アクラ(accras)と並び、クレオール(アンティーユ)料理の名物に数えられる血のソーセージ・ブーダン(boudin)。アンティーユの前菜盛りでは、アクラの下にブーダンが埋もれています。
ブーダン(・ノワール)といえば、フランスのお料理の中でも定番で(むかし在日フランス人学校の学校祭に出かけた時、学食で食べたくらい!)、個人的にも特にお気に入りの一品。りんごの焼いたのを一緒に添えて、パンとワインと一緒にいただけば、そのたっぷり濃厚なお味に、一本で満足してしまいます。
でも、アンティーユ風のブーダンは、そんな従前からの印象を覆してしまうような軽い味わい。血のソーセージといえば、韓国のお米の入ったやつも好きなんですが、それよりも軽いかんじ。
当地では、メニューの中でもアントレのコーナーにのっているし、大きさも親指くらいの長さ。食べたかんじも、脂の味や香辛料の風味もそんなに強くなく、すっきりと舌の上を通りすぎていきます。盛り合わせなどで、サラダが添えられていると猶更に。
そんなブーダン。
マルティニーク南部のリビエール・ピロット(riviere pilote)という町のマルシェに立ち寄った際、何人か、ブーダンをその場で作って、ゆでで、売っている人を発見。
でっかい鍋に入ったブーダンの中身を、その場で豚腸に詰め、茹でています。テーブルの上には、でっかいボールに茹でたての温かいブーダンもてんこ盛り。
その中の一人のおばさんに「写真をとっていい?」と聞くと、快諾してくれ、しかもナイフを手渡してくれて、ほかほかのブーダンも試食させてくれました。
これが朝の9時ごろのことなんですが、さすがに茹でたて。ラムでもそうだし、ほかのお料理でもそうだけど、できたてのものに共通する独特の軽やかさが感じられ、焼いていないからレストランなどでいただくよりも、さらにすっきりした味わい。
パリのお総菜やさんとかでも、ブーダン・ノワール売ってそうだけど(ていうか、昔旅行の時買ったことあったかも)、こんなに爽やか気分でブーダン食べる経験って、なかなかできないですよね。
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