子が柔らかくなるまでオーブンで焼く
  2. 皮を剥き、フードプロセッサーでペースト状にする
  3. オリーブ油、ごまペースト(あればタヒニ、ねりごまで可)とにんにく(生でもおろしでも。いつもは乾燥粉を使用)を好みの量加え、さらにフードプロセッサーを回す
  4. レモン汁を加え、好みの酸味と堅さに調整しながら、さらに回して仕上げる
  5. 平たい鉢の内側に塗りつけるようにして盛りつける。真ん中のくぼみにはオリーブ油をたらす
  6. パン(フブスがあればベスト。フラワートルティーヤやピタなどで代用可。もちろん普通のパンでもオッケイ)でディップの様にすくって食べる

余っていたパセリとミニトマトでタブレもつくって、休日のサラダ系の軽いブランチと相成りました。

ババガヌジとタブレ
このお茄子。結構育っていたので、種がしっかりしていたのですが、ペーストにしてみたら、その黒さが意外に、貧乏人のキャビア風な外観上のアクセントになって、結果オーライです。

あと、きょうの工夫として、茄子の焼き上がりが今イチ固かったので、皮を剥いた茄子にオリーブ油をかけてレンジでチンしました。この工程で、クリーミーさ加減は増した筈。

マハシーの副産物としてつくるときは、ズッキーニが入るためどうしても風味が優しくなってしまうのだけど、きちんと茄子のフレイバーがするババガヌジ食べると、やっぱこのお料理らしい個性が立っていて気持ちがいいですね。

2009/09/28

甘い、甘い、台湾マヨネーズ(mayonnaise)

知る人ぞ知る、甘めな味わいが人気の台湾マヨネーズ

台湾マヨネーズ
3年前の台湾旅行のとき体験した、基隆の夜市の名物、栄養三明治(サンドイッチ)での、揚げパンとの相乗効果をなす、たっぷりした満足感を、なんとかもう一度味わえないかと、ずーっと悶々とした日々を過ごしていました。

本来はマヨネーズがあまり好きではないのだけれど、これは別。旅行のとき、スーパーでの買いだしで購入し忘れたのを、そらあ悔やんでいました。

そんな折、お友達が台湾に行く!との報が。
当然、頼みました。当然「はあ?」ってリアクションが出るのは承知の上ですが、一歩たりとも引く訳にはいきません。執拗にお願いしました。

そして今日、悲願の引き渡し+あの味との3年ぶりの邂逅となったわけです。

まず、パケ。原材料をみると、サラダ油に続いて2番目に砂糖の表記が。期待が高まります。あとは、粘度を増すための材料も添加してます。容器の中の風情は、油脂を1/3程度にカットしたマヨネーズ風ドレッシングなかんじ。蜂蜜入りの松田のマヨネーズレベルの問題とはもっともっと遠いところで、たぶんJAS規格(リンクはPDF)ではマヨネーズにはならないでしょう。

で、その味。

引き渡しは、なじみのカフェだったので、サラダをちょいと貰って味見。

うーん。

増粘剤かなんかのせいか、エマルション化しないまま固形になってるあぶらがありそうで、舌への最初のインパクトがよりグリス感が強い印象。でも、このしっかり甘い味は、とても好み。葉物野菜は、どうしても多少のえぐみが残るので、そこを過剰にマスキングする甘みのオラオラ感は好きです。

とりあえず、料理への応用としては、まずは皮蛋の入った栄養三明治風のサンドイッチ。それと、エビマヨ方面かなあ。

エビマヨは、エバミルク加えて、酸味を抑えつつ味のとろり感を増すのがセオリーだけど、これの場合、過剰な砂糖の味とグリス感に対処するため、柑橘とかハーブ・スパイス系の香りで味とフレイバーを引き締める、逆のアプローチでいってみると楽しいのかも。

2009/09/09

唐辛子ウオッカ(pertsovka)を自家製してみる

ファーマーズマーケットに行くと、お野菜も秋モード。生の唐辛子も並び始めました。いつもの年なら、そんなに心が動かないのですが、今年は違います。あの赤くて艶々した姿をみると、心がトキメキます。

その理由は、今年の夏、いつものバーでよく飲んだお酒にあります。例によって「なんか面白いのは?」という問いに、出してくれたのが自家製唐辛子ウオッカ。それを使った、ブラッディマリーに嵌りました。

唐辛子ウオッカといえばのペルツォフカですが、おなじみのやつは、今はもう生産してないらしく、ウクライナでは別なメイカーがいろいろ作っている状況だとか。ズブロッカとは違って、あんまり家飲みのお酒のイメージはないお酒だったのですが、今年の夏にとても気持ちよかった余韻が残っていたので、自家製してみよう、ってことにしました。

唐辛子ウオッカ
それも、2本も…

ウオッカは、僕の定番であるフィンランディアと、ロシア系な定番のストリチナヤ。種と取った生の唐辛子と、胡椒(赤、黒、緑)、それに赤いパプリカも加えます。

あんまり辛くしすぎると、ストレートでキュっと飲るのがつらくなるので、唐辛子は、とりあえず1本。2週間くらいしたら様子をみて、追加するかどうか考えようと思っています。

2本も漬けたのには訳があって、漬け込み時に冷凍してみたらどうなるかを実証してみようというのがその狙いです。梅酒でも、青トマトのピクルスでも活用した、素材を冷凍することで漬け込みを促進する方法。キンキンウオッカの中で漬けるとどうなるか気になっていたので、あわせて実験です。

*****

ついでに、ビネガーにも唐辛子とにんにくを漬け込みました。

唐辛子酢漬け
使い勝手はいろいろありそうだけれど、いつもはタバスコで代用しているコシャリ食べの時の必須調味料・シャッタの代わりにならないかな、なんて思っていたりします。

2009/09/06

Vive la ketchuppy!**ケチャップ愛を語る

先日、NHKのためしてガッテンという番組で、トマトケチャップについての番組が放送されていました。

ケチャップといも天
僕は、数ある調味料の中でもトマトケチャップが大好きで、ケチャップ愛の強さにはかなりの自負があります。当該番組も、そのよさをアピールしてくれているという点ではうれしいのですが、結局トマトの力を語るのみで、ケチャップ本来の実力の一部を説明したに過ぎない内容です。うまみだけなら、トマトコンサントレで十分ぢゃん。

残念ながら、制作者のケチャップ愛は足りないと言わざるを得ません。

さて、そんな僕はかつて、お友達のフリーペーパーにケチャップ愛を語る文章を寄稿したことがあります。もう10年近く前です。マヨチュチュな社会情勢の中、純粋マヨネーズ批判の形を取りながら、ケチャップの実力を礼賛したものです。

放送内容があまりに悔しかったので、今回、緊急再掲することにした次第です。

Vive la ketchuppy!

僕はトマトケチャップ愛好家です。

ファストフード店でポテトを注文したとき、店のおねえちゃんに「ケチャップ4つですかあ?(Sポテトの場合、Mのときは5、6個)」と怪訝そうな顔をされても、ケチャップは必須で正しい調味料なのです。世間一般に「マヨラー」と呼ばれる多くの信奉者を抱えるマヨネーズとの比較との上で、その優位性を明らかにしたいと思います。

まず、強調したいのは、ケチャップの味はトマトの旨み、換言するならグルタミン酸の旨みに基づいているということです。一般的に、あの甘ったるい味から、お子ちゃままたはアメリカ人の味覚の代表とされるケチャップの味ですが、味の基本はトマトのグルタミン酸の旨みであるということを再認識すべきです。

トマトの旨みは、地中海地方の味覚の根本を魚醤(ガルム)から奪い取った偉大な味わいです。魚醤の代替物という意味では、アジア世界における大豆醤油の旨みと同じくらいの価値を持つのです。この点だけでも、単調な油脂の味が支配的なマヨネーズとの優位性がご理解いただけると思います。

ところで、読者各位はどのような食品にケチャップを使用しますか?定番はオムライス、フレンチフライポテトなどといったところでしょうか。僕はさつまいもの天ぷらにケチャップというのがフェバリットです。まあ好みは人それぞれですが、ケチャップの相性のよい食品の共通項の一つとして挙げられるのは、油脂の味ではないでしょうか。揚げ物はその端的な例でしょう。

ケチャップは、まず前述のきっちりとした旨みで、強力な油脂の味を受けとめるだけの基礎体力を持っています。少しぐらい疲れた油脂で調理された食品でも、受容するだけの懐の深さがあり、腰砕けにならないのです。

その上で、あの酸味です。濃厚な油脂の旨みを緩和する作用があります。マクドナルドのポテトは動物油脂フライが特徴で、独特の“むつこさ”がありますが、酢とトマトの酸味はその濃厚さを和らげ、コクをより強調してくれます。これは、ラードフライの多い肉屋のコロッケとの相性のよさや、とんかつ専門店のたれがウスターソースだけでなくトマトの味が加えてあることが多いこととも無関係ではないと思います。

さらに、砂糖の甘味が油脂の甘味とあいまってマイルドな味わいに奥行きを与え、各種香辛料が甘、酸、塩、旨みといった強力な味わいのバランスをとっています。ケチャップ=ジャンクフードという図式が世間では出来上がっていますが、これは、すこしぐらい駄目な食品の味も矯正しうる、ケチャップの調味料としての類稀な実力が生んだ不名誉な誤解ともいえます。

まとめますと、ケチャップによって得られる美味しさは、これまで述べたような複雑な味わいが相互作用しあって成立しうるものではないかとおもいます。強力な油脂の旨みと酸味によって食材の味をねじ伏せて得られているマヨネーズの味わいとは違い、ケチャップはより複雑な呈味プロセスによって、食品の味を支えていることがご理解いただけたのではないでしょうか。以上の点を再確認された上、読者各位がケチャップの価値を再発見されることを希望します。
尚、今はアンチイスラエルな立場から、マクドナルドに行くことはほとんどありません。